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レジャー 2007年12月03日 15時00分
阪神JF 新2歳女王はトールポピー
来春の桜花賞を占う2歳女王決定戦「第59回阪神JF」(JpnI 芝1600m)は3番人気のトールポピー(池添騎手騎乗)が1分33秒8(良)のタイムで優勝、賞金6000万円を獲得した。2着はクビ差でレーヴダムール、3着はさらに半馬身差でエイムアットビップ。1番人気のオディールは4着に敗れた。池添騎手は、このレース初勝利。角居師は昨年のウオッカに続いて、このレース2連勝を飾った。 予想通りの大激戦だった。4コーナーから進出した1番人気のオディールは、安藤勝騎手が余裕の手応え。バテた先行馬を交わし、外から迫るカレイジャスミンを振り切って「勝利」の2文字がハッキリと見えたかに思えた。 が、ドンデン返しはそこから始まった。ゴチャつく馬込みを避け、早めに仕掛けて追い込んだレーヴダムール。これまでとは一転し、中団待機のエイムアットビップ。この2頭がゴール前の坂でオディールを激しく追い、交わした。 ところが、本当の逆転劇の主役は、さらに後ろにいた。4角10番手に位置したトールポピーだ。 「黄菊賞では2着に負けたけど、あれがこの馬の力じゃない、という証明をしたかった」と池添騎手。あわてず後方を進んだのは「トモが弱いし、まだ馬も若いので」というのもあるが、最大の理由は「早めに抜け出すとソラを使う」ためだ。 実際、黄菊賞では先頭に立ってフワッとしたところで痛恨の出し抜けを食らった。その結果、1勝馬のまま2歳女王決定戦はハラハラドキドキの抽選待ちとなった。しかし、これをくぐり抜けた時点で、すでに勝利の女神はポピーに微笑んでいたのかもしれない。 最大の難関を突破し、期待通りの快勝。それにしても、偶然とは思えない過程がポピーにはあった。角居厩舎の所属で阪神JFといえば、思い浮かぶのが昨年の覇者ウオッカだが、このウオッカも黄菊賞2着をステップにしての参戦だった。 この臨戦過程。無論、狙ってできるものではない。となると、その後、ダービーを勝ったウオッカに続く大物なのか?何やら神がかり的なムードも漂うが、いやいや、歴史的名牝はそう毎年毎年、出るものではない。ウオッカのあきれるほどの強さに、各陣営、お手上げだった昨年とは対照的に、今年の敗戦組は巻き返しへ向け、鼻息の荒さが違う。 2、3着の騎手たちは「来春が楽しみ」と口をそろえる。4着オディールの安藤勝騎手でさえ、「決着がついたわけじゃない」と言い切った。 今年は馬インフルエンザの影響で2歳馬の入厩が1カ月半は遅れた。2歳女王を決めるレースとして質、量ともに豊富だったとはいいがたいものがある。勝ち時計の1分33秒8は、同日の500万戦よりコンマ4秒遅い。ラスト3Fに至っては昨年のウオッカより1秒以上遅いのだ。 この勝利で常にウオッカと比較される対象となったトールポピー。もちろん、人の言葉を理解できない彼女がプレッシャーを感じることはないだろうが…。
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レジャー 2007年12月03日 15時00分
先週の新馬勝ち馬(阪神)
良血馬が激突した1日(土)の芝1600m戦。勝ち名乗りを挙げたのは、2002年のスプリンターズSの勝ち馬でアメリカで繁殖入りしたBelieveの仔ファリダット(牡、父Kingmambo=松元茂厩舎)だ。 道中は4、5番手を追走。直線に向くと力強く抜け出し、ダイワメジャー、ダイワスカーレットの半妹として注目を集めたブーケフレグランスを3馬身切って捨てた。勝ち時計は1分35秒7(良)。 「申し分ありません。乗っていて気持ちいい」と武豊騎手。一方、松元茂師は「幼い面もあったので、(勝てて)ホッとしている。まだ60%くらいかな」と将来を嘱望していた。典型的なスプリンターだった母とは対照的に、こちらは抑えが利くタイプ。距離が延びても対応はできそうだ。 次走は年明けの「福寿草特別」(500万 京都芝2000m 1月6日)を予定している。 2日(日)の芝2000m戦からも大物が誕生。単勝1.6倍と断トツの支持を集めたジュウクリュウシン(牡、父マンハッタンカフェ、母インデポジット=栗東・昆貢厩舎)が、好位から危なげなく抜け出して快勝した。勝ちタイムは2分3秒4(良)。 エアシャカールの半弟エアメギド(10着)など、評判馬がそろった一戦をアッサリものにしたあたり、素質は相当なもの。中間のケイコでは併せ馬で負けなし。「調教の動き通り。評判通りの強さだったね」と手綱を取った藤田騎手も満足げだ。 厩舎の評価は先週の京都2歳Sを勝ったアルカザン以上。朝日杯FSには間に合わなかったが、来春のクラシックに向け、将来性十分な一頭が初陣を飾った。
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レジャー 2007年12月03日 15時00分
先週の新馬勝ち馬(中山)
2日(日)のダ1800m戦はドットコム(牡、父ブライアンズタイム、母ビューチフルドラマ=美浦・戸田厩舎)が人気に違わぬ強さを見せた。 勝ち時計は1分58秒5(良)と平凡だが、内容が鮮烈。3角付近でズルズルと後退し“ジ・エンド”かと思いきや、4角で外に持ち出されると、メンバー最速、唯一の上がり38秒台で差し切った。「スタートも良くなかったし、砂を被って途中で下がってしまったが、外に出したら驚くような伸び。かなりの能力がある」と、手綱を取ったペリエ騎手も驚きを隠さない。 この切れる脚があれば、砂を被ることのない芝でも、と期待が膨らむ。次走に注目したい。 同日の芝2000m戦も1番人気のペガサスフォート(牡、父Fusaichi Pegasus、母Shy Princess=美浦・藤沢和厩舎)が順当勝ちを収めた。勝ち時計は2分7秒1(良)。 残り200mで鞍上が追い出すと、瞬時に反応して2着に3馬身半をつける完勝。レースの上がり3Fが12秒1→11秒9→11秒5と差し馬に向いたラップだったとはいえ、鋭い末脚は目を引いた。 新馬連勝を飾ったペリエ騎手は「ベリーグットホース。アクションがまだ子どもだが、追い出したらいい反応。経験を積めば、強い馬になる」と賞賛した。速い時計に対応できれば、上のクラスでも通用しそうだ。 柔よく剛を制すとはこのこと。1日(土)のダ1200m戦は、426kgと軽量のパルティータ(牝、父ヘクタープロテクター、母ロッキーバッハ=美浦・清水英厩舎)が、510kgの巨漢マイミカプリンセス(単勝1番人気)を1馬身4分の1突き放し、逃げ切り勝ちを飾った。勝ちタイムは1分14秒4(良)。 負傷加療中だった江田照騎手は自ら復帰戦に花を添え、「いい馬を用意してくれた清水英先生はじめ、関係者の皆さんに感謝したい」と心の中で手を合わせていた。また、パートナーについては、「直線、物(影)を見て飛んでいたように、まだ真剣味が足りないけど、並ばれてからまた伸びたように走る馬です」と課題を指摘した上で合格点を与えた。 同日のダ1200m戦は、メンバー最速(35秒1)の差し脚を爆発させたプリマフォルツァ(牝、父ゴールドアリュール、母ベネヴェント=美浦・栗田厩舎)が、1馬身4分の1差の完勝を飾った。勝ちタイムは1分35秒7(良)。 434kgと小柄だが、レースの印象は全身がバネのかたまり。北村宏騎手は「せかすとカッとしそうなタイプだし、流れも速くなかったので(後方から)徐々に押し上げていった」と会心のレースを振り返った。 4角で勝利を確信した北村宏騎手=プリマフォルツァのコンビは、直線に向くとビクトリーロードを真一文字に伸びてきた。「いい脚を長く使った。距離もこれぐらいがちょうどいい」と一層の活躍を誓っていた。
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レジャー 2007年12月03日 15時00分
LJS優勝 女性ジョッキーの第一人者・宮下瞳騎手に迫る
11月22日、偶然にも「いい夫婦の日」に、念願の「500勝よりうれしい」というタイトルを獲得した。 水沢、荒尾、浦和の3競馬場を転戦して行われた「レディースジョッキーズシリーズ(LJS)2007」で初優勝を果たし、女性ナンバーワンジョッキーの栄誉を手にした宮下瞳騎手(名古屋・竹口勝厩舎)。 2005年7月18日に通算351勝目を挙げて、吉岡牧子騎手(元益田競馬)が保持していた日本での女性騎手最多勝記録を更新、今年10月26日には地方競馬通算500勝を達成し、現在も自身の記録(506勝)を更新し続ける女性騎手の第一人者である。 その記念の500勝よりも、LJS優勝の方が「実際に女性騎手が集まった中でトップに立ったということが、すごくうれしい」と笑顔があふれた。毎朝、午前1時半に起床し、調教で23頭から25頭もの馬にまたがるという。「馬が好きだし、騎手は納得するまで続けたい」と話す強い意志を宿した瞳に、思わず引き込まれた。 そんな宮下騎手を支える一人、夫で同競馬所属の小山信行騎手はよき理解者であり、最大のライバルでもある。“夫婦1着同着”という珍記録も持つ一方、「負けるとめっちゃ悔しい」関係が自身に磨きをかける起爆剤ともなっている。 LJS最終戦の前には、小山騎手に「頑張っておいで」とパワーを注入され、優勝インタビューで「一番に報告したい」と熱々ぶりも披露。公私ともに充実したスーパーウーマンはまだまだ貪欲に上を目指す。
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芸能 2007年12月03日 15時00分
山田誉子 DVD「虜」発売記念イベント開催
元C・Cガールズの山田誉子(36)が2日、都内でDVD「虜」の発売記念イベントを行った。 93センチGカップバストの手ブラ、ひもパンなど限界ショットに挑戦。 「あり得ないポーズが多かった」と撮影を振り返った山田。「日活ロマンポルノ的なストーリー仕立てになっています。20代のときにはなかった二の腕のプヨプヨ感がたまらないです」とアピールした。
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社会 2007年12月03日 15時00分
女児パンツ履き捨て男逮捕、下着女装マニアの実態
大阪府警茨木署は2日、自分で履いて汚した女児用パンツを民家に投げ捨てたとして、廃棄物処理法違反容疑で大阪府茨木市彩都あさぎの会社員押谷和夫容疑者(48)を逮捕した。いちご柄が勝負パンツ(?)だった同容疑者は、女児パンツ装着でバリバリ仕事をこなしていたド変態。下着女装マニア特有の裏事情を追った。 同署は容疑者宅を家宅捜索し、女児用パンツなど200点以上を押収した。内訳はパンツが約100枚、ストッキングが約100本で電動バイブなど大人のおもちゃもあった。パンツではいちご柄が目立って多かったという。 調べでは、押谷容疑者は9月19日から10月11日のあいだ、茨木市彩都あさぎの民家3軒に、自分で履き終えた“使用済み女児パンツ”をストッキングに結びつけるなどして投げ捨てた疑い。 「女児用パンツを履くのが快感だった。捨てられたパンツをみた若い人妻が驚くシーンを想像すると興奮した」などと供述。女児用パンツは近所のディスカウント店で購入したものという。 茨木市と大阪府箕面市では昨年6月から、女児用パンツやストッキングが民家に投げ入れられたり、庭木や自転車、乗用車のドアミラーなどにくくりつけられる事件が約100件発生。汚物にまみれたものもあった。 同容疑者は豊中市の金属部品会社に勤務し、亡き妻とのあいだに社会人と大学生の2男、高校生の娘を持つパパ。帰宅後に履き古したパンツを捨てるため徘徊していた。 幼女のパンツを無理やり履いて、汚したうえで人前にさらす。完全な変態である。履くだけならば「変態」で済んだものを、民家に投げ入れたりしたものだからお縄となった。 性風俗ライターは「女装マニアはほとんどオカマだが、下着限定の女装マニアは2種類いる。体毛が濃かったり、勇気がなくて表向きノーマルにみえる下着女装にとどめているタイプと、『ブラ男』のように隠れた変態性をアピールしたいタイプ。いずれも変態だが、女装じたいは犯罪ではない」と解説する。下着女装マニアはあなたの隣人にもいるかもしれない。
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レジャー 2007年12月01日 15時00分
阪神JF 絶好調アベコーは抽選くぐり抜けたあの強運馬に注目
師走の阪神競馬の開幕を飾る「第59回阪神JF」(JpnI 芝1600m 2日)が今週のメーン。来春のクラシックを目指す東西の若き乙女たちが、桜の舞台で熱戦を繰り広げる。アベコーこと阿部幸太郎が、今年の2歳女王にノミネートしたのはエイシンパンサー。1勝馬とはいえ、身上の末脚はここでも十分通用する破壊力を秘めている。最大の難関でもあった抽選をくぐり抜けた強運を生かし、桜の最有力候補に躍り出る。 みなさん、お元気ですか、アベコーこと阿部幸太郎です。 今週オープンした阪神コースは、昨年リニュアル。内回りに外回り。これまでよりも一段とドラマチックなコースに様変わり。レースもスピード優先の舞台。2年前の阪神競馬場とは180度変身したコースがそこにあります。 昨年、記念すべきこのレースを優勝したのはウオッカで、人気のアストンマーチャンが2着。勝ちタイムが1分33秒1、ウオッカのラスト3Fは34秒2。出色の時計でした。また、アストンマーチャンは直前のファンタジーSが、1分20秒3のレコードで、イクスキューズ以下を5馬身ちぎる独走劇。今年のファンタジー優勝馬オディールは1分21秒1。昨年の牝馬陣のレベルの高さがうかがいしれます。 ということで、昨年のような傑出した馬が今年は見当たりません。それゆえ、どの馬にもチャンスは十分です。 ポイントはファンタジーSで大逃げを打ったエイムアットビップが再び参戦。これをアロマキャンドル、オディール、カレイジャスミン、ヤマカツオーキッドが急追する展開。緩みない流れになる公算が大。先行馬に有利な開幕週ですが、どうしても私の目は、ある1頭の馬から離れません。 ◎エイシンパンサーです。新潟2歳S4着、ファンタジーS3着。いずれも本命。1勝馬ゆえに今回の阪神JFは出走叶わぬかも知れないと見ていたら、これが強運にも出走パス。考えてみれば新潟2歳Sは直前のマリーゴールド賞を挫創で取消。そのため、新潟2歳Sは10kg増の馬体。いかにも急仕上げでした。それでも、勝ち馬と0秒4差。マイル1分34秒5、ラスト33秒8は破格の内容。ファンタジーSは休養明けと出遅れ。オディールと同じ34秒2は立派です。新馬戦で並ぶところなく抜き去り圧倒した阪神が舞台。ズバリ!直線一気です!
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レジャー 2007年12月01日 15時00分
阪神JF 佐藤藍子 偉大なる皇帝の血を引くラルケットに声援!
今年も大混戦の様相を呈している「第59回阪神JF」(JpnI 阪神芝1600m)が、いよいよあす2日(日)、発走を迎える。おなじみの女優・佐藤藍子は無敗の関東馬ラルケットを本命に推した。何でも今回は血統を重視したというが、その根拠はいかに? 経験もないし、完成度も低い2歳牝馬のGI。一番、予想が難しいGIといってもいいんじゃないですか? ということで、今回は血統を重視。◎はラルケットです。同馬の血をさかのぼってみると、母母母スイートコンコルドは皇帝シンボリルドルフの全姉。ルドルフが好きで毎年、北海道の牧場に行っているんです。今年もテレビの仕事で会ってきましたが、いつでも現役で走れそうな筋肉のつき方でした。 それは余談として、牝系は突如としてポンと大物を出すパーソロン系にサンデーサイレンスの血も入っています。ともに気性が激しい血統ですが、ラルケットにはそれがいい方に出ている。馬込みにひるまないところとか、2歳牝馬では傑出した精神面の強さになっています。そして、関東馬はこのレースと相性がいいし、鞍上もフランスのリーディングジョッキー・パスキエなら文句なしといったところです。 相手の筆頭はオディール。阪神コースがリニューアル後、1回目の昨年は人気通りの決着。まだ傾向は読めませんが、ペースが落ち着いて平穏なGIになる可能性も。実績ならナンバーワンなので、人気通りの決着になったときの押さえとして外せませんね。 穴ならカレイジャスミン。理由?馬名がかわいくて、顔もキュート。気性も大人しいし、三拍子そろっています。全2勝がマイルでのものと距離適性はピッタリです。 あとはアロマキャンドル。父フレンチデピュティに母父SSの血統なら今が華かなと。牝馬らしからぬ筋骨隆々とした馬体にも目を引かれます。 馬券は単勝(14)に500円、馬単(14)から(4)(11)(13)に各300円ずつ、3連複(11)(14)から(4)(13)に各300ずつ、計2000円で勝負です!
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レジャー 2007年12月01日 15時00分
阪神JF(JpnI 阪神芝1600m 2日) 藤川京子 シャランジュが新潟2歳Sの鬼脚再現よ
阪神JF当日は、中山競馬場で「女だらけの阪神JFレース検討会&回顧」のイベントを時東ぁみさんと岡部玲子さんの3人で行います。お昼休みと最終レース終了後に、パドックで皆さんと盛り上がりたいと思っていますので、よかったら遊びに来て下さいね!それと、阪神3Rに一口出資馬マーシフルフェイトが出走しますので、よかったら応援して下さい! さて、2歳牝馬の頂点に立つのは◎シャランジュです。まだ1勝馬の身ですが、ここまで4戦して、だんだんと力をつけてきました。圧勝した新馬戦もインパクトがありましたが、前々走の新潟2歳Sでの切れ味が忘れられないですね。4角18番手から使った上がり(3F)は33秒0。力がなければできない芸当です。 デ杯2歳Sでは、道中ゴチャつき、スムーズさを欠きましたが、それでも0秒4差5着ですから大したものです。 中間も調子を上げていて、先週は坂路49秒台、そして今週は51秒台。今までで最高のデキで臨みます。輸送も経験済み。末脚一本勝負で決めてみせます。
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レジャー 2007年12月01日 15時00分
阪神JF(JpnI 阪神芝1600m 2日) 本紙・谷口はオディール
アロマキャンドル、ラルケット等々、今年は珍しく関東馬が大挙として押し寄せてきた「阪神JF」。能力比較もままならずに、どの厩舎関係者も「チャンスは十分にある」と秘めたる野心を口にもらす、群雄割拠の様相を呈している。 そんな中、泰然自若と構えるのは橋口師。「まだ、みんな成長途上やキャリア不足。2歳のこの時期は一戦、一戦、どんな馬が頭角を現すのか分からない。長年の経験上から見ても、レースが終わってみて、“えっ!こんなに強かったのか”という馬が勝つことが多いからね」と笑う。 が、ここに送り込むオディールに確かな手応えを感じ取っているのも事実。「そうはいっても、実績でいえばウチの馬が一番なのは、みんなが認めるところ。まず、電光掲示板を外すことはないだろう」 クロフネ産駒らしく(?)デビュー戦こそ3着と不覚を取ったが、その後は一戦ごとに“緩さ”が解消。立ち回りのうまさに加えて、俊敏さも備わった。 とりわけ、前走のファンタジーSは圧巻のひと言。同じ京都の千四ながらも、内回りから外回りにかわっただけで、2走前のりんどう賞では“速さ”負けしたエイムアットビップをゴール前、強襲、鮮やかなリベンジVで重賞ウイナーとなった。1F延びて、さらにレースセンスと瞬発力が要求される阪神外回りのマイル戦においては、その一戦ごとの“良化”が大きなアドバンテージとなる。 「終い確実に伸びるのがセールスポイント。折り合いを欠くところが全然ないし、だから末脚が生きるんだ。母はすぐイライラして苦労したが、こちらはそんなところは全然ない。前走後もカイバを食べているしね。直線、差してくるのは間違いないから、あとは突き抜けるのか、差し届かないか。それはやってみなけりゃ分からない」 最後までV宣言をしなかった師だが、母キュンティア(1997年阪神3歳牝馬S2着)がなしえなかった冠を「この初仔で獲る」の熱い思いは言葉の端々に現れていた。競馬はブラッドスポーツ。ドラマチックな幕切れに期待したい。