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レジャー 2007年11月14日 15時00分
遠い記憶 八王子競馬場の歴史(5)
「雨でもやります明るい競馬」。メディアや通信機器を使っての情報が未発達だった時代、開催の有無をめぐってファンの混乱を避けようと、主催者がこのキャッチフレーズを打ち出したまでは前回で記した通りである。 しかし、日本は季節によって、台風がやってくるし、当然、冬には雪に見舞われる日もある。ファンを思ってのこの「雨天決行プラン」は、結果的に荒天でも適用されることとなり、こんなアクシデントを招くこともあった。 当時の都営競馬の開催に携わっていた職員は、悪天候に見舞われた、とある日の競馬を次のようにつづっている。 「雨でもやるのだから、風くらい何だという訳で風速二十米、黒ぼくの競馬場の軽い土が、四六時中、空に舞い上がって、為に天日さえも暗い日に競馬をやらなければならない日もあった。その日の正午過ぎ頃は、最も風が猛威を振るった時で、その前後は、砂塵によって、視界も零という最悪条件にあった。将に第三レース、千二百米、向こう正面のスタートが切られようとしている。スタート付近の人も馬も姿が見えない。その間に発走時刻は経過してしまう。どうしたのかと案じている隙もなく、ゴール寸前十数米付近の砂塵の幕が異様に動く。その中から黒い影が沸いて、ほのかにそれと判れば、何時の間にスタートしたのか一団の馬群がゴールに向かって突進して来る。あわてて審判委員は着順を判定して、僅かに事なきを得た…」(原文まま) まさしく間一髪とはこのことである。迫力のある描写から、当時の競馬のさまがうかがい知れる。 八王子競馬は、後に大井競馬場に移る直前にも、雪の中で開催、入場人員365人、売上金60万円の日もあったと記録にある。 また、前回までに記した「フォーカス馬券」に関しても、いかにもアバウトな当時らしい慣習があった。八王子競馬は、6枠制で行われていた。その枠順の決め方はかなり乱雑で、主催者が強いと思われる馬を5枠までに入れてしまう。残りは何頭いようが、6枠に入れてしまうのである。これで枠番連勝単式の馬券は、1から5までの組み合わせなら堅く収まるが、6枠が絡めば高配当必至…こんな今ではちょっと考えられない馬券が発売されていた。 ※参考文献(大井競馬の歩み/悲運の多摩八王子競馬/八王子の歴史と文化/都営競馬の回想)
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ミステリー 2007年11月13日 15時00分
坂本龍馬 暗殺の背景を追う
1867年11月15日、日本を動かしたある男が暗殺された。その名は坂本龍馬。脱藩浪人でありながら、維新回天の立役者として八面六臂の活躍をしたことはご存知の方も多いだろう。しかし、龍馬の死には謎が多い。一体誰が龍馬を殺したのか?多くの歴史家がその謎に挑戦してきたが、今だ特定できていないのが現実だ。彼の死後から140年。今回NMRでは坂本龍馬暗殺の謎に迫った。 「十津川郷士のものですが…」と名乗る男に殺された。坂本龍馬暗殺における確証はこれしかない。 しかし、それが大和十津川の郷士でない事は誰の目にも明らかであり、現在でも誰が暗殺者を指揮し誰が刺客なのか、その全貌は解明されていない。一応、京都見廻組・佐々木只三郎が実行犯というのが多くの研究者の結論である。学会ではこの説に異を唱えることはタブーとされており、そのしきたりを破れば学者生命を縮める事にもなりかねない。歴史の真実はそうやって闇に葬り去られてゆくのだ。 果たして誰が龍馬を殺ったのか…。新選組説、薩長説これまでに様々な説が取りざたされてきたがここにある歴史研究家が重い口を開いてくれえた。 「坂本龍馬が維新回天の立役者として表に名前が出たのは龍馬の死後に陸奥宗光が盛んに宣伝したのがきっかけです。それまではごく一部の人しか彼の名を知る事はありませんでした。さらに龍馬が国民的ヒーローとして扱われるようになったのはもっと後で司馬遼太郎先生の『竜馬が行く』がきっかけです。司馬先生のおかげで一浪人が日本を動かしたという事実が日本史に刻まれましたが、一方で龍馬を反逆のヒーローに仕立て上げてしまった。この龍馬の扱い方が歴史研究者の首を絞めているのです」 まるで坂本龍馬の歴史認識に間違いがあるといわんばかりの言葉だが異論を唱えるにはまだ早そうだ。 「ヒーローになってしまったがゆえに龍馬の負の一面を発表できなくなってしまった。なぜ龍馬が暗殺されたか。誰が?なぜ?の部分だけがクローズアップされ、龍馬が暗殺されるに至った理由についての検証が正確に世の中に伝わらなくなってしまったのです。坂本龍馬は歴史というドラマの主人公であり史実の研究対象ではなくなってしまいました」 それでは一体正確に伝えるとしてどの部分がポイントとなってくるのだろう。 「ドラマとしてみれば薩長同盟成立に尽力し幕府を大政奉還に導いたというのがクライマックスでしょう。しかし、史実で見れば龍馬が作成したといわれる『船中八策』の方がよほど重要です。これに少し手を加えたものが明治新憲法網領である五箇条の御誓文に繋がります。この船中八策はそれほどまでに完成度が高く当時としては思想の最先端を突き抜けたものでした」 確かに船中八策は近年なってから大きく注目された龍馬の業績の一つだ。しかしそれが龍馬暗殺とどのような関係があるのだろう。 「最先端の思想…すなわちそれはアメリカ的思想ともいえるのです。フリーメイソンとまでは行かなくても龍馬に非常に強いアメリカとのパイプがあったことは想像に難くないでしょう。というよりアメリカが龍馬をキーパーソンとして扱っていたと考える方が自然です。当時、龍馬は軍人より貿易商人の間で有名でした。アメリカの艦隊が日本に来る時、誰から情報を仕入れるか?彼ら貿易商人からです。その情報を元にアメリカ側が話をしやすい立場にいた浪人の龍馬に接触する。そのような状況でアメリカと龍馬の蜜月を快く思わない人間がいるとすれば…」 当時、貿易における坂本龍馬の力は絶大であり、アメリカと取引をするならばまず坂本を通せというほどのものであった。この状況をもっとも嫌がるのは…。 「そうです。幕府よりもアメリカから武器を購入していた倒幕軍のほうが龍馬を暗殺することによる利がありました。もし、龍馬の手引きで幕府軍に武器が行き届けば死に体といえど簡単に幕府を攻略することはできなかったでしょう。幕府高官にたくさんの知人がおり、最後まで武力による倒幕に異を唱えた坂本龍馬は自分の想像を超えて日本の行く末を決める鍵になってしまった。実行犯は京都見廻組でしょう。しかし、隠れ上手の龍馬を入り組んだ近江屋母屋の二階に見つけ出し、龍馬が体調を崩し中岡と一緒の時に狙いを定めるのは誰かの手引きがなければ絶対に出来ないことです。その手引きは誰がしたか?倒幕に出遅れ、薩長にいい顔がしたく、さらに貿易に全精力を傾けている国、土佐しかないのです」 龍馬暗殺の黒幕は土佐藩…!?それは龍馬の出身国でもある。土佐は後藤象二郎の斡旋により龍馬とは和解していたはずだが?確かに龍馬亡き後、倒幕軍の重要な一角に食い込み、海援隊のおいしいところだけを引き継いだのは土佐であり三菱創始者、岩崎弥太郎である。 果たして、龍馬は土佐の手によって暗殺されたのか? その確証はない。しかし、歴史の裏側を研究する土壌さえできればこの点にもスポットが当たるであろう。
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芸能 2007年11月13日 15時00分
モー娘。ファンクラブ 特別会員高額募集が呼ぶ波紋
メンバーチェンジの度に人気が低下していく「モーニング娘。」。解散説もささやかれるなど、人気回復は難しい状態だが、ファンクラブはかなり強気の商法で、来年度「エグゼクティブパス」と呼ばれる年会費6万3000円という超高額な年会費の特別会員を募集、波紋を呼んでいる。 「定員がいっぱいになればそれだけで1890万円の収入。CDが売れないだけに、事務所にとってはかなりオイシイ商売といえます」(芸能プロ関係者) 今年に入ってから、加護亜依の未成年喫煙騒動による引退、辻希美のデキちゃった結婚、藤本美貴が男性スキャンダルで脱退、後藤真希の弟が窃盗容疑での逮捕、安倍なつみの人身事故など新旧メンバーがスキャンダルのデパート化しているモー娘。だが、高額の特別会員募集をめぐってファンの間からは猛反発が起こっているという。 「12月に詳しい申し込み方法が分かるんですが、あの程度の特典であの値段はちょっとやりすぎだと思います」(熱烈なファン) 気になる特典だが、チケットの先々行発売、コンサートの限定特別シートに無料招待、誕生日にはお気に入りアーティストの声(を届ける?)などなど。年会費4600円の一般会員とは明らかに差別化を図っているが、問題はもはやコンサートチケットが“プラチナ”ではないという点。 「今、チケットが入手困難なのは首都圏の前列の席ぐらいで、地方公演は楽に入手できる」(同) この特別会員の有効期限は第1期が来年4月1日から09年の3月31日、第2期が09年4月1日から10年3月31日だというから、それまで解散することはないようだ。 「今年、メンバーに中国人のジュンジュンとリンリンが加入しましたが、これは明らかに来年の北京五輪に何か絡もうという狙いがあってのこと。現在リーダーを務める高橋愛をはじめ、現メンバーからはスキャンダルが聞こえてこないので、低空飛行ながらもグループは存続しそうです」(音楽関係者) ネット上では「6万円でそこそこ特典があるなら安いもの」と歓迎する声があるだけに、モー娘。のブランド力からすれば、募集している300人の枠をめぐって壮絶な倍率になってもおかしくはない。 「最近は、ファンを広げるのではなく、固定ファン相手に確実に利益を上げる商法にシフトしている。なので、この300の枠が埋まるか埋まらないかはモー娘。の今後を占う意味で重要な意味を持ってくる」(同) 高額会員の募集はモー娘。にとって吉と出るか、凶と出るか?
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芸能 2007年11月13日 15時00分
郷ひろみ 新曲発表
歌手・郷ひろみ(52)が12日、東京・新木場スタジオコーストで新曲「Good Times Bad Times」の発表会&プレミアライブを開いた。 「今まで出した曲の中で一番大変」と話すように、アップテンポなメロディーと激しいダンスが特徴。ライブでは「ひろみ's ブートキャンプですよ。歌って踊ると大変なんだから」とジョークを交えながら、「お嫁サンバ」「2億4千万の瞳」など11曲を熱唱した。 また新曲のPVには、郷のモノマネで有名なタレント・我修院達也(57)が出演しており、今回応援に駆けつけた。(写真=激しい振り付けの新曲を披露した郷ひろみ)
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スポーツ 2007年11月13日 15時00分
棚橋1・4ドーム大会Wヘッダー案浮上
新日本プロレスIWGPヘビー級王者の棚橋弘至が12日、都内の同事務所で会見した。来年1・4東京ドームでのV2戦が正式決定。当初ドーム大会ではカート・アングルが保持するIWGP3代目ベルト争奪マッチに興味を示していたが、これにより正規のIWGP戦に全力投球せざるを得なくなった。しかし、その一方で棚橋には、念願のアングル戦&自身の防衛戦に臨む両戦出撃のウルトラC案が飛び出した。 早くもエース棚橋を取り巻く情勢が動き出した。 11日に行われた東京・両国国技館大会で後藤洋央紀の挑戦を退け、貫禄の初防衛を果たした棚橋。激闘から一夜明けたこの日の会見では、次期シリーズの対戦カードとして本紙既報(12日発行号)通り、次期挑戦に名乗りを上げた中邑真輔と真壁刀義が、12・9名古屋大会で査定マッチを行うことが正式発表された。 また、次期防衛戦についてもTNAとの対抗戦が行われる2008年1月4日の東京ドーム大会「レッスルキングダムII」で開催することを決定。菅林直樹社長は「TNAからの挑戦者を第一候補として挑戦に名乗りを上げた中邑や真壁といった選手を査定したい」と、IWGP戦の挑戦者を選定する意向を示した。 いよいよ王者として1・4出撃することが決まった棚橋。これまでは、昨年に新日プロから流出し、現在カート・アングルが保持するIWGP3代目ベルト争奪マッチへの出撃を示唆していたが、1・4東京ドームで自身の防衛戦が決まったことで正規のIWGP戦に専念せざるを得なくなった。 どこか吹っ切れない棚橋は「やっぱり防衛戦があるならそっちに集中しなきゃいけないし…」とながらも「もちろん自分の手で3代目のベルトを取り戻したいッス」とし複雑な心境を打ち明けた。しかし、この局面を一気に打開するウルトラC案がある。 新日プロのフロント幹部が言う。「なにもチャンピオンがドームで1試合だけっていうことにとらわれる必要はないでしょう。例えばダブルヘッダーだって考えられるわけですしね」。なんとドーム大会で2試合をこなす究極マッチもあり得るというのだ。 「31歳になってもバリバリです。2試合のスタミナも大丈夫です」とは棚橋。今後の動向に注目だ。
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スポーツ 2007年11月13日 15時00分
ゼロワンMAX弾丸戦士・田中が新日侵攻宣言
ゼロワンMAX火祭り男の“弾丸戦士”田中将斗が12日、きょう13日に後楽園ホールで行われる大谷晋二郎15周年記念マッチに参戦する新日本プロレスの“ミスターIWGP”永田裕志にケンカ状。永田を踏み台とする新日プロ侵攻計画を明らかにした。 崔領二とのタッグで大谷&永田裕志と対戦する田中。この日は大谷の15周年記念戦について「15周年といってもパートナーでない限り関係ない。花を持たすつもりはない」と述べ、「それに話題としてはボクと永田の初対決でしょ」と大谷の完全無視を決め込んだ。 あくまで田中の照準はミスターIWGPの首だけだ。「大谷とタッグを組むことで先があるようなことを言っている。気に食わない」と怒りでカラダをブルブル震わせて「ベルトは取られたが、まだ永田が新日のトップ。永田からフォールを奪ってやる」と息巻く。 ここまで永田に噛みつくのには野望があるからにほかならない。田中は「いつまでも新日がプロレス界の一番だと思うなよ」と一気にまくし立てると、「近い将来、新日に上がることになるかもしれないしね」と永田を踏み台にして新日プロへ侵攻するビジョンを明らかにした。 ミスターIWGPとの初遭遇を果たす弾丸戦士。新日プロへの侵略戦争に持ち込むことはできるだろうか。
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スポーツ 2007年11月13日 15時00分
金丸がマルビン迎撃へ地対空パトリオットキック準備
プロレスリング・ノアのGHCジュニアヘビー級チャンピオン金丸義信が12日、都内の同事務所で初防衛の秘策を言明。19日の新潟大会で行われる挑戦者リッキー・マルビンを迎撃するべく「地対空キック」の発射を予告した。 いよいよ4次政権をスタートさせる金丸。この日は初防衛で激突するマルビンについて「飛んだり、跳ねたり器用な選手だよね」と評価しながらも、「お客さんは喜ぶだろうけど、それだけでは勝てないことを教えてやる」。 タイトル戦の酸いも甘いもかみ分けたチャンピオンにはすでにマルビン撃破の秘策がある。試合のカギをマルビンの得意とする「空中戦をどう制するか」と踏んでいる金丸は「どんどん飛んでくればいい」とニヤリ。「トップロープから飛んできたところをドロップキックで撃ち落とすんだよ」と追撃予告を放った。 ただのドロップキックではない。地対空誘導弾「パトリオットミサイル」さながらのドロップキックでカウンターを決め、マルビンを撃ち落とす腹積もりなのだ。 “ミサイル防衛”で初防衛を狙う金丸。地対空誘導弾「パトリオットキック」の発射で長期政権の幕開けを飾る。
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トレンド 2007年11月13日 15時00分
日本橋に棲む4匹の獅子と4頭の麒麟
東京メトロ日本橋駅から徒歩1分、首都高速道路下に「日本橋」はひっそりと架かっている。青空をさえぎる高速道路は邪魔だし、日本橋川の流れもよどんでいる。 公開中の映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」では、最新CG合成技術を駆使した昭和34年の日本橋周辺が見事に甦っているという。銀座で同映画を観てきたという初老の夫婦が記念撮影していた。カメラを持つ旦那さんを、ちょっと若返った奥さんが手招きする。「ここで撮ろうか?でもちょっと暗いわね」と恨めしそうに高速道路を見上げた。 時代が変わっても、変わらないものもある。石造2連のアーチ橋そのものもそうだし、橋の守り神もしかり。橋の四隅には計4匹の獅子、中央部には背中合わせに2頭ずつ両端で計4頭の麒麟の彫刻がある。 夕暮れどきにともる照明灯の飾り青銅彫刻なのだが、実はみんな同じように見えて両端でちょっとだけ違う。左端の獅子が口を開けて吠えているのに対し、右端の獅子は口を結んでいる。麒麟もまた橋の両端で口の開閉が異なる。麒麟は繁栄を、獅子は守護を表しているという。 「昭和34年の東京。高速道路がなかった頃の日本橋周辺は、こんなにも美しかった…」 そんな同作のキャッチコピーにあるように、翌年に東京オリンピック開催を控えた昭和38年、日本橋の空は高速道路に覆われた。すぐそばの東急百貨店日本橋店(旧白木屋)は平成11年に閉店し、いまは近代的な複合ビル「コレド日本橋」がそびえている。三越、高島屋を加えた有名デパートが集まる日本橋はデートコースであり、一家そろってお出かけするスポットだった。子供たちはデパート屋上の単調な乗り物に興奮し、お子様ランチに目を輝かせた。 日本橋を中心に東京は繁栄し、守られてきたかもしれないが、失ったものも多い。
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レジャー 2007年11月13日 15時00分
復権へ条件整った春の短距離王スズカフェニックス
春のスプリント王の名に賭けてもぶざまな競馬はもうできない。前走のスプリンターズSではまさかの9着に敗れたスズカフェニックスが巻き返しを期し、「第24回マイルCS」(GI 京都芝1600m 18日)に挑む。急仕上げの前走を叩いて、状態は上昇一途。今回は過去<2122>と最も得意とするマイルに加え、持ち味の決め手をフルに生かせる京都外回りと、復権に向けて条件はそろった。 春の短距離王スズカフェニックスが雪辱に燃えている。 秋初戦のスプリンターズSではGI馬らしさをまったく見せられず9着惨敗。しかし、陣営にとってこの敗北はある程度、覚悟していたものだった。 「馬インフルエンザで帰厩が遅れて、ケイコ本数を十分にやれなかった。急仕上げだったことは否めない」 地力に期待した陣営だったが、やはりGIはそう甘くない。込山助手が振り返るように、準備を整えられなかった王者は無残に馬群に沈んだ。 失地回復へ。2度続けて惨敗は許されない。しかも、今回は自慢の切れ味をフルに発揮できる舞台。言い訳のできない京都マイルだからこそ、陣営は巻き返しに燃える。 「この中間は時間が十分にあったから、余裕を持って調整できている。前走が6、7割とすれば今回は9割くらいまでの状態に戻った。それに1600m戦はこの馬の切れを最も生かせる距離だしね」 弾けたくても弾けられなかった悔しさ。それを最も感じていたのは他ならぬスズカフェニックス自身。今度は自らの能力を発揮できる体調を得た。ならば見せよう、王者の鬼脚を。
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レジャー 2007年11月13日 15時00分
父子制覇へ、進境著しいマイネルシーガル
人馬ともに勢いがあるのは、3歳馬マイネルシーガルだ。 手綱を取る後藤騎手は先週の京王杯2歳S(アポロドルチェ)で、現役で9人目となるJRA通算1000勝を達成。11日の東京メーン・オーロC(ブルーメンブラット)でも1番人気に応えるなど、ノリにノッている。 シーガル自身も古馬相手の重賞で(3)(1)着。前走・富士Sはアタマ差勝ちとはいえ、自ら動いて後続の猛追をしのぎ切ったのだから、そもそも詰めの甘かった今春とは別馬と考えていい。国枝師は「以前は末脚をタメても最後は甘くなっていたので、前走のような好位からの抜け出しが一番合う。それにしても強い内容だった」と高く評価する。 7日の1週前追い切りは南Dコースで5F63秒7→49秒7→36秒7→12秒1を馬なりでマーク。「動きは文句なし。素晴らしいデキでレースに臨めそう」と同師は笑顔たっぷりに話した。 父ゼンノエルシドは2001年の覇者。現3歳世代の「マイネル軍団の一番馬」と騒がれた逸材が父子制覇をもくろむ。