-
レジャー 2007年11月12日 15時00分
マイルCS アグネスアークが悲願のGI制覇に王手
いよいよチャンスがめぐってきた。天皇賞・秋で2着と健闘したアグネスアークが「第24回マイルCS」(GI 京都芝1600m 18日)で初のGIタイトルを目指す。7日の1週前追い切りではあわや正面衝突のハプニングに見舞われたが、気になる馬体減もなく、むしろ上昇気配を漂わせている。管理する河内師にとっても開業3年目で迎えた絶好機。マイルCSは騎手時代、第1、2回をニホンピロウイナーで制した縁起のいいレースでもあり、調教師としての飛躍のきっかけをつかむか。 まさに九死に一生の瞬間だった。7日、栗東CWコースで1週前追い切りに臨んだアグネスアークが信じられないアクシデントに見舞われた。 ゴール前、外ラチ沿いをラストスパートに入ったその時、真正面から放馬した空馬が突進。調教スタンドからは悲鳴が上がった。 「ダメかと思った。でも、あのタイミングで内へ無理によけていたら、体を痛めるかもしれない」騎乗した安藤助手はイチかバチかで外ラチにアークの体を寄せ、空馬がよけていくことにかけた。安藤助手の右足は空馬をかすめるほど、ギリギリのすれ違いだったが、正面衝突という最悪の事故は免れた。 1200mから86秒5→70秒6→55秒5→41秒9→15秒0。時計は大幅に遅くなったが、「馬体に異常がなかったのは何より」と胸をなでおろした。 実はこのハプニングで図らずもアークの身体能力の高さを証明することになった。急ブレーキを踏んだため、一瞬、背中を反るような無理な姿勢になったが、天性の体の柔軟さが故障を防いだ。 デビュー戦を快勝した後、1年近い骨折休養を挟みながら4連勝。本格化したこの夏からは札幌記念、毎日王冠、天皇賞・秋と連続2着した。マイルCSでGI制覇の千載一遇のチャンスを迎えたが、馬体は小さく、決して目立つ方ではない。 それでも、これだけの成績を残せるのは身体能力の高さに加え、心肺機能にもある。獣医が見本にしたいというほどの心臓の強さ。その心音が天皇賞の後、さらに力強く鳴り響いているという。 天皇賞では430kgと寂しく映った馬体も、角馬場中心にじっくり乗られ、腹回りはむしろガッチリしてきた。 「順調にきている。今度は中2週でも輸送が短い。京都もマイルも心配ない」と河内師はうなずいた。師にとっても、開業3年目でGI初制覇の絶好機。しかもマイルCSは騎手時代、第1、2回をニホンピロウイナーで、第5回をサッカーボーイで制した思い出深いレースだ。 「前走は初めて58kgを背負い、4コーナーで馬が斜めになるぐらい態勢を崩しながら伸びた。惜しい競馬だったけど、この馬の根性を見直した」 アークの父は師が皐月賞馬へと導いたアグネスタキオン。数々の記憶と記録が、「今」に結びつこうとしている。
-
レジャー 2007年11月12日 15時00分
エ女王杯 ダイワスカーレットが圧倒 牝馬3冠に輝く
ダイワスカーレットが堂々の牝馬3冠奪取。最強牝馬決定戦「第32回エリザベス女王杯」(GI 芝2200m)は11日、京都競馬場で13頭が争い、1番人気のダイワスカーレット(安藤勝騎手騎乗)が2分11秒9のタイム(良)で逃げ切り、優勝賞金9000万円を獲得した。2着はフサイチパンドラ、3着はスイープトウショウ。なお、前売り1番人気のダービー馬ウオッカはこの日の朝、右寛跛行(はこう)で出走を取り消した。 秋華賞と同じく緩やかなペース。好スタートを切ったダイワスカーレットは迷わずハナを切った。2番手にアサヒライジングがつけたが、ほかの後続馬は動かない。後半の半マイルを45秒9の猛スピードで走ったスカーレットが危なげなく逃げ切った。 「スタートが抜群だった。何も考えずにハナに行った。ジワッと逃げたので、道中の手応えも楽でしたね。着差以上の余裕がありましたよ。こういう競馬ができるんだから、もう少し距離が延びても大丈夫でしょう」 殊勲の安藤勝騎手は会心の勝利に、笑顔でレースを振り返った。 一方で、どこか物足りなさを感じているのも事実。最大の強敵ウオッカが出走を取り消したからである。「何だか拍子抜けしました」というジョッキーの声はファンも同じことだろう。松田国師も、手放しでは喜べなかったに違いない。直前リタイアを余儀なくされたウオッカ陣営の無念を察するかのように、あえて勝利者インタビューを断った。 もっとも、昨年、一昨年のエ女王杯優勝馬フサイチパンドラ、スイープトウショウの「2強」をあっさり撃破したスカーレットは、近年最強といわれる現3歳牝馬のレベルの高さを体現化したといっていい。これでGIは桜花賞、秋華賞に続いて3勝目。今年の「最優秀3歳牝馬」のタイトルは決まった格好だ。ただ、その座をかけた今年最後の牝馬GI…ライバル抜きでの勝利は何ともスッキリしないものとなった。
-
レジャー 2007年11月12日 15時00分
東京新馬
11日(日)のダ1600m戦は、単勝130円と断然人気を集めた関西馬のダンツウィニング(牡、父コマンダーインチーフ、母テーケーレディー=栗東・山内厩舎)が1分37秒9(不良)のタイムで優勝。人気に応えた。 田中勝騎手はこの勝ち星で初の年間100勝を達成。勝利の味もまた格別だった。「パドックで一頭だけ馬が違っていた」と言うように、この時点でほぼ勝利を確信した。 スタートしてから、砂を被って頭を上げるシーンはあったが、それ以外はまったく危なげがなかった。「直線を向いてゴーサインを出したら反応が良かったし、楽に差し切れると思った」着差は半馬身だが、内容はそれ以上に強かった。昇級してもダートなら即通用する。 同日の芝1800m戦は、アグネスタキオン産駒のミステリアスライト(牡、母オウリエット=美浦・小島太厩舎)が、上がり3F34秒4とメンバー最速の差し脚を爆発させ勝利をゲットした。勝ちタイムは1分53秒4(稍重)。 道中は内の苦しいところに入ったが、「うまいことクリアしてくれた」と蛯名騎手。センスと素質の賜物だ。わずか0秒1差と薄氷を踏む勝利にも、「余力があったし、届くと思った」とジョッキーは振り返った。 「素質は高いが、気性がまだ幼い。テンションが上がらないでレースができるようになれば、先々楽しみ」課題を残すが、クラシックを意識させる逸材なのも確かだ。 10日(土)の芝1600m戦は関西馬のイイデシンゲン(牡、父ブライアンズタイム、母ミラーズミガ=栗東・昆厩舎)が断然人気に応えて優勝した。勝ちタイムは1分38秒8(稍重)。 道中は絶好の2番手を進み、坂を上がってゴーサインが出ると後続を一気に置き去りにし、2馬身差の完勝。次元の違う強さを見せつけた。 藤田騎手は「ケイコ通り動いたし、強かった」と相変わらずのポーカーフェイス。一方、昆師も勝って当然とばかりに胸を張った。「遅生まれ(6月5日)なので大事に仕上げてきた。今日のところはまだ80点の仕上がりで、これからまだまだ良くなる。次走は二千ぐらいを使いたい」前途はまさに洋々としている。 同日のダ1300m戦はモンスターパーク(牡、父フォーティナイナー、母イーエルブロッサム、美浦・松山康厩舎)が、2馬身半差をつけて圧勝。人気に違わぬ強さを見せつけた。勝ちタイムは1分19秒0(不良)。 「気持ちが前向きすぎるので、行ってしまう(掛かる)のではないかと心配した」勝つことが大前提。むしろ、内容にこだわっていたという後藤騎手もこれなら納得だ。中団でスムーズに折り合って最後は一気に弾けた。 「完成度が高いし、精神的にも強い。ダートなら上(オープン)まで行ける」今後は体質強化が課題のようだ。
-
-
レジャー 2007年11月12日 15時00分
京都・新馬戦
4鞍組まれた新馬戦から11日の芝1800mで大物が飛び出した。粘るウォータクティクスをブラックシェルが捕らえて抜け出したところ、さらにゴール前で猛然と追い込み交わしたダイシンプラン(牡、父タイキシャトル、母ダイシンシルビア=松田博厩舎)がそれだ。 勝ち時計の1分50秒9(良)は平凡だが、4コーナーまで離れた最後方から、一頭だけケタ違いの伸び。秋の新馬戦では最速となるラスト3F33秒4を記録した。 510kgと馬体にも恵まれた牡馬。ゲートに時間がかかったそうだが、「前半は無理をしなかった。追い出したらビックリする脚を使ったね」と相好を崩す松田博師は「まだ体に余裕がある。次はどんなレースをするかな」と大いに期待を膨らませている。
-
レジャー 2007年11月12日 15時00分
兄弟タッグで重賞を勝ちまくる武井榮師
ダービートレーナー・武井榮一調教師(川崎)の強さの秘密は強力な兄弟タッグにあった。 鎌倉記念をヴァイタルシーズで制し、10月12日には、川崎競馬3Rで地方競馬通算500勝を達成。いまや川崎競馬を代表する調教師の一人だが、特に2002年以降の活躍は目覚しい。6年間で統一GIを含む重賞11勝を挙げ、03年に川崎リーディングを獲得。昨年はついにダービートレーナの栄誉を手にした。 この躍進を支える秘密は何か?武井師は「育成からレースまで、兄弟ラインでつながっていること」と明かす。「兄が7、8年前から北海道で生産・育成の牧場をやっていて、入厩馬を生まれたときから知っているし、休養先としても活用しているので馬を仕上げやすい」という。 その兄・利夫さんは川崎競馬で調教師補佐を務めたあと、現在は北海道新冠で「大狩部牧場」を営んでいる。 「乳離れの時期から若駒の基礎的な体作りをここでして、育成牧場に送り出したあとも向こうで兄が絶えず馬の状態を把握してくれている。休養でもエスプリシーズがいい例で、行く度にふっくらしていい状態で帰ってきたね」。強力な兄弟の絆で、多数の活躍馬を送り出してきたのだ。 500勝達成時に「更に上を目指したい」と語った武井師。「すでに1歳馬で(入厩を)予定しているのもいるし、JRAでも走らせたい」。兄弟の夢にはまだ続きがある。
-
-
スポーツ 2007年11月12日 15時00分
初防衛の棚橋に対戦要求!“黒き救世主・中邑”完全復活
今夏のG1クライマックス後から負傷欠場していた中邑真輔がカムバック。3カ月ぶりとなるリングだったが、ブランクを感じさせないファイトを展開し、復帰戦を白星で飾った。 左肩を狙われたが、最後は中西に鮮やかな飛びつき逆十字。あっという間にタップを奪い、試合後はIWGPヘビー級王者の棚橋に「おい棚橋!次はオレと闘え」と対戦要求した。 「自分から動かなきゃ挑戦権は回ってこない。新しい時代を築くならオレとやるのが筋でしょう」と中邑。ついに完全復活を遂げた黒き救世主がリングに舞い戻ってきた。
-
スポーツ 2007年11月12日 15時00分
棚橋初防衛で中邑VS真壁IWGP次期挑戦権争奪マッチ
新日本プロレスのIWGPヘビー級選手権が11日、東京・両国国技館で行われた。王者“フェロモンボディー”棚橋弘至が後藤洋央紀の挑戦を退け、初防衛に成功。30分の死闘を制したフェロモンボディーには、試合後に中邑真輔や真壁刀義が次期タイトル戦に続々と名乗り。群雄割拠のセルリアンブルーのマットはIWGP挑戦権を懸けた争奪マッチに突入する。 初防衛を果たした棚橋は満身創痍だった。 序盤からフルスロットルで攻め立てた。ゴング直後からドラゴンスクリューを繰り出すや大ブーイング。1発、2発と執ように後藤の右足を破壊すると、会場は「ゴトー」コールに包まれる。アウエー同然の闘いを強いられたが、棚橋は一切動じることはなかった。 変型ドラゴンスクリューに四の字固め。情け容赦ない足攻撃のオンパレードで冷静沈着に試合を進める。だが、後藤も黙っていない。若武者の剛腕ラリアートがうなりをあげ、幾度となく場外に吹っ飛ばされる。悪い流れを断ち切ろうと前方回転エビ固めで切り返すも、逆に頭から落とされ、グロッキー状態に陥った。 非情攻撃は続く。ついには後藤の伝家の宝刀、昇天を被弾し、絶体絶命。この窮地をなんとかカウント2.99でしのいだが、その後は首への集中砲火がさらに過激さを増す。トップロープ最上段からのエルボードロップと垂直落下式の裏DDT。首へのエグイ攻めに苦悶しかけたが、最後は執念だけで立ち上がった。 ジャーマン、ドラゴンスープレックスを連発して反撃ののろしをあげると、間髪入れず右足めがけてハイフライフローを発射。すかさず31分22秒テキサスクローバーホールドでグングン絞めあげ、なんとかタップを奪取した。試合後は首に頚椎ねんざの負傷を負い、マットに横たわったまま。ベルトを抱きしめ「ベルトは誰にも渡さねぇ」と力なくつぶやいた。 30分を超える激闘の末に初防衛を果たした棚橋だったが、一息つくヒマはなかった。試合直後にこの日ミラノコレクションATを蹴散らした真壁刀義とケガから復帰した中邑真輔がリング上に乱入。それぞれ挑戦表明を受けた。 早くも動き出した棚橋のV2戦。同社菅林直樹社長は次期防衛戦について「とりあえず2人が次期挑戦者に手をあげましたので、ワタクシとしては次期シリーズにリングで挑戦権を懸けて闘ってもらいたい」とIWGP挑戦者決定戦の開催を示唆。次期シリーズの12月9日に行われる愛知県体育館大会での次期挑戦者争奪マッチが濃厚となった。 死闘を制して第2次政権をスタートさせた棚橋。初防衛こそ果たしたものの、早くも中邑や真壁から首を狙われる前途多難な船出となった。
-
スポーツ 2007年11月12日 15時00分
新日本VSTNA抗争激化へ
新日本プロレスと米プロレス団体TNAの全面対抗戦が東京・両国国技館大会で開戦した。タイガーマスクの対戦相手だったロン“ザ・トゥルース”キリグンスにドタキャンされ、TNAの刺客にデイヴィット&稔組、矢野通が一蹴されるなど惨敗。波乱含みの船出となったが、この結果に新日プロサイドは「こちらからTNA側に送り込む」と逆襲ののろしをあげた 来年の新日プロ1・4東京ドーム大会「レッスルキングダム2」に先駆け、米ナンバー2団体TNAとの対抗戦の幕が開けた。 この日はデヴィットと稔がXデイビジョンからの刺客センシ&“フォーリン・エンジェル”クリストファー・ダニエルズと対戦。センシのゲット・スタンプで稔が3カウントを奪取されてしまう。さらには“ジ・ウォーマシン”ライノと対戦した新日プロきっての酔いどれレスラー矢野までもがごう沈した。 どヒール軍団GBHの矢野はのっけから反則攻撃のオンパレード。ライノを場外に連れ出し、イス攻撃や場外まで吹き飛ばすなどやりたい放題したものの、最後は不覚をとる。自らがコーナーに仕掛けたテーブルにゴアで圧殺されて、スリーカウントを献上。新日プロ勢は全面戦争で連敗してしまった。 しかし、この完敗ぶりにただ指をくわえて黙っている新日プロではなかった。菅林直樹社長は「僕は勝つまでやるので」と敵意むき出し。対抗戦の継続を熱望すれば「こちらからTNA側に送り込むかもしれないです」と逆襲を示唆した。 菅林社長が怒りをあらわにするのも当然。タイガーマスクと対戦予定だったロン・キリングスにまさかの敵前逃亡をされたからだ。対戦をすっぽかされたタイガーは試合前に「プロとしてあるまじき行為だと思います」と嫌悪感をあらわにし、「自分が向こうに行く」と出撃の意向。さらに敗れた稔も「もう一回やらしてほしい。向こうのリングでもいいから。負けたまま終われない」とそれぞれTNAへの殴り込みを辞さない覚悟を示した。 TNAからとんだ先制攻撃を食らった格好の新日プロ。今後の日米マット戦争の行方は熱を帯びてきそうだ。
-
スポーツ 2007年11月12日 15時00分
TAKA&東郷2度目の防衛!
IWGPジュニアタッグ選手権は王者TAKAみちのく&ディック東郷組が邪道&外道組を破り、2度目の防衛に成功した。幾度となく邪道にCFJで絞めあげられ窮地に立たされたが、最後は逆転勝ち。 東郷がダイビングセントーンで邪道を圧殺。ジュニアタッグ王座を死守した。試合後はTAKAが「誰でもいいぞ。新日本じゃなくても」と挑戦者を募るや会見場にK-DOJOの円華が乱入。マイクを握り「飯伏幸太を連れてきてやる。12月1日、K-DOJOの新宿FACEだ」と、DDTの飯伏とのタッグで次期タイトル挑戦に名乗りをあげた。
-
-
スポーツ 2007年11月12日 15時00分
メキシコ帰りの井上亘ジュニアヘビー挑戦へ
謎の失踪後、メキシコで修行していた井上亘が凱旋試合に臨んだ。タッグ戦ながらIWGPジュニアヘビー級王者の田口隆祐からピンフォールを奪って勝利。すぐさまIWGPジュニアヘビー王座に挑戦表明した。 今年7月に突然失踪してしまった井上が姿を現した。第1試合で“ジュニアの喧嘩番長”金本浩二とのタッグで、裕次郎&田口隆祐組と対戦。対峙したIWGP王者がかすむほどのムーブで、田口にはほとんど何もさせず、終始自分のペースで試合を進めた。 まさに独壇場だった。最後はメキシコで習得した新技の変型トライアングルランサーで田口から3カウントを奪取。完勝した井上は試合後「オレがおまえのベルトを獲ってやる。必ずだ」と、挑戦状を叩きつけた。 一方、ピンフォールを奪われマットに沈んだ田口も決して意気消沈してはいなかった。開口一番「メキシコ帰り?だから何なんだって」と吐き捨て、「シングルでも何でも受けてやる」と迎撃する考えを示した。 突然の失踪後にメキシコで“メキメキ”と力をつけていた井上。ジュニアの頂点まで一気に上りつめるハラだ。