search
とじる
トップ > 芸能ニュース > 『おっさんずラブ』、放送終了後も視聴熱冷めず 実際のLGBTたちの反応は?

『おっさんずラブ』、放送終了後も視聴熱冷めず 実際のLGBTたちの反応は?

pic pic

田中圭

 6月2日に最終話を迎え、空前のブームを巻き起こした今期最もピュアな恋愛ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)。ザテレビジョンが独自に調査している「視聴熱デイリーランキング」によると、いまだに放映されている『花のち晴れ〜花男 Next Season』を抑え、単独トップをキープしている(8日時点)。

 世間からの反応は上々であることが見て取れるが、実際のLGBTからはどう見られているのだろうか。

 『おっさんずラブ』のストーリーは、“お人好し”でモテない33歳、“ノンケ(恋愛対象が異性)”の主人公・春田創一(田中圭)が、ある日突然、職場の上司である乙女な部長・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と、同僚である牧凌太(林遣都)の2人から告白を受け、性別を超えた本当の愛に目覚めるラブコメディ。2016年末の単発放送が好評を博したこともあり、今回の連ドラへと繋がった経緯がある。

 ただ、時代はLGBTに敏感な世の中だ。どんなに性的マイノリティに理解を示そうと工夫しても、理解されないことが多い。ここ最近で言えば、LGBTを扱ったドラマに『女子的生活』(NHK総合)があり、過去にも『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)が高視聴率を出しているが、いずれもセクシャルな葛藤をシリアスに描いたものだった。“セクマイをテーマにするのなら慎重に”という配慮が感じられるドラマで、見応えこそあるがLGBTに対するモヤモヤはどうしてもぬぐえなかった印象がある。

 そこを『おっさんずラブ』は、あえてLGBTという設定を難しく考えず、“中年のおっさんたちが少女漫画的な恋愛に向き合う”ことに焦点を絞った。おそらくは、連ドラ化が決まる前に、制作側でそのあたりの話し合いは相当行われたことだろうが、性に関する微妙なところには触れないことで、結果的に成功した良い例と言える。事実、同ドラマの脚本家・徳尾浩司氏はCinemaCafe.netのインタビューで「男女だった場合と同じように、恋愛を真っすぐ一生懸命やることを考えよう、というところが出発点」だったと語っている。同ドラマのファンのツイートを見ていても、“ノンケ”である多くの一般視聴者は、LGBTがどうと言うより、中年男性の“ピュアさ”に心を奪われているようだ。

 では、実際に“セクマイ”である視聴者はどう見ていたのだろう。ネット上にあるLGBT系の掲示板には、「やっぱ二話のキャットファイト最高だわ。もっと見たかった」「面白かったわ やっぱ地上波は再放送無いかしらね」といった好意的な意見に加え、「ラストのスーツケースの会話、痛い、絶対入らない、とか言ってるし行為のメタファー(隠喩)ね」などの投稿が多数。ストーリーを深掘りして、性的なものを匂わす演出に長けていると称賛する声も見られた。

 一方で若干ネガティブな意見としては、「(部長も牧も) 告白の前にカミングアウトという大きなハードルを華麗にスルーできてるのが、まさにBL」「続編とか本気で皆さん見たいわけ?! 私最終回でトホホ…だったからもうやめて〜状態よ」「これ以上突っ込まないライトなままのファンタジーコメディなら続編期待するわ」との声が。最後まで見てはいるものの、好みは分かれているようだ。

 いずれにしろ、『おっさんずラブ』の最終話は、平均視聴率もシリーズ最高を記録し、Twitterのトレンドで世界1位を記録するほどの大盛況。個性豊かなキャラクターと台詞を施したLINE公式スタンプも飛ぶように売れている。その成功の一因には、あえてLGBTを特別視せずピュアなドラマに仕上げた、制作スタッフ陣の熱量と作戦の勝利があるだろう。

関連記事


芸能ニュース→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

芸能ニュース→

もっと見る→

注目タグ