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お笑い芸人 豪快伝説 其の四十三『森三中』

 お笑い芸人。コメディアン。エンターテイナー。そんな彼たちがかつて刻んだ偉大なる伝説、爆笑列伝を紹介していく連載の43回目。フォーティースリーバウトは、森三中だ。

 大島美幸、村上知子、黒沢かずこで森三中。デブでブスで男にモテないことがセールスポイントだった3人だが、今では立派なマルチタレントだ。

 全裸で『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系列)の企画に挑戦して、浜田雅功を相手に文字通りの体当たり芸を見せたのは、大島。この名シーンを見て、女としてホレたのは、超売れっ子作家の鈴木おさむ。ふたりはのちに、村上、黒沢に紹介してもらうかたちで出会い、会ったその日に結婚を決意。交際0日でゴールインした。

 人妻になってからも脱ぎ芸を辞めなかった大島のプロ根性は、業界内で高評価。森三中のステイタスを、間違いなく上げた。流産という辛い経験を乗り越えて、3年前には「パートナー・オブ・ザ・イヤー 2009」に選出。夫婦でCM共演もはたし、理想の夫婦像を築いている。ちなみに、大島が処女を捧げたのは、ダンナである。

 同じく、男は主人しか知らないのは、村上。こちらは『ガキつか』で浜田に胸を揉まれるという役割を担っている。4年前に一般人と結婚。「女版ダチョウ倶楽部になりたい」という目標を持つ大島と違い、料理大好き芸人の道を極めたいようだ。

 今なお処女なのは、黒沢。映画『クロサワ映画』の主役を2本続けて張り、2013年1月クールの新ドラマ『嘆きの美女』(BSプレミア)では、同局の連ドラ初主役に抜てき。女優としての才能をフルで発揮している。人見知りで、恋愛経験はほぼゼロ。女性としてのマイナスポイントを、見事に芸で好転させたパターンである。

 三者三様の魅力で、テレビ、ドラマ、CMに引っ張りダコの森三中。下品という名の扉をこじ開けて、好感度タレントにのぼり詰めた足跡は、奇跡といっていいだろう。(伊藤由華)

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