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ROOKIES(ルーキーズ) その3

 光浩は中学校入学の時点にして、すでに体重が80〜90kgもある巨漢だった。しかも小学生時代は新空手で負けなしである。江戸川区内の中学校に入学すると、さっそく本領を発揮。まずは入学した学校の番長に戦いを挑んだ。
 あまり最近では耳にすることもなくなった番長という言葉。ハイカラーな学ランを着て、穴の開いた学帽をかぶり、高下駄を履いて…なんて、昔の漫画に出てくるような番長は、確かに今も昔も現実には存在しないだろう。

 だが、暴力的な手腕で全校生徒のトップに君臨しているという意味での番長なら、今でもどこの学校にもいる。それは漫画の世界とは全く異なる、ドラスティックなまでに現実的な存在だ。
 光浩が戦いを挑んだ番長はもちろん3年生。だが、新空手の腕前は伊達ではない。光浩は新入生ながら番長をアッと言う間にのしてしまい、新たな番長の座を奪い取った。
 しかし、この逸話とて始まりでしかなかった。光浩は江戸川区内の中学校の制圧に乗り出したのである。他校に片っ端から殴り込みをかけ、そこの番長にタイマン勝負を挑み続けた。結果は光浩の連戦連勝。1年生の終わりごろには全中学校の番長相手に勝利を収め、江戸川区最強の中学生になっていた。
 もちろん光浩のケンカは番長対決だけではない。数人の仲間たちと日々ツルんでは、相手に見境なくケンカに明け暮れていた。光浩の実戦的な勘は、この時分に培った部分が大きい。

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