この疑問に対して、専門家は人間の「心理的なクセ」が関係しているのではないかと語る。
以前、ニューヨーク・タイムズ紙は最近、タスマニアタイガーが絶滅しているにもかかわらず、人々が「見た」と言い続ける理由を説明する記事を掲載した。結論から言うと、人々は不明確な感覚データに基づいて、頭の中で間違った映像を作り出し、それに基づいて結論を導き出そうとしてしまうのだ。
これは、人間の脳が感覚の細部まで処理することができないためで、何かを一瞬だけ目にしたときや、ぼやけた写真を見たとき、脳は先入観のあるパターンに頼ってその光景を理解しようとする。前述のタスマニアタイガーの例で言えば、本来はワラビーを目撃しただけだったのに、体の一部しか見えなかったために、タスマニアタイガーを見たと判断してしまったということだ。
>>UFOに謎のUMA、アメリカ有数の異変多発地帯!謎に包まれたスキンウォーカー・ランチの実態<<
これは、知覚と認知の間に興味深い相互作用があることを意味している。そこからニューヨーク・タイムズ紙のライター、アッシャー・エルベイン氏は、ビッグフットやネッシーなどのUMA(未確認生物)を捉えたとする写真が全て、肝心のUMAの姿がぼやけている理由として「目撃し、撮影した人の先入観が作用した結果なのではないか」と説明している。
また、人間の認知バイアスのうち確証バイアスも作用している可能性が高いという。例えばUMAの存在を信じる人が、森の中に黒い人影らしきものを目撃した場合、ビッグフットと認識してしまう確率が上がるだろう。逆に、存在を信じない人からすれば黒い人影すら認識できない可能性もある。だが、そのような認識では、議論をスタートさせることすらできないだろう。
「UMAが存在するはずだ」または「UMAなんて存在しないはずだ」と、最初からどちらかの方向に偏った視点でうかつに物事を判断してはいけないのだ。
(山口敏太郎)
参考記事
How Has Bigfoot Stayed Hidden for So Long? Human Psychological Quirks(cryptidlab)より
https://cryptidlab.com/bigfoot-hidden-human-psychology/