日本時間7日に開催されたPPV『バックラッシュ』のWWE王座戦は、反則裁定なしのノーDQマッチとして行われたにもかかわらず、王者のAJスタイルズと挑戦者の中邑真輔による急所攻撃が繰り返された。結果、両者が同時にダウンしたためレフェリーが10カウント。両者KOによる無効試合との裁定が下された。
ダメージが残る両者はこの日のスマックダウンには出場せず。それぞれインタビューで出演した。バックステージでルネ・ヤングから『バックラッシュ』でのAJ戦について聞かれた中邑は「英語なんて忘れちゃったんだよなぁ」と日本語で答えると、「AJスタイルズはイカれてる。俺もそうだけどね。だから俺たちの戦いはまだ終わってない」と言い残しカメラを後にした。
一方、顔面にノーDQ戦の生々しい傷跡が残るAJは「素晴らしいとは言えない戦いだったかもしれないが、ベルトが懸かっている時はいろんなことが起きてしまうんだ。シンスケが言った通り、オレたちの戦いはまだ終わっていない。もう一度リングに上がってオレの前に立つガッツがあるならば、その時こそヤツを終わらせてやる!」とコメント。両者ともに“4度目”の対戦で完全決着をするとアピールした。
果たして次の対戦はいつなのか。6月18日にシカゴ郊外のオールステート・アリーナで開催する次回PPV『マネー・イン・ザ・バンク(MITB)』が有力だが、今後の行方に注目しよう。
スマックダウンでは、MITBラダー戦の出場選手を決める予選が前日のロウに続いて開催された。MITBラダー戦は、王座への近道とも言える試合形式だ。出場を狙う選手が多いことから、今年はロウ、スマックダウンそれぞれの予選を勝ち抜いたスーパースターが男女一つずつのブリーフケースを争う形式となることが明らかになった。
スマックダウンの予選は日本でもおなじみのジェフ・ハーディと、元IC王者ザ・ミズが対戦。ツイスト・オブ・フェイトから必殺のスワントーン・ボムを決めたジェフだったが、一瞬の隙をついたミズが裏返して3カウントを奪取。ミズが出場権を獲得した。
メインイベントでは、最近人気急上昇中のルセフと、復帰してからも全力ファイトでファンの支持を得ているダニエル・ブライアンの「人気者」同士が予選で対決した。ブライアンは得意のキックを主体とした立体的かつスピード感あふれる攻撃で勝機を見出そうとしていたが、ルセフのパワーには勝てなかった。最後はルセフがスーパーキックを見舞い3カウント。出場権を獲得している。
また『レッスルマニア』の2日後に昨年のMITBを行使(キャッシュイン)したカーメラに敗れ、女子王座を奪われたシャーロット・フレアーがアイコニックのペイトン・ロイスを破り女子MITBマッチへの出場権を獲得した。『バックラッシュ』でのリターンマッチにも敗れていたシャーロットだが、再びリベンジの機会が与えられた。
これにより現時点でMITBラダー戦への出場が決定したのは、男子はロウのブラウン・ストローマン、フィン・ベイラー(プリンス・デヴィット)、スマックダウンのザ・ミズ、ルセフの4選手。女子は前日のロウで出場権を獲得したエンバー・ムーンと、シャーロット・フレアーの2選手がひとまず確定した。出場選手枠はそれぞれ6選手になる予定だ。来週以降に行われるであろう残る予選に誰が出場するのか期待したい。
文 / どら増田
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