今年がオリックス7年目となるディクソンは、昨年までは先発として活躍していたが、今シーズンは出遅れて開幕に間に合わなかった上、本来の守護神である増井浩俊が不調だったことも重なり、中継ぎを経てクローザーとして起用されると、37試合に登板、2勝1敗7HP18S、防御率は3.03とまずまずの成績を収めている。メジャーのカージナルスにも所属していただけに、持ち味の速球と伝家の宝刀ナックルカーブが世界を相手に猛威を奮いそうだ。内容次第では東京オリンピックに出場する可能性も秘めている。
ディクソンは「アメリカ代表として戦うということは全く予想していませんでしたが、実際に夢が現実となりとても興奮しています。国を代表してプレーするからには、アメリカ、オリックス、家族、そしてファンのみなさんの期待に応えられるように全力でプレーしたいと思います」とコメントを寄せた。
オリックスからは台湾代表のメンバーに張奕も選出されており、張は「国際大会は初めてなので、プロ初先発の時のような不安や緊張はありますが、それ以上に楽しみの方が大きいです。代表に選んで頂いたので、しっかりといい準備をしてチームに貢献できるようなピッチングを見せたいと思います」と選出されたことを素直に喜んだ。オリックスからは山岡泰輔、山本由伸、吉田正尚が日本代表の侍ジャパンに選出されており、台湾代表の張、そして、今回発表されたアメリカ代表のディクソンと、5選手が東京オリンピック出場を目指し、世界の舞台で躍動する。
台湾代表は、他にも北海道日本ハムの王柏融、千葉ロッテの陳冠宇、東北楽天の宋家豪が選出されているが、これまで台湾代表の顔だった巨人の陽岱鋼は出場が見送られている。メキシコ代表には巨人のビヤヌエバ、阪神のナバーロ、そして元中日、オリックスでプレーをしたクラークを選出。侍ジャパンにとって脅威になるであろう。キューバ代表には、福岡ソフトバンクのデスパイネ、グラシアル、モイネロ、コラスと4選手、中日のアリエル・マルティネスとライデル・マルティネス、元巨人のセペダも選出され、日本野球を熟知しているメンバーが揃った。
世界ランキングの上位12か国が出場する「第2回 WBSC プレミア12」は、11月2日〜17日まで開催され、オープニングラウンドは台湾、韓国、メキシコで行われ、各グループ上位2チームが日本で行われるスーパーラウンドへ進出する。侍ジャパンは、台湾、ベネズエラ、プエルトリコと同組のグループBに入っており、オープニングラウンドは台湾で行われる。
(どら増田 / 写真・垪和さえ)