同コースは「ラップを教育の手段として定着させたい」と考える晋平太と「若者に身近なラップの力を利用し生徒に言葉の力をつけてもらいたい」と考えるハッシャダイとの“コラボ”で生まれたプログラム。同社が積極的に受け入れている元ヤンキー、元ニート、元ひきこもりといった若者たちが、自分の気持ちを態度や暴力ではなく言葉で伝える術を学び、就業にも役立ててもらうというのが主な目的だ。先月9月から、18〜24歳の男性と若干数の女性を相手に第1回目をスタートさせている。
第2回目となるこの日は、参加した生徒のスマートフォンに入っている好みのトラック(楽曲)に合わせて、自分なりに考えてきたリリック(歌詞)をラップで披露するという講義を展開。5、6人でつくる6つのグループそれぞれが輪になり、1人ずつマイクなしで披露して感想を言い合った。その後、最も支持を集めた生徒が代表者として参加者全員の前に立ち、マイクを使用して本格的に自身の気持ちをラップで表現した。「学校に居場所はなかった、真っすぐ家に帰らなきゃ」「言葉は今やマシンガン、または未来導く羅針盤」「うるせぇテメェ指くわえて見とけ、私の道は私が決めんだ」といった印象的なフレーズが次から次へと飛び出し、講師の晋平太も「バイブス爆裂でしたね!」と感心しきりだった。
講義終了後、晋平太本人に“今回のプロジェクトで生徒に期待すること”を尋ねてみると、「今回のプロジェクトはラッパーを育てるものじゃない。ラップを通して“自分を好きになるヤツ”を増やすことが大事」と強調。「彼らは自分と向き合って決心してるからここに来ている。もともと語りたいことを持っているから、今日の講義で言葉にすることができたんだと思う」と語ってくれた。また、晋平太自身もラップに救われた過去があるようで、「学生時代、校内では目立つタイプだったかもしれないけど、僕自身は“特別な何者でもない”と感じていた。それが嫌で、何かエネルギーを手に入れたいなと思った時にラップと出会って夢中になれた」と笑顔で話してくれた。
『ヤンキーラッパー』コースの第3回目講義は11月に開催される予定。