強いのは分かっている。ただ、せっかくのGI。銀行馬券を買っていても面白くはない。女王ブエナビスタに付け入るスキはまったくないのか? アンチ・本命党の本紙が、奔走した結果、“お膝元”の栗東トレセンでは、驚くことに全員一致で「ブエナビスタが勝つ」という寂しい(?)回答が返ってきた。
万が一、負けるケースを聞いてみると、そのほとんどが「極端な泥んこ馬場になったとき」「熱発があって体調が万全じゃなければ」「直線で包まれたり、行き場をなくさないと」といった不利を想定した回答だった。
ほかにも、「いまはフケのシーズンだから、そうなったときに折り合いがつくかどうか。その時期にやたらイライラする女っているでしょ(笑)」というセクハラまがいの意見などがあったが、いずれにせよ、“競馬に絶対はない”という格言を前提にした非現実的なものばかり。
某調教師には「チョコチョコ走る馬だから、道悪も全然こなせるよ。アンカツさんは外を回るだろうから、直線で詰まることもないと思う。それにしても、無謀な取材をしているね」と“返り討ち”に遭ってしまった。
そこで、「ブエナビスタに何らかの不利があった場合にくる馬は?」という質問にシフトチェンジ。すると、「後ろから差すのは難しいから、前に行っている馬」もしくは「人気薄の逃げ馬」が大勢を占めた。
具体的に名前が挙がったのは関東の新星サクラミモザ。チューリップ賞ではブエナの安藤勝騎手に、「ヒヤッとした」といわせるほどの粘り腰を見せて0秒2差2着。その前走は芝、距離、コースと初物づくしだっただけに、2度目の今回は大きく前進する可能性を秘めている。追加登録料200万円を支払っての参戦で、陣営の意気込みも十分だ。
「予定通りの調教が消化できたし、いい状態で送り出せるのが何より。関西への輸送も3回目ですからね。ハナにこだわらないが、スタートが上手だから、無理なく前の位置は取れるでしょう」と畠山吉調教師。
負かすとは明言しなかったが、「体力もドンドンついてきているし、ここにきて目に見えて馬が良くなっている。間違いなく前走以上は走れると思っていますよ」と確かな手応えを感じているようだ。