メジャー復帰戦となった29日のレッドソックス戦で、松井はマイナーの3Aでも打てていなかった本塁打を、いきなり2打席目でかっ飛ばしてアピール。復帰3戦目の6月1日(同2日)のオリオールズ戦では好調の左腕投手、前中日のチェン・ウェインから2号本塁打を放ち、3試合で2本塁打の量産ぶりで、「さすが松井」と思わせた。しかし、5戦目の3日(同4日)のオリオールズ戦で、3安打目の単打を打ったのを最後に、パッタリと止まってしまった。
5日(同6日)、ニューヨーク・ヤンキースタジアムでの古巣ヤンキース戦では、今季初めて4番に座ったが、4打数無安打。6日(同7日)のヤンキース戦でも、4打数無安打と音なし。これで、メジャー昇格後、7試合で24打数3安打4打点2本塁打。打率は.125と低迷。24打席で1個の四球も選んでいないのも気になるところ。このまま、調子が上がらないようなら、スタメン落ちは時間の問題。
さらに、松井には別のマイナス要因が加わった。左ヒザのケガで故障者リスト入りしていた左翼手のデズモンド・ジェニングズが5日の試合で復帰。同日の試合で松井は慣れない右翼を守ったが、これで左翼でのスタメン出場は厳しくなった。今後、松井の出場機会は指名打者か代打になりそうで、不振から脱することができなければ、スタメンから外されて、代打要員に成り下がることになる。
「松井はマイナーでも打率.170しか打っておらず、実績を残してメジャーに昇格したわけではありません。キャンプを行っていない松井が、本調子に戻すには、かなりの時間が必要ではないでしょうか。このまま不振が続くようなら、代打要員どころか、最悪マイナー降格の可能性だってあります」(某スポーツ紙記者)との厳しい声もある。
松井が本来の輝きを取り戻すまでには時間がかかりそう。結果が出なくても、ジョー・マドン監督が我慢して使ってくれるかどうかが、今季の松井を左右しそうだ。
(落合一郎)