足掛け4年に渡る物語の完結編、ガンダムシリーズ初の地球外生命体との接触、新たなキャラクター、新たなモビルスーツなど、公開前から雑誌・ネットなどでは飛び交う情報に関する議論が絶えない。
ゼロ年代をしめくくるガンダム作品として、『ガンダムSEED』『DEATH NOTE』『コードギアス』といった他作品から継承される「武力介入」「正義」「王道」というテーマなど、哲学的な語り甲斐もあるのが『00』の魅力だ。しかし、注目したいのは、なんといっても、主人公・刹那・F・セイエイ(以降、刹那)と、ヒロイン・マリナ・イスマイール(以降、マリナ)の「非モテ」っぷりだ。
■非モテ過ぎる組み合わせ。ガンダムオタクの「根暗」主人公と、「薄幸」貧乏姫!
主人公・刹那は「俺がガンダムだ」という迷セリフに象徴されるように、基本的にガンダムのことしか考えていない究極のガノタ(ガンダムオタクの略)。戦友たちが自分の恋人の名を口にしながら出撃する際にも、一言、
「ガンダム…」
と重々しくつぶやいて、愛期「ダブルオーガンダム」で戦場へ向かった。
一方のヒロイン・マリナは中東の小国・アザディスタンの皇女。アザディスタンは経済状況が悪く、宗教対立も問題化し、長く中東地域で続いた紛争のせいで国土も国民も疲弊しきっている。また資源が乏しいため、外交で国連などからの援助を要請するための「ドサ周り」もマリナの仕事となっている。そしてネット上でついたあだ名が「貧乏姫」。
ちなみに刹那16歳の時点で、マリナ24歳。劇場版では既に三十路に突入している。アラサーなのだ。
■フラグを折りまくる喪男主人公 マリナは映画でやることがあるのか?
ファーストシーズンでは、不審人物として取り押さえられそうだった刹那をマリナが助けたり、逆にアザディスタンの政治危機に刹那がガンダムで介入し、事を収めたりするなど、まだ恋人関係に発展しそうな雰囲気はあった。
だがセカンドシーズン以降は、他のクルーに「お二人は恋人さんですか?」と問われた際に、二人とも即座に「違う」と否定。また別の女性クルーが出撃前の刹那に花を渡そうとし、マリナに悪いかも、と言うと「彼女とはそういう関係ではない」ときっぱり否定。
ただ、その割に、最終決戦の舞台である宇宙に、刹那たちだけでなく、なぜかマリナも同行。特に何か役に立つわけでもなく、ただ遠くからボーっと戦況を観ていた。戦争終結後の復興期にも特に交流はないようだ。
『劇場版00』のHPの画像(TOP画参照)には、主要キャラにまじってマリナも描かれている。しかし地球外生命体相手の戦争に、彼女が役立つことがあるのだろうか。TVシリーズよりもっとぞんざいな扱いになる危険性も大だ。
(小山内)
【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/