「黒木容疑者は日本のネット音楽配信サービスの先駆者です。1999年、彼がオーナーとして設立した『リキッド・オーディオ・ジャパン』は東証マザーズ上場第1号を果たし、メディアから一躍脚光を浴びました」(経済誌記者)
翌'00年1月には、浜崎あゆみ、小室哲哉、モーニング娘。、SPEED、藤原紀香らトップクラスの芸能人を集め、マザーズ上場記念パーティーを盛大に開いている。テレビ局や大手レコード会社などからも祝辞が送られ、黒木容疑者はまさに絶頂期にあった。
しかし同年4月、ゲームソフト会社『デジキューブ』本社に銃弾2発が撃ち込まれる事件が発生。ビジネス上で対立していたリキッド社のO社長が逮捕監禁容疑で逮捕され、同社と暴力団の関係が取り沙汰された。
「黒木容疑者は音楽業界の信用を失墜させたことで、芸能界とは疎遠になった。同時に芸能界を中心に集めた会社の出資金約41億円が消えたのです。今回の逮捕で“出資金の行方も明らかになるのでは”と関係者は期待していますよ」(音楽プロデューサー)
その後の黒木容疑者は金融ブローカーとして暗躍。「増資マフィアの大物」と呼ばれ、'10年には情報通信会社『トランスデジタル』を巡る事件で、民事再生法違反容疑で逮捕されている。
「『ラポール』融資詐欺については、黒木容疑者らは'15年〜'16年の間に約20の金融機関から20億円以上の融資を引き出していた。この内、少なくとも約8億円は黒木容疑者が代表を務める投資会社の口座へ移動されていた。捜査当局は暴力団に資金が流れた可能性もあるとして、詳しく調べています」(社会部記者)
これぞ“詐欺ベンチャーの雄”。