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芸能 2011年03月29日 15時30分
中学生アイドル藤波心の主張が話題に
中学生アイドルの藤波心がブログで痛烈に原子力発電所と原発事故報道を批判し、話題になっている。セクシー写真集を出すジュニア・アイドルと社会派的な主張のギャップが注目される。 藤波心は3月23日に公式ブログ『ここっぴーの★へそっぴー』で「批難覚悟で…」と題する記事を掲載した。そこでは安全を強調するマスメディアの報道を疑問視する。個別の数値は低く、直ちに健康を害することはない量であっても、「微量とはいえ空気中の放射性物質を吸い続け、微量とはいえ、汚染された野菜を食べ続け、微量とはいえ、汚染された水を採り続ければ…影響があることくらい、バカな厨房2年の私でも分かる」と指摘した。 その上で「原発の危険性を言う人は、危険をあおっていると、世の中は叩く傾向にあるようで、これは何かおかしい流れだと思う」と述べる。藤波は3月17日付記事「出血は止まるのか…」でも「電気が足らなくなるから、原子力が必要なんだじゃなく、火力と水力だけで、やっていける生活を一人ひとりが、やればいいんです」と原発を批判した。この記事に対し、ブログのコメント欄だけでなく、事務所にまで抗議・意見のメールが来たという。藤波は「どんだけ、原発をかばうんだよぉ」と嘆いている。 記事にはテレビで「そのうち、『放射能を跳ね返す!! スーパー健康法』とか『放射能にも負けない!! 体質改善・げんき体力づくり』特集とかやりだすんじゃないでスカ」と芸能活動でメディアの体質を知っている人物ならではの皮肉もある。原発推進派を「少量の麻薬は能率を上げるための必要悪」と正当化する麻薬中毒者に重ねるなど比喩も鋭い。 しかも、藤波の優れたところは自分のポジションを理解した上で原発を批判していることである。「ラブ&ピース がんばろう日本! みたいなことだけ言ってた方が、アイドルとしては活動しやすいのかもしれない」と書いている。それでも「人にどう言われようが、叩かれようが、はっきりと、自分はこう思っているんだって言うことを言いたい」と断言する。 この記事はツイッターなどで拡散され、「反原発のジャンヌ・ダルク」などと称賛されている。「官房長官やら東大出の御用学者なんかより、アイドルのほうが的確な意見をのべている」とのツイートにソフトバンクグループ創業者の孫正義が「同意」を表明してリツイートした。『ソフィーの世界』の翻訳者として知られる池田香代子も「なんとクールな頭脳とあたたかい心」とツイートした。(林田力)
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トレンド 2011年03月29日 15時30分
「橋本充太の東京短時間散策」東京ミッドタウン周辺
地震の前になるが、東京散策をした。目指すは、赤坂・東京ミッドタウン。 千代田線の乃木坂駅を降りると、東京ミッドタウンという“街”はすぐそこだった。 ここは、六本木ヒルズのある六本木のど真ん中とは、六本木交差点を隔てて北に位置するエリアで、南が六本木の中心部であるとすれば、嘘のような静かなエリア。 来歴としては、毛利の屋敷があった六本木ヒルズに対して、米軍基地→元・防衛庁という東京ミッドタウンなので、なんとなくいわくありげな土地に大規模開発がなされるんだなあ…という点では似ている。しかし、北エリアはさらに明治天皇に夫婦で殉死した乃木将軍の乃木神社や、青山墓地も程近く、霊験あらたかな空気感だ。同様に、“街”の内部にもなんとなく落ち着いた雰囲気が漂っていた。 ミッドタウンのプレッセプレミアムという高級スーパーで銀座木村屋のあんぱんほかを買い込み(笑)、<ブラタモリ>でやっていた、星条旗通りにある、“江戸の道と明治の道”が段差をもって並んでいる場所を見に行く。周辺には、古い店もあり、東京の生活の匂いも残っていた。 新東京美術館(現在、閉館時間を早め、空調も止める等々節電に協力中の様子だ。)の威容を眺めつつ、ラーメン店『五行』に初来訪。で、焦がし醤油を一杯。ほんの短時間の散策だったのだが、今平和な時はいいものだなあとつくづく感じる…。 帰路、名前はわからないが、ビジュアル系バンドのメンバーでは…と思われる人が女性と散歩していた。(誰だっけ? 彼女とか奥さんとかいたか?)やっぱりここは、華の六本木のエリアなのだなあ、と最後に感心することになった。<橋本充太> 神奈川県出身。物書きを生業とする変種。「じゃあ小説家ですよね!」と時折聞かれるのが悩み。違うので、「別に」と答えている。新聞社や雑誌社など広範に及ぶ根城を拠点に、エンタメ分野を中心に執筆。
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トレンド 2011年03月29日 15時30分
巨樹巡り 善福寺川緑地とクロマツ=杉並区
東京都杉並区の善福寺川緑地は、河畔のソメイヨシノが一斉に開花する時期は、区外からの見物客も多い。交通は、JR高円寺駅や阿佐ケ谷駅、もしくは、京王井の頭線浜田山駅などからバスが便利。今春は、寒さのせいで桜の開花は遅く、まだ咲いている梅もある。 緑地の中で、善福寺川が台地を迂回するため曲がりくねっている場所がある。そこで川沿いからそれて、脇の坂道を上がると、尾崎熊野神社(杉並区)の石造りの鳥居が見える。境内から区内初となる縄文時代前期の住所跡が発掘された古社だ。 尾崎熊野神社のご神木は、樹齢400年以上といわれるクロマツ。雄松とも呼ばれるクロマツは、アカマツと比べ幹が太い。黒褐色を帯び広大な樹冠面積に育つ。しかし、都内のクロマツは、環境の悪化により減少傾向にある。尾崎熊野神社のクロマツは氏子から厚く信仰されており、樹勢に優れ、境内を樹冠する都内有数の巨樹となっている。 「尾崎」という地名には伝説があるそうだ。 「おさき」とは、つき出た台地の突端部(小崎)を表す古い言葉。平安時代、源頼義が陸奥守・鎮守府将軍として安倍氏が牙城を築く奥州へ向かうさい、「源頼義勅を蒙り、奥州に向ひ給はんとて当所を過ぎ給う時、空中に奇雲たなびき」(『新編武蔵風土記稿』)とある。『大宮八幡宮縁起』によると、頼義が、善福寺川河畔の現在大宮八幡宮のある辺りを通過した際、源氏の白幡(はた)のような瑞雲が現れた。雲が見えた場所を「白幡」と名づけ、瑞雲の尾の辺りを「尾崎」と名づけたという。頼義は大宮八幡宮を勧請した。 また、尾崎熊野神社のそばにある「三年坂」の名称にも、伝承がある。 「三年坂」と呼ばれる坂は、京都や熊本をはじめ全国にあり、東京では江戸時代から、「三年坂」が旧東京市の地域内だけでも数か所あるといわれている。どの坂も、地域境界、神社仏閣、墓地らの付近にあることが特徴だ。急坂が多く、転んだものは寿命が三年に縮まるという。尾崎熊野神社付近の「三年坂」にも同様に言い伝えが残されている。(竹内みちまろ)
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芸能 2011年03月29日 11時45分
思わずほほ笑んでしまうデーブ・スペクターのツイッター
出演番組ではお寒いダジャレ(=本人いわく『クールギャグ』)でスタジオの空気を一瞬凍らせるテレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏だが、このところ、自身のツイッターで東日本大震災の被災者の心を温めるような、思わずほほえんでしまうギャグ&ダジャレをつぶやき続けている。 「テレビ界でもゲラゲラ笑ってしまう番組やギャグに対してまだまだ『不謹慎だ』という空気があるが、テレビ的にもデーブ氏が発するギャグぐらいのほほえましさがちょうどいい」(バラエティー番組関係者) 震災発生以前は「あまりよく理解出来ない全国的選挙→統一痴呆選」、「民主化する悪魔→デモ小暮」、「閉館する訳ありホテル→赤坂不倫スホテル」など時事ネタが多かったが、震災が発生した11日に「いま、被災者を励まし、和ますツイートを一所懸命考えているところです」とつぶやき、キレのあるギャグ&ダジャレを次々と放ち始めた。 主なものを並べてみると、 「こういう時こそ、オチが付く=落ち着くことが大切です。希望を持って頑張りましょう!」 「トイレットペーパーを買い占めている皆さんは、そんなに急にトイレが近くなったのでしょうか? 節度を持って分け合いましょう」 「炉心に告ぐ。君が露出狂でも何も嬉しくない。素直に水没して頭まで冷やして欲しい」 「ブラマヨ小杉の熱い新ギャグ→ヒータ〜!」 「現地の作業員が命懸けで頑張っているのに、首脳陣が責任のがれをしている電力会社→逃電」 「いま被災地に必要なACとは『公共広告機構』ではなく、電源の方だと思います」 「その心意気に全面的賛成のお笑いコンビ→賛同一致マン」 「楽天イーグルスとかけて、いまの仙台の楽天ファンの気持ちととく。その心は去年の楽天イーグルスは『さいかい=最下位』でしたが、今年は『さいかい=再開』を待ち望まれています」 「親日家の人気シンガーが日本を応援するために限定期間の芸名に→Lady佐賀」 「事業仕分けばかりして世界で2番だった共産主義国家→ソビエト蓮舫」 震災的な時事ネタを織り交ぜながら、ある意味“ぬくもり”たっぷりのギャグ&ダジャレに思わずほほ笑んでしまい、新たなつぶやきを期待した人が多かったようで、5万人程度だったフォロワーが29日午前中の時点で17万5000人以上にまで急増した。 デーブ氏には今後もクールギャグで日本を元気づけてほしい。
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社会 2011年03月29日 11時45分
池田副大臣 原発の見通しを「神のみぞ知る」発言
東京電力福島第1原発の見通しについて、池田元久経済産業副大臣が「神のみぞ知る」と発言。副大臣はその後、陳謝して発言を撤回した。 今回の発言は、28日午後の衆院予算委員会で自民党の磯崎仁彦氏が、「危機管理上、最悪の事態をどう考えるか」と質問すると、「私としては予見しうる最悪の事態を考えて(対応して)いる。それ以上は神のみぞ知るだ」と答えたもの。 いまだ、原発の周囲には退避勧告が出て、被災者は不安な日々を過ごしている中での今回の発言に野党は「当事者としてふさわしくない」と猛反発、ヤジと怒号が飛び交い審議が5回もストップ。その後、池田副大臣は陳謝して発言を撤回した。 現在進行形で難しい対応が求められる今回の原発事故。多くの農家は出荷することもできず、風評被害にあう地域も少なくない。一刻も早い沈静化を国民が祈っている中、政治家の見通しが「神のみぞ知る」では、あまりにも呑気としか言いようがない。
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芸能 2011年03月29日 11時45分
「女性に誘われた…」お笑い芸人、MCヤジーが強制わいせつ容疑で逮捕
お笑いタレントで、新宿の劇場「ルミネ the よしもと」などに出演していた「MCヤジー」こと矢嶋勝貴容疑者(22)が24日に準強制わいせつ容疑で逮捕されていたことをスポーツ各紙が報じた。 一部報道によると、先月7日から早朝にかけて、酒に酔って寝ていた劇団員の20代女性の胸を触るなどの疑い。2人で杉並区高円寺のカラオケ店に入店、目を覚ました女性が周囲に助けを求めたという。 また、矢嶋容疑者は、「体は触ったが、女性に誘われた」と供述していると報じられている。
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芸能 2011年03月29日 11時45分
山口もえが第二子を出産
タレントの山口もえ(33)が28日、自身の公式ブログで今月23日に第二子となる男児を出産したことを発表した。 28日の山口のブログには「誕生」というタイトルで、「3月23日に3228グラムの元気な男の子を出産し、無事に退院しましたことをご報告させていただきます。生まれた時は、無事に生まれてきてくれたよろこびと色々な感情が溢れてきて ただただ涙が止まりませんでした」と報告。また、「未来の子ども達の為にも 一日でも早い日本の復興を…」とも語っている。 山口もえは1995年にタレントとしてデビュー。1999年にはドラッグストア・マツモトキヨシのCM「なんでも欲しがるマミちゃんは〜」で一躍お茶の間の人気者に。2005年にIT会社社長と結婚、2007年には長女を出産した。
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社会 2011年03月29日 11時45分
被災した「なんでんかんでん」川原社長が語る東日本大震災の惨状(1)
マネーの虎でおなじみのラーメン店「なんでんかんでん」川原ひろし社長(47)が、東日本大震災で被災したことは既に報じたが、リアルライブは被災地から着の身着のまま帰ってきた川原社長を直撃。「まだ、福島第一原発のこともあり、ボクなどが大震災を語るべきなのか」とちゅうちょする社長だったが、体験した事実のみを淡々と語ってくれた。 川原社長「まず、多くの犠牲者の方々、心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、被災して避難生活を余儀なくされている方々にも心からお見舞い申し上げます。一日も早く元の生活に戻れますように」 −−震災時は仙台にいた? 川原 11日〜14日まで開催のフードショー(グルメコロシアム)のために10日から仙台入りして「夢メッセみやぎ(http://www.yumemesse.or.jp/)」にいました。仙台港から4〜500メートルくらいのところです。「なんでんかんでん」を出店していて、100店舗あまりが出店していました。あの時間は、お客さんも含めて2、3千人がいたんじゃないかな。ボクは午後3時からイベントスペースに出演予定があって、2時40分ごろからラーメンを作っていたんです。最初はユラ〜っと来て…。数日前にかなり強い地震が来たって聞いていたので、その余震かと思ってたら…。 −−かなりの揺れだった? 川原 5分以上揺れてましたね。建物の中の人はほぼ全員外に飛び出したんです。そしたら駐車場にビリビリってヒビは入るわ、隣の変電所の高圧電線がしなりだして接触し火花が散ったりして。コンクリートは浮き上がるし、大変なことになったな、と。なんとか揺れが収まって、しばらくしてイベントホールに戻ったら…100店もの出店はもうメチャクチャで! ウチのチャーシューもひっくり返ってるし、スープもこぼれてるし、冷蔵庫もあっちのほう行ってるし、「ああ、今日はもう出来ないな。これは片づけるの大変だな」と。けが人などは幸い出ていませんでしたね。さあ、片そうかとしていたら、イベントの係員数人が血相変えて飛んできたんですよ。「なにやってんですかっ! 早く隣のビルに避難してください!」と。(つづく)
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トレンド 2011年03月29日 11時45分
ビートルズは尊敬する大先輩!? ガールズバンドは「住所不定無職」に注目!
かつてはJUDY&MARY、大塚愛などもとりあげられた人気番組『めちゃ×2イケてるッ!(フジテレビ系列)』の主題歌に、「住所不定無職」の「1.2.3!」が選ばれている。 住所不定無職は、ユリナ、ヨーコ、ザ・ゾンビーズ子の三人で編成されるガールズロックバンドだ。先日DECKRECからフルヴォリューム・シングル「JAKAJAAAAAN!!!!!」をリリースしたばかり。「ナタリー」をはじめとする音楽系のメディアにもとりあげられるインディーズの注目株だ。 不思議なバンド名だが、結成のいきさつを調べると、職安で会って仲良しになった三人だったからというエピソードが。当人たちに聞くと、「かっこいい! 漢字たくさん!」という元気な答えも。 「わたしたちはキラーチューンをエクスプロージョンさせることばかり考えている、ロックンロールバンドです。ちなみにパートはみんなギターとかです」 昨年リリースされた1stアルバムのタイトルは『ベイビー! キミのビートルズはボク!!!』。バンドのビジュアル、歌詞や曲名、サウンドのいたるところに、そんなビートルズや60年代のポップカルチャーからの影響がうかがえる。 「ビートルズは大好きな先輩ロックンロールバンド。音楽が魔法だということを教えてもらいました♪ あと、4人はオシャレ!」 バンドシーンは「毛皮のマリーズ」や「神聖かまってちゃん」など、ニューフェイスが巷の話題をさらっている。だが、この住所不定無職もシーンで徐々にその存在感を高めつつある。 3月27日には新宿タワーレコードでインストアライブを控えていたが、東北地方太平洋地震、福島原発の影響で中止になった。メンバーの中には岩手出身者もいて、家族となかなか連絡が取れず、不安だったという話も。 それでも元気を失わず、住所不定無職は音楽のマジックで日本をハッピーにしたいのだと叫ぶ。 「みんな、一緒にJAKAJAAAAAN!!!!!しようぜ〜♪」住所不定無職ホームページhttp://killertuneexplosions.com/(写真家「東京人物画」名鹿祥史)
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社会 2011年03月29日 11時45分
大地震によるデマその3「デマは心の闇が浮き彫りになる」
震災のような災害が起こると、必ずといって出てくるデマ。 大正12年に起こった関東大震災のときは、「朝鮮人が井戸に毒を入れ、暴徒化している」とか「朝鮮人が略奪、強姦、放火をしている」というデマがあらわれた。 もちろんこれは事実ではなかったのだが、皮肉なことにその出どころがデマをおさえる側の警察であり、そのデマを鵜呑みにしてしまった新聞記者が記事にしたため、一気に広がってしまったというものだ。 結果、正確な人数はわからないが数百人から数千人の朝鮮人、そして朝鮮人と間違われた中国人、言葉がうまく喋れない聾唖者、あるいは方言のある地方出身者が、暴徒から人々を守るはずの「自警団」から虐殺されてしまうという悲劇を生んだ。 大震災における朝鮮人虐殺は、普段は隠されている民族差別という“闇”を浮き彫りにさせるカタチとなった。これは、決して現在も消えたわけではない。 平成7年に起こった阪神淡路大震災のときも、関東大震災のときとまったく同じ「朝鮮人が略奪、強姦、放火をしている」というデマが走った。 そして今回の大地震のときも、やはりまったく同じデマが出てきたのである。大正時代の関東大震災との違いは、このデマを真に受けて外国人を大量殺害するような人々が出なかったということだ。日本人の民度がそれだけ高くなっていると思いたい。 また、関東大震災や阪神淡路大震災のときとの違いは、いまこの原稿を書いている3月22日現在において、被害が大きかった宮城や福島といったところではなく、ほとんど被害のない東京などで、ツイッター等のネットから発信されたことであろう。 困ったことに、このデマがツイッター等において【拡散希望】という名目でリツイートされ、それを読んだ、あまり物事を疑わない人たちが信じ込み、デマの拡散を手伝ってしまったことだ。 そしてこれらリツイートした人々の中には【善意】から、こういったデマを広げてしまった人がたくさんいるのだ。 しかもこのことについて、誰かが注意をした場合、「万が一本当にあったらどうするんだ!? 用心するに越したことはない!」という感情的な言葉が帰ってきて、人間関係までこじれてくることがある。 これは何も犯罪についてだけではない。 今回の地震は、原子力発電所が壊れ放射線という目に見えないモノが漏れ出すという事故も、同時に起こっている。 当初は、福島原発と千葉の製油所火災がゴッチャになり、 「千葉の製油所から出ている煙に猛毒の化学物質が入ってます。これから猛毒の雨が降るから、外出のときは傘とレインコートを着用してください!」 というチェーンメールが飛び交った。 放射線に関しては、この時点ではあまり問題なく、また、よくわからなかったこともあり「猛毒の化学物質」という表現になったのであろう。 これもどのような人が、チェーンメールを回したかというと、“善意の人”である。 やがて人々の注目が原発に向かうと、放射線を恐れるあまり外出する人が少なくなってきた。 また、地震の被害を受けていない東京をはじめとする関東の人々が、関西や九州などに避難していった。 中には、東京や関東を離れていった人を悪く言う人もいるが、政府・行政がまだ何も言っていないこの時期に避難するかしないかは、その人の思いや考え方次第なので、他者が文句を言う筋合いはない。 というのも、平常時においてならデマの裏を取ったりすることもできるが、緊急時において裏を取ったり確かめたりする時間がなく、反射的に動いた人が助かるという例もたくさんあるのだ。 例えば今回の大津波だが、「津波が来る!」という情報についてデマかそうでないかを確認しているうちに、逃げ遅れてしまった人もたくさんいると思われるのだ。 この場合、「津波が来る!」という情報を信じて、取る物も取らずに逃げ出した人が生き残ったわけである。 よって情報については、次のことがいえる。 平常時においては、政府や専門家、企業から出る情報を鵜呑みにするのではなく、いつも監視し疑っておくべきであろう。 そして非常時・緊急時においては、政府や企業、専門家の言うことを疑ってはならない。何かが起こってから疑っていると、逃げ遅れてしまったり手遅れになってしまうからである。 ただ、今回は残念なことに、政府も原発を扱う企業も、過去に隠蔽(いんぺい)やゴマカシをやり続けてきたキャリアがあり、市民は政府も原発も信用などしていないし、いまさら(信用など)できないという状況になってしまっている。 第二次大戦のときの「大本営発表」を鵜呑みにする人があまりいなかったがごとくである。 これからも被災地では、いろいろなデマが飛び交うことであろう。 原発のあった周辺では、農作物が売れなくなってしまったり、あるいはその土地に住んでいた人に対して「放射能汚染がうつる」といった根も葉もない噂が出たり、子どもたちの間ではいじめもおこるかもしれない。 そういった不幸なデマが飛び交ったとしたら、ちゃんと情報を整理して、これ以上の不幸を積み重ねないようにしなくてはならない。 デマは心の闇や不安を写すものであるからこそ、闇をうまくコントロールしていかなくてはならないのだ。(巨椋修(おぐらおさむ) 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/