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大役を務めた嵐・松本潤、ジャニーさんにとって別格だった

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 男性アイドルを世界で通じるエンターテイナーにしようと、人生のすべてを捧げたジャニーズ事務所の元社長・ジャニー喜多川さんが今月9日、87年の生涯に幕を下ろした。自宅で昏倒してからおよそ3週間、搬送された病院では、毎日入れ代わり立ち代わり、上は50代から下は小学生のジャニーズJr.たちが、病床を見舞ったという。

 逝去したことによって、改めてその偉大すぎる足跡が振り返られ、伝説が実話として明かされた。年間10万通を超える履歴書すべてに目を通し、お眼鏡にかなった子に直接、「YOU、レッスンに来ちゃいなよ」と電話を掛けるのは、本当だったようだ。そんな中で稀に、特待生が生まれたという。アイドル雑誌のベテラン記者が振り返る。

 「かつては、友だちのオーディションに付いていったら、自分が受かってしまったという神話がありましたが、嵐の松本潤さんの場合も特殊でした。アイドルの世界にあこがれがあったマツジュンは、小学校の卒業式を終えたその日、お姉ちゃんに手伝ってもらって履歴書を書きました。後日、ジャニーさんから実家に『今、六本木のテレビ朝日でレッスンやってるから、YOUも来ちゃいなよ』と電話があり、その日を境に、絶え間なく仕事が入るようになったのです」

 小学生の頃は、野球に打ち込んでいた松本。ジャニー氏から突然の召集命令があったその日も、野球の練習を予定していた。しかし、「こんなチャンスはない」という両親の勧めで、急きょ、東京・六本木にあるテレビ朝日の第1リハーサル室へ向かった。そこにいたのは、掃除のおじさん。その人が、松本家に電話をかけてきたジャニー氏本人だったと知ったのは、入所してずいぶん経ってからだ。

 Jr.時代の松本は、大の泣き虫。中学生で飛行機に乗ったとき、気圧の急変で虫歯が痛み、ワンワン泣いたことがあったという。それを励ましたのは、60代のころのジャニー氏だ。また、ダンスレッスンでJr.仲間の二宮和也が怒られているその横でも、泣いている。

 そんな松本も、20代後半でジャニー氏、滝沢秀明氏から伝承されたノウハウを生かして、コンサート演出を担当。現在はドームの大箱をプロデュースできるまでになった。また、7月1日、所属タレントで初めてジャニー氏の病状に口にするという大役を任されている。大先輩の近藤真彦や東山紀之、Ⅴ6やTOKIOを差し置いて、嵐のデビュー20年を振り返る「ARASHI EXHIBITION JOURNEY 嵐を旅する展覧会」(現在開催中)の記者会見の前、松本が代表コメントをしたのは、年功序列を重んじるジャニーズにとっては異例だった。

 小学生から別格だったマツジュン。彼もジャニー氏にとってかわいい“子ども”だ。

(伊藤由華)

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