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DeNA、新守護神・伊勢がチームの命運を握る? 紆余曲折が続く最終回問題の行方は

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伊勢大夢

 10月3日の東京ドームでのジャイアンツ戦。3−2と1点のリードで迎えた最終回のマウンドに立ったのは、2年目右腕・伊勢大夢だった。いきなり先頭のジャイアンツ不動の4番・岡本和真と対峙した伊勢は、一球もストライクが入らずフォアボールで歩かせてしまうと、ジャイアンツはすかさず代走に増田大輝を送り揺さぶりをかける。ウィーラーに代わりベイスターズキラーの亀井善行を代打に送ると、増田は3球目に盗塁でノーアウト2塁の展開に。しかし伊勢も自慢のストレートで亀井を空振り三振、丸佳浩をライトフライでランナーを進ませずに2アウトまでこぎ着ける。ジャイアンツも代打に大城卓三を起用し、伊勢もチェンジアップ主体で追い込むが、真ん中に甘く入ったチェンジアップをライトフェンスまで運ばれ同点にされ、さらに申告敬遠とデッドボールで満塁の大ピンチに。しかし松原聖弥には追い込んでから渾身の150キロストレートをインコースに投げ切り、空振り三振でゲームセット。なんとか勝ち越しを許さず踏ん張ったピッチングだった。

 昨シーズン途中から、長年ストッパーの座に君臨していた“小さな大魔神”山崎康晃の不調により、セットアッパーだった三嶋一輝が配置転換。それが見事にハマり、抜群の安定感で18セーブと結果を残したことで、今シーズンもクローザーとして起用されていた。しかしスワローズ、ドラゴンズには計18試合登板で自責点0と圧倒したものの、ジャイアンツ相手となると防御率11.17と急激に悪化。不調も相まって山崎と再配置転換となったが、その山崎も9月26日から3試合連続で抑えに失敗し登録抹消となってしまう。紆余曲折の末この日に白羽の矢が立ったのは伊勢だった。

 伊勢は明治大学から3位指名で入団し、「リリーフで毎日肩を作る方が合っている」との意向もあり、開幕から一軍で中継ぎとして活躍。7月16日に登録抹消されたが、8月21日に再登録されるとシーズン最後まで28試合登板とフル回転。ルーキーながら33試合に登板し、3勝1敗で防御率は1.80と堂々の成績を残した。サイド気味のフォームから150キロ超の剛球とチェンジアップを武器に、大学の先輩でもある木塚敦志ピッチングコーチのような気迫あふれるピッチングスタイル。山崎はFA権を今シーズンに取得し、夢でもあるメジャー挑戦の目もある。鉄腕左腕・エドウィン・エスコバーも今年で2年契約を終える。剛球で鳴らした国吉佑樹はマリーンズに移籍し、ストッパーを含めたブルペン問題は山積。奪三振率が昨シーズン10.03、今シーズンも9.90と高く、ストッパーの要素を兼ね備えている伊勢が、残り少ない2021年シーズンで経験を積んでくれることを期待したい。

取材・文・写真/  萩原孝弘

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