search
とじる
トップ > レジャー > キャバ嬢が生まれる瞬間(2)〜ハウツー本を読んでキャバ嬢になった奈央〜

キャバ嬢が生まれる瞬間(2)〜ハウツー本を読んでキャバ嬢になった奈央〜

 私の趣味は学生時代から読書だ。と言ってもマンガや小説はほとんど読まない。よく本の中で出てくるフィクションの主人公に自分を投影するなんて人がいるけれど、そんなことは何の意味もない。今を生きてるこの世界に影響を与えるような本じゃないとね。だから私が読むのは昔からハウツー本ばかり。ハウツー本というのは何らかの作業をする方法とか手順を紹介してる本のことだ。

 とにかく私はハウツー本を読みまくってた。『人の心掴む話し方』を読んだ時は、これで学校のクラスの人間を制圧してやるとか思ってたし、『株で大金持ちになる方法』とか『秒速で億を稼ぐ』みたいな本を読んだ時は、株のことなんて何も知らないのに“自分は将来大金持ちになる”って根拠のない自信が湧き出てきた。

 だけどそんな気持ちも長くは続かない。読んだという行為自体に満足してしまい3日も経てば内容も自信も、シャボン玉のようにパチンと綺麗に消えちゃった。ただ人とは違うって自己顕示欲をハウツー本を読んで満たしていただけなのかも。

 でもキャバ嬢になって大金を稼いだという女性の本だけは違ったのだ。読んでいる間、ページが止まらなくなるのはもちろん、読み終えてからも幾度となく読み返した。読んだらすぐに本棚の奥に放り込んじゃう他の本とは違う。言葉使い、メールのテクニック、リアクション、トークの展開方法とか、今まで読んだハウツー本に書かれていた以上の事が、全部がそこに詰まっていたし、素直にキャバ嬢ってここまで考えてるんだ、凄い! って思った。

 その本に出会ってから数年後、私はキャバ嬢になる。本で勉強したことを実践するためだ。今まで実践した中でも特に効果的だったお客さんへの接客がこれ。

 「え〜! ちょ! すごかりし! もっと詳しく教えてほしいのぉ〜!!」

 知識を披露し女性に関心されたいと思ってる男の人って多い。だから大きなリアクションで「教えて」なんて言うととても喜んでくれる。接客の時はかなり使わせてもらってます。これからもハウツー本を読み漁って、これは! って思う方法をどんどんキャバクラで試していくのが楽しみ。もしオリジナル必勝法を見つけたら私も書いて出版社に持ち込んでみようかな〜、なんて考えてます。

(取材・構成/篠田エレナ)

関連記事


レジャー→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

レジャー→

もっと見る→

注目タグ