一言で「キャンピングカー」と言ってもその種類は様々で、多くの人が想像する車両で牽引する高価格のタイプのものから、軽自動車を改良したものまで様々だ。そのなかでも最近注目なのが、軽キャンピングカーから若干グレードアップした「ミドルキャンパー」と呼ばれるもので、今年は展示数が大幅に増加した。その最大の魅力は居住性の高さと安いことで、価格も300〜400万円程度、ハイエンドのものでも500万円前後という。キャンピングカーとしては、比較的安い値段で購入できるということもあり、ファミリーや、セカンドライフを楽しみたいシニア層に人気となっている。
小型のトラックを改造して、キャンピングカーを販売しているAtoZの担当者は、ミドルキャンパーと呼ばれる価格帯のキャンピンカーの需要について「400万円前後の商品が一番需要が多い」と語る。また、本来は荷台となる部分を改造したキャンピングカーは、居住性が高く最大6人まで対応可能とのことで、非常にファミリー向けとして人気があるとのこと。さらに、インテリアにもこだわることができるそうで、会場では「マツダ・ボンゴ」を改造した車体を使ったキャンピングカーを展示し、それぞれ「花」、「港」、「森」の3つのタイプをコンセプトとした内装でアピールしていた。なお、納車までには通常三か月かかるが、レジャーシーズンに向けて、即納できる車体も用意する予定があるそうだ。
「ミドルキャンパー」の他にも、トヨタ・ハイエースなど、ワンボックスカーを改造したキャンピングカーも人気のようで、会場では数多くの商品が展示されていた。こちらの価格も400〜500万円前後で、「ミドルキャンパー」と同じく手軽な価格となっている。このタイプのキャンピングカーは、なんといっても使い勝手が魅力とのことで、ワンボックスタイプのキャンピングカーを展示していたミステックの担当者は「ワンボックスだと車高の変化がないので、普段使う場合でも、立体駐車場などで、車高を気にしなくても大丈夫です。普段の生活での使用もできます」とその利点を説明した。
また、同担当者によると、さらに安いキャンピングカーを探す場合には、軽キャンピングカーもなかなか魅力的とのこと。こちらは世帯年収が400万円程度あれば、求めやすい価格となっており、軽トラや軽ワゴンを改造した車体の場合、4人ファミリーでも余裕のある空間が得られるとのことだった。
キャンピングカー業界では最近、リーズナブルで取り回しに優れるキャンピングカーを多く生産する傾向にあるようで、一般社団法人日本RV協会の調べによると、キャンピングカーの購入者の中心は40〜50代が約70%と圧倒的だが、60代以上も約25%となるなど、その年齢には広がりが見られるとのことだった。他にも、災害時のシェルターなどとしての活用も注目されており、会場ではシェルター仕様のレイアウトをレクチャーするコーナーもあった。(斎藤雅道)