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JR北海道の運転士がミスを隠すために自動列車停止装置をハンマーでたたき壊す

 トラブル続きのJR北海道で、まさに前代未聞の社員の不祥事が発生した。

 同社の男性運転士(32)が9月7日午後4時49分頃、札幌市手稲区の札幌運転所構内で、自動列車停止装置(ATS)の操作ミスで非常停止した特急列車のATSのスイッチを、ハンマーでたたいたり、足で蹴るなどして壊していたことが分かった。

 同社によると、ATSの操作ミスは、午後5時12分発の札幌発上野行き寝台特急北斗星が札幌運転所を出区する際に起きた。運転士が本来切るべきATSのスイッチ1カ所を誤って入れたまま発車させたため、列車が非常停止した。

 しかし、運転士は自らのミスを整備社員に報告しなかったため、点検の結果、ATSの誤作動と判断。前後の機関車の交換を行って、札幌運転所から札幌駅に向かい、列車は同駅から、約1時間15分遅れで函館駅へ出発した。

 函館駅到着後、東室蘭駅で交代した別の運転士が、函館駅構内での入換中にATSのスイッチが壊れていることを確認した。さらに、出区の際に乗務していた機関車の後ろ側のATSスイッチも、ハンマーで破損させたことが判明した。

 11日に事態を把握した同社は、4日間公表していなかった。同社の調べに運転士は、研修中の後輩社員2人が同乗していたため、「ミスを知られたくなかった」として、ATSを壊したことを明かした。

 また、この運転士は04、08年にも、列車を停車駅でオーバーランさせるミスを起こしており、3度目のミス発覚を恐れたともほのめかしている。

 豊田誠常務(鉄道事業本部長)は「全社を挙げて信頼回復に取り組んでいる中、あるまじき行為であり申し訳ない」と陳謝し、運転士を処分する方針。
(蔵元英二)

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