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キャバ嬢が生まれる瞬間(70)〜ゲーム代を稼ぎたかった女〜

中田沙希(仮名・21歳)

 私は去年までファミレスで働いていたのだけど、今年からキャバクラで働いている。目的は多くの人と同じようにやっぱりお金。普通のバイトでもなんとかやりくり出来てはいたのだけど、どうしても余分なことには、お金が使えなかった。ましてやゲームにお金をかけるなんてもってのほか。据え置きのゲーム機を買うならまだしも、いつサービスが終了するかわからないソーシャルゲームにお金を払うなんて考えられなかった。

 それが去年、あるゲームにハマってしまったんだよね。最初は課金したら負けだ、なんて思っていたのだけど、ゲームを進めていくと難易度は上がっていき、そのうちに限界がやってきた。さらにマルチモードで他人と繋ぐ際は、弱いキャラクターだと回線を切られてしまうこともある。だから思わず私はゲームに課金してしまった。最初はたった500円だけ。その500円で辞めるつもりだった。でも気がつくと1万、2万と払っていたんだよね。実際に財布から札束を出して払うのではなく、電子マネーとかで払うから、お金を出すという感覚が薄く、それが課金を加速させた。

 でもやっと強いキャラを手に入れたと思っても、また次の月とかにそれよりさらに強いキャラが追加されたりするから、再び課金しちゃうんだよね。そうなってくると普通のバイト代だけじゃ、やっていけない。だから私はお金を稼ぐためにキャバクラで働くことを選んだ。これも最初はゲームに使うお金を得るため、体験入店だけのはずだったのだけど、ガチャの資金が必要でそのままキャバクラで働くことになった。

 私は最低限の服やブランドものしか買わないからそこまで散財しないんだよね。だから今は余裕を持ってソーシャルゲームにお金をかけることが出来る。たしかに一部ではソーシャルゲームのガチャにお金を大量に払うことに批判の声もあるみたいだけど、今が楽しければいいじゃん? って感じ。まあ、いつかはサービスが終了してデーターに払ったお金は無駄になるかもしれないけれど、そうなったらまた次のゲームを見つけて楽しむよ。そのお金もキャバでがんばって稼ぐつもりです。

(取材/構成・篠田エレナ)

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