宝島
-
芸能 2025年10月04日 12時00分
沖縄米軍政、実体験者が見た映画「宝島」 エピソード過多で「焦点がぼやける」
沖縄を主題にした映画が立て続けに2本封切られた。苛烈な伊江島での戦争を藪の中のガジュマルの木に立てこもって戦後2年もの間生き抜いた宮崎と地元出身兵の実話をもとにした「木の上の軍隊」と、沖縄の混沌の時代を圧倒的な筆力で描写し、直木賞を受賞した真藤順丈氏原作の「宝島」の映画版である。以下は1949年に沖縄に生まれ、幾らかでも米軍政の実態を体験した記者の率直な意見であることを断っておく。「木の上の軍隊」は、二人の兵士が情報を遮断された中で軍人としての矜持(きょうじ)と葛藤を乗り越えていく過程を克明に描いた傑作で有るように感じた。一方、題名が魅力的な「宝島」は、上映時間が3時間11分と長く、冗長で騒々しい映画というのが記者の感想である。主人公たちは戦果アギヤー(共通語に直せば戦果を挙げる人たちという意味)と呼ばれる戦災を生き抜いた若者たちである。敵であった米軍の物資を密かにあるいは堂々と盗む行為は戦争の継続と同じという理由から犯罪という認識はなかった。衣食住、医薬品あらゆる物資が不足する中で、物量があふれている米軍基地から分捕る戦果アギヤー達は、現在の物流業者の役割を果たしていた英雄であった。嘉手納基地に忍び込み戦果獲得を目指したリーダー・オン(永山瑛太)が行方不明となり、その行方を捜すことを伏線として映画は進行する。その過程で主人公のグスク(妻夫木聡)は刑事、オンの弟・レイ(窪田正孝)はヤクザ、ヒロインのヤマコ(広瀬すず)は教師になる。戦火に晒された沖縄では、米軍以外の公権力は機能せず、強いものがリーダーとなる下剋上の時代であった。すべての秩序が無力となり目端の利くものが成り上がる、自由な気風に満ちていた。映画では米軍人をカモにして稼ぐコザ特飲街の女たち、教師となったヤマコが日本復帰を求めて奔走する姿、反米機運を取り締まるアメリカ軍情報部の将校、悪石島の密貿易と多くのエピソードを詰め込んで進行する。映画の終盤に描かれた1970年12月のコザ暴動の描写は、息つく暇もないほどの迫力である。これほどの熱量でコザ暴動を描いた映画は他には見たことがない。しかし、全体としてみた場合、密貿易、ヤクザの抗争、沖縄の民衆の宴会や葬儀のシーンなど細切れのエピソードを詰め込み過ぎで焦点がぼやけているように感じる。もし、他の観客がいなければ、席を立っていたかもしれない。そんなむずむずした気持ちを抑えながら最後まで見てしまった。取材・文/照屋健吉 リアルライブ編集部
-
芸能 2025年09月25日 11時05分
「国宝」になれそうにない映画「宝島」 大コケで低予算の「8番出口」にも敗北
9月19日に公開がスタートした妻夫木聡主演の映画「宝島」に、大コケの可能性が見えはじめている。今作は、アメリカ軍統治下の沖縄を舞台とした作品で、直木賞を受賞した真藤順丈氏による「宝島」が原作の映画だ。妻夫木だけでなく、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太と人気俳優が勢ぞろいし、総製作費は約25億円とされ邦画としては規格外の超大作となっている。歴史的なヒットを続けている「国宝」の倍以上とも言われる製作費を使用した映画となり、公開前には大ヒットが予想されていた。しかし、蓋を開けてみると公開3日間の興行収入は約1億5600万円で、初登場7位と厳しい数字に。このままでは、製作費の回収もできないのではないかと、驚きの声がテレビ関係者の間でも上がっているという。「当初は、『国宝』に迫るのではないかとうわさされていただけに、初週の大コケはかなり厳しいです。敗因としては、191分という超ロングな上映時間が挙げられます。ここまで長いと、話題でも見に行こうという人が限られます。また、『国宝』をはじめ、『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』、『鬼滅の刃』、『8番出口』、『ブラック・ショーマン』と、話題作が盛りだくさんで観客が分散しているようです。『宝島』は映像も美しく見ごたえのある作品なのに、運が悪かったともいえます」(民放関係者)そんな幸先の悪いスタートになった「宝島」だが、大友啓史監督のある行動が、問題視されネットニュースで報じられることになった。「週刊女性PRIME」(主婦と生活社)は、大友監督が作品に辛口レビューをしたX(旧Twitter)ユーザーの投稿に、「ふーーん」とコメントをしたと報道。この行動が報じられると、映画ファンからのバッシングが多くなり、レビューサイトやX上でも映画を批判するコメントが増えはじめている。負の連鎖に陥り、このままだと「国宝」どころか低予算とされている「8番出口」にも興行収入で負けると言われているという。「『国宝』は、公開当初はヒットの兆しがなかったが、映画ファンが絶賛のコメントをSNSで発信して大ヒットにつながりました。『8番出口』も賛否両論がありましたが、うまくSNSでバズって観客を呼び込んでいます。本来であれば『宝島』も口コミ効果を狙いたかったのですが、監督の行動が大きく報じられたことで批判コメントが多くなり、難しくなってしまいました。このままだと観客が増えないままで大コケする可能性は大です」(スポーツ紙記者)「るろうに剣心」シリーズや「レジェンド&バタフライ」など多くの大作を生み出してきた大物監督だからこそ、SNSの使用は慎重になったほうが良かったようだ。
特集
-
あかつ、アメリカ・アポロシアターでの「動きで笑わせるネタ」は世界にも テレビに年数回でも出られる自分は「持ってる」
芸能
2025年10月03日 12時00分
-
TKO・木下、篠宮との一件を明かす 目標は「タイと日本のハブ」 挑戦に対する厳しい声には「どうでもいい」
芸能
2025年09月26日 18時00分
-
-
元ボーイフレンド・宮川英二、最大の挫折は「M-1グランプリ」 セカンドキャリアは、芸人やお笑いサークルの学生の就職支援 芸人の給料も赤裸々に語る
芸能
2025年09月18日 17時00分
-
岡平健治「19」解散は「お金の問題じゃない」 岩瀬敬吾、地元に戻るのを「止められてよかった」 今後はバラエティーで「ポンコツっぷりを見て笑ってほしい」
芸能
2025年08月05日 23時00分
-
misono、家族について「マジで気持ち悪い家族」 「⼦ども⾃然にできると思っていたけど……」と不妊治療の再開、明かす
芸能
2025年09月16日 11時00分