――『M-1グランプリ2016』の敗者復活戦を境に、テレビ露出が増えましたが、今後について話しあったりしますか?
加納「どうしていこうっていうのは、場面場面ではありますけど、ちゃんと話しあうとかは、ないかなぁ。文句はよぉいうてますけどね、『ボケッ!』とか『うっとうしいわぁ』とか」
村上「『あのスタッフの顔、気に食わんかったな』とか、『ホンマにタイプちゃうわ』とか。『楽屋、サブかったな。暖房つけろや!』とか(笑)」
加納「ホンマ、さっさいなこと。大阪のオバハンですよ」
――2人は同級生ですが、最初に触発された芸人さんは?
加納「大阪なんで、吉本新喜劇です。小学校のときの夢は新喜劇に出ることだったんで、(卒業文集に)書いてましたもん。漠然と思ってました。で、中1で“M-1”がはじまったんで、ガッツリ観てましたね。漫才師になりたいと思ってたわけじゃないけど、学校では当たり前のように次の日は“M-1”の話をしてたし。お笑いをやりだしたのは、大学行ってからなんで、18、19歳のときには少し、出ることを意識しましたけど」
村上「そのころは、漫才もコントもやってたんで、どっちで行くかって決めてなかったんです。最近ですよ、“私たちは漫才師やな”って思いはじめたのは」
加納「大学のとき、フリーでインディーズライブに出てた期間が2年ほどあって、スカウトで松竹(芸能)に入れてもらって」
村上「“タダで入れてラッキー!”みたいな」
加納「スカウトいうても、その年から女性芸人コースが創設されたんで、人数が欲しかったんやと思いますよ。うちらが待遇よかったとかじゃなくて、単なる消去法」
村上「“女か? ほんなら、入れとこう”みたいな(笑)。でも、不真面目やったんでね、入った途端に怒られまくり」
加納「『4分ネタを持ってこい』っていわれてるのに、1分ネタしか持っていかないとか、授業をサボって、電話がかかってくるとか。でも、当時の作家さんから、『おまえらはそのまま行け。大人の話は聞かんでええ。やりたいようにやったら、行けるから』っていわれて。その出会いは、大きかったですね」
村上「うちは、いわれてへんで。ちゃんとしたことは、みんなうちにはいってくれへんから(笑)」
加納「真面目な話は、みんなこっち(村上)にしないから」
村上「忘れるし、聞いてないし、響かんもんな」
加納「ド短所(笑)。困ったことなんて、鬼のようにあるで。“これ!”っていうのは、出てけぇへんけど…」
村上「ほんなら、ないやん」
加納「毎分、あるわ! だから、ケンカにならん」
村上「このド短所が怒りになるんやったら、ずーっと怒ってることになるもんな。うちがいうのも、ナンやけど」
加納「誰がいうとんねん」
――今年は、経験したことのない新しい仕事がどんどん舞い込むでしょうね。
加納「なんでもやりますよ。『仕事を選びそうだ』っていわれるんですけど、ぜんぜんないですよ、テレビ好きなんで。そういわれるのは、自分らの落ち度ですね。でも、水着はヤ…ですかね」
村上「うちが、着たるわ」
加納「絶対に、おもろい体になっといてくれ。“まぁまぁ見れる”っていうのが、いちばんキツいから。おもんないのに脱いでもしゃあないから、マジでおもろくなっといてくれ。腹だけ出てるとか」
村上「わかった。それを作りあげていくわ」
【プロフィール】村上(左) '88年6月生まれ。加納 '89年2月生まれ、ともに大阪府出身。2010年コンビ結成。ワタナベエンターテインメント所属。
(次回は17年2月最終週に更新)