まず、この新党、いまいちスタンスがわかりづらい。民主党に対して批判的な発言をしている与謝野氏なので、与党・民主党とくっつく可能性は低い。また、離党した自民党に対しては「反旗を翻すつもりはない」ということになっている。古巣の自民党とは良好な関係を築きたい思惑が見える。第三局を狙い、一定の支持を得たみんなの党とは、そこが異なっている。
また、与謝野氏と平沼氏というコンビにも不可思議なことも。小泉首相の進める郵政民営化に尽力した与謝野氏と、反対して自民党を離れた平沼氏。消費税問題でも二人の考え方には大きな開きがあると言われている。亀井静香郵政・金融担当相も「(新党の)理念や政策が分からないのでコメントできない」とあきれ顔だ。
参加メンバーも問題発言で更迭された中山成彬元国土交通省、新型インフルエンザ問題の真っ只中に議員のJR無料パスで女性と熱海に旅行に出かけたとで問題になった鴻池祥肇氏など。「彼らは自分たちの賞味期限がきれているので、自民党に残ってもいいことはないと考えての結果だとウワサされていますよ」(全国紙政治部記者)。
古巣の自民党の若手議員からは笑みが止まらないという。「党内のイメージを刷新したい彼らからすれば、イメージを落とした人たちの新党は、在庫処分、清々すると話していました」(全国紙政治部記者)。
さらに若手だけでなく、参院選をにらむ谷垣自民党総裁も内心は喜んでいるという。「若手の代表格である河野太郎氏を幹事長代理に抜擢、これからと意気揚々です」(全国紙政治部記者)。
このあたりの事情を踏まえ東国原英夫知事は新党のことを“敬老会”と揶揄したと思われる。
国民は、新党でも自民党でも、どちらでもいいので、問題の多い与党・民主党への追及を本格的にできる体制がいちはやく作られることを期待しているはずなのだが…。