事案が発生したのは、8日午後1時半頃。徳島地裁に所属する40代の女性裁判官が、庁舎4階の執務室で原告被告の双方の氏名や民事裁判の内容、次回の期日などが記載されたA4判の文書を、確認のため窓付近の棚にファイルに挟んだ状態で載せた。
その後、裁判官は換気のためか、付近の窓を開ける。すると、強風に煽られた文書は窓から外へと飛ばされてしまった。慌てて職員や裁判官が文書を捜したが、行方がわからなくなってしまったという。
文書には、原告被告双方の氏名や具体的な裁判の内容などが記載されており、流失は許されないもの。現在のところ被害の報告はないとのことだが、由々しき事態である。徳島地裁は既に関係者に謝罪を済ませており、このまま幕引きとなる様子。今後、当該裁判官が処分される予定もない様子だ。
重要書類を窓のそばに置き、窓を開けて飛ばしてなくしてしまう。この事態に、「小学生でもこんなことはしない。緊張感がなさすぎるのではないか」「謝って済む問題なのか。当事者にとっては、一生に一度の争い。たるんでいるとしか言いようがない」などと怒りの声が挙がる。
また、かなり単純なミスだけに、「本当は無くしてしまったんじゃないのか」「売り飛ばしてしまった可能性も否定できない」「室内から風にのって文書が外に出るなんて普通ありえない。怪しすぎる」と被害を訝しむ声や、「裁判所の執務室なのに、窓が開くのがおかしい」「本当なら、秘密情報を管理する裁判所にはありえない行動」と呆れるネットユーザーも多かった。
人を裁く裁判所。当然、相応のセキュリティはもちろん、勤務する人間にも覚悟などが求められる。窓から重要文書を飛ばしてしまったことが事実なら、ありえない行為と言わざるを得ない。