本誌取材班は、訪問先とみられる稲川会傘下の神奈川県川崎市内にある四代目山川一家(小林稔総長)本部に急行。到着すると、周辺には何台もの高級車が止められており、稲川会の最高幹部らが集まっているのは明らかだった。本部の玄関扉は閉じられていたが、組員らが忙しなく立ち回り、すでに客人が到着していることもうかがえたのだ。
午後12時半を過ぎると、突然、玄関扉が開かれ、最高幹部や組員らが整列。その直後、内堀会長と共に道仁会・小林会長が姿を現した。これまでの訪問と同様に、笑顔で挨拶を交わして車両に乗り込む様子からは、両組織の友好関係が伝わってきた。しかし、時期もさることながら、時候の挨拶などは都内の稲川会本部で行われてきたため、やはり今回の目的は不可解だった。
ある関東の組織関係者は、訪問の趣旨をこう話す。
「道仁会の小林会長は、ちょうど4年前の2月に佐野照明・佐野組組長(現・稲川会執行部)が復縁した場に同席しており、“キーマン”の役割を果たした。それだけではなく、昨年8月には道仁会・大中義久三代目の十三回忌法要を執り行い、住吉会(東京)の関功会長や稲川会・内堀会長など全12団体が出席。各トップによる“会談”も行い、平和共存路線を再確認した。
その後、稲川会と親密な行き来があり、今回の訪問では1時間ほど内堀会長たちと話したようだ。形式的な訪問ではなかったから、さらに親睦を深め、親戚同様の付き合いをしていくという意味もあったのではないか」
稲川会、道仁会の結束が極道業界に影響を与えるのは必至で、今後の動向から目が離せない。