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映画監督が大英博物館に「トリノの聖骸布を複製できれば100万ドル」と挑戦状をたたき付ける!?

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画像はイメージです

 カトリック教会では、イエス・キリストの受難に関わるものやキリストや聖母マリア、諸聖人の遺品などは聖遺物と見なされ、昔から崇敬の対象となっていた。

 有名なものでは、キリストの遺体を包んだ姿が布に写し取られたとされる「聖骸布」だろう。聖骸布は現在イタリア・トリノの聖ヨハネ大聖堂に保管されており、縦4.41メートル、横1.13メートルの亜麻布だ。布の上にうっすらと身長180センチ程度の男性の全身像がネガで転写されており、キリストが磔刑(たっけい)時に受けた傷と同じ箇所に血痕も残されているという。

 ​>>キリストの遺体が浮かび上がったトリノの聖骸布は修道院のテーブルクロスだった!?<<​​​

 昔から聖骸布については研究が行われており、1988年に行われた放射性炭素年代測定では13世紀から14世紀に作られたものである可能性が高いという結果が出てきている。しかし、当時の技術を使用してどのように聖骸布を作成したのか、その方法は不明のままだった。逆に聖骸布の全身像に特有の濃淡があること、筆のタッチなどが残されていないことなど、複数の点から「やはり本物なのではないか」という説も出てきていた。

 そこで、ある映画監督が「もしトリノの聖骸布を複製することができたならば、大英博物館に100万ドルの報酬を提供してもよい」と提案して話題になっている。

 この大胆な提案は、聖骸布が本物である可能性を何十年にもわたって唱えてきたデイヴィッド・ロルフ監督によるもの。彼は聖骸布にまつわる最新のドキュメンタリー作品『Who Can He Be?』で、1988年に大英博物館の専門家が行った画期的な放射性炭素分析に狙いを定め、分析結果には根本的な欠陥があると主張した。

 その上で、もしこの聖骸布が「中世の詐欺師」の手によるものなら、大英博物館の専門家は2022年に同じことをやってのけるに違いないとして「私は彼らに同じようなもの(聖骸布)を作るよう呼びかけます。もしできたら100万ドルの寄付を送ります」とロルフ監督と映画のプロデューサーはガーディアン紙のインタビューで宣言したのだ。

 映画のウェブサイトにはこの「挑戦」の詳細が記されており、「再現されなければならない特徴」の包括的なリストも掲載。「0.2マイクロメートルの色の浸透深さ」と「布の両面の画像がほぼ同じ色の濃さを示すこと」などが挙げられている。

 また、新たに複製された聖骸布のキリスト像は「少なくとも1年間は偽の覆布に残っていなければならない」上に、「既知の中世の技術と物質しか使用できない」点も条件としている。もし大英博物館が聖骸布の再現というこの挑戦を受けた場合、「中立的な委員会」が複製された聖骸布を審査し、それが正確な複製であるかどうかを判断することになるのだそう。

 あまりに驚きの「挑戦」であるため、自身の最新ドキュメンタリー作品の認知度を上げるための巧妙な宣伝ではないかという意見も出たようだが、ロルフ監督と映画のプロデューサーは真剣に主張している。

 この挑戦を受けるかどうかについては6カ月の猶予期間が与えられているが、現在のところ大英博物館側はこの挑戦を受ける気はないようだ。広報担当者はガーディアン紙の質問に対し「トリノの聖骸布を管理している人たちに聞いてみてほしい」と答えるにとどまったようだ。果たして、聖骸布の再現をやり遂げる人は出てくるのだろうか。

山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中

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Filmmaker Offers British Museum $1 Million If They Can Duplicate Shroud of Turin(coast to coast am)より
https://www.coasttocoastam.com/article/filmmaker-offers-british-museum-1-million-if-they-can-duplicate-shroud-of-turin/

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