事件は4月29日、埼玉県越谷市の商業施設で開催の「≠ME」の新曲CDイベントで発生した。イベントではCDの購入者を対象にステージ前方で観覧できる抽選会が行われていた。その際、抽選会に参加していた男性複数人が、警備責任者に対し暴力を振るい2週間のけがを負わせていたのだ。イベントは急きょ中止となり、警察が駆け付けたが加害者の男性たちはすでに立ち去った後だった。
この暴行事件は発生当初から「謎の多い事件」として話題となった。当初はファン同士によるいざこざが原因と思われていたが、イベントの参加者によると「大人数で一人のスタッフを取り囲んでいた」「抽選箱が破壊され入場券を大量に奪っていった人がいる」という目撃情報が相次いでいたのだ。そのため、本件は「壊し屋」とされるグループの仕業ではないかといううわさが広がっていた。
壊し屋とは、目的は不明だが、SNSなどで仲間を募りわざとイベント会場などでトラブルを起こして、イベントを中止に追い込む人たちを指す。アイドル業界ではその存在は広く認知されており、一部の暴徒化したファンやアンチによる犯行とされてきた。だが、近年では「ただ単に暴れたい人たちの集合体」「闇バイトの一部」ともされており、その実態をつかむのは難しいとされる。
今回、実行犯と思われる2人が捕まったことで、「壊し屋」犯罪にメスが入ることに期待したい。