今年で10回目となる「中野にぎわいフェスタ」でのイベントで、元WWF女子王者のレジェンド女子レスラー・ブル中野が、引退後初めてプロレスをプロデュース。さらに解説も務めた。これはJ:COMチャンネルで放送中の『中野人図鑑』で番組MCを務めるブル中野とJ:COM中野が一緒に企画した肝入りのイベントで、2試合が組まれた。
第一試合は中野区観光大使を務めるNORIと”明治生まれの最高齢レスラー”がばいじいちゃんが対戦。なんとNORIは、がばいじいちゃんの孫とのこと。まさかの血縁者対決となった。ヨボヨボのがばいじいちゃんに対し、場外で椅子攻撃を仕掛けるNORIに、解説のブル中野は激昂した。ブル中野は得意のヌンチャクでNORIを一撃。アシストを受け突然元気になったがばいじいちゃんは、トップロープから見事なトペアトミコを決め勝利。ブルにていねいに挨拶し、リングを後にした。
メインイベントは伊藤薫&青野敬子VS井上京子&Sareeeのワールド女子プロレス・ディアナ所属4人によるタッグマッチ。WWWD世界シングル王者のSareeeのはつらつとしたファイト、青野の切れ味鋭いキック、井上と伊藤のパワフルな攻防で、両チーム一歩も譲らぬ好試合になり、観客もヒートアップ。あっという間に時間は過ぎ、時間切れ引き分けかと思われたが、今年デビュー30周年を迎える京子は最後、翌日に引退を控えた青野に惜別のナイヤガラドライバー。そのまま3カウントを奪い勝利を収めた。
試合後、ブル中野は「観客が沸いてくれて、やって良かった」と安堵の表情。久しぶりのメイクは「昔の気持ちに戻った感じ。ナメられちゃいけない気分になった」と口にした。またこの日、ブル中野は中野区観光大使に就任したとのこと。「中野の役に立ちたい。中野にはプロレス団体がないので、イベントでプロレスをやりたい」と目標を披露。すると酒井直人中野区長が「プロレスの街、中野にしましょう!」と高らかに宣言した。
区長の強力な支援を取り付けたブル中野。これからも大使として中野を、そしてプロレスを盛り上げてくれるだろう。今後はプロレスプロデューサーとして、レジェンドになってくれそうだ。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘