歌って気分もスッキリ、ストレス発散になりますが、実はほかにもたくさんの健康効果があるようです。
今回は、医師の小田切ヨシカズ先生にカラオケの健康効果についてお聞きしました。
■歌ってカロリー消費
「歌い終わった際に、画面にカロリー消費量が表示されるものがあります。声の高さや大きさ、発している時間で計測されているようです。どの曲もだいたい10kcal程度ではないでしょうか。1曲12kcalで考えたとして、1時間で10曲歌えば、120kcalほど。ウォーキングのカロリー消費量が、個人差はありますがだいたい1時間150kcalなので、近いものは得られます。歌う際に使う筋肉といえば、腹筋や声帯付近の筋肉。さらに立って歌えば脚の筋肉や背筋なども使うことになるので、さらに消費量はアップ。ダイエットに利用するのであれば、歌い方も工夫するといいですね」
■腹式呼吸で自律神経を安定
「歌うときにはよく、腹式呼吸をするように言われると思いますが、これは上半身をリラックスさせる効果があるからです。寝ているときの呼吸法が腹式呼吸であるように、体の力が抜けて、声帯の緊張もほぐれ、声が出しやすくなるんです。また、呼吸の量が安定して、声の高さや大きさなどもコントロールしやすくなります。こうしたリラックス効果により自律神経の働きが整うと、ホルモン分泌も安定して、免疫力が向上したり、更年期症状やうつ症状などの改善が促されます」
■カタルシス効果でストレス発散
「人は誰でも、感情をすべて言葉に出して発しているわけではありません。むしろ感情を溜め込んで、ストレスを感じてしまうケースが多いです。歌には、自分の言えないこと、心に秘めた感情が、そのまま歌詞になって表現されていることがあります。そんな歌詞に感情移入して、まるで自分の言葉のように歌い上げる。この感情の浄化こそが、カタルシス効果と呼ばれるものです。自分の感情を表現することで、心が解放され、ストレス発散に繋がります」
■脳を活性化してボケ防止に
「カラオケは非常に脳活性に役立ちます。言葉を発するのに左脳が使われ、言葉をメロディーにのせたりリズムを刻むのに右脳が使われることで、脳が全体的に刺激されるからです。他にも、人前で歌うことでほどよい緊張感が生まれたり、歌詞の意味を頭の中でイメージして歌ったりすると、さらに脳は活性化します。ですから、カラオケはボケ防止にはもってこい。若い人だけではなく、高齢の方にこそ用いて欲しいものなのです」
カラオケによってもたらされる健康効果はかなりのものです。でも、場所によってはタバコの煙など、健康を害する影響を受けてしまうのも事実。体のことを考えるのであれば、環境を整えて行うのがいいですね。
【取材協力】小田切ヨシカズ
湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。