青森県恐山を中心としたイタコ信奉は根強く奥が深い。心霊研究家のA氏は語る。
「魂に呼応するイタコは相談者の迷いが深ければ深いほど的確な口寄せをします。よって、イタコに救われ、結果イタコを心から信奉し毎年恐山へ足を運ぶ人は少なくありません。やはり、毎年あれだけの人間が訪れるのは霊場霊山として心の奥底に響く何かがあるからでしょう。実は、明治維新以降、産業の発展に伴いイタコの子供達が一般人として全国に散らばってしまいました。そうして全国に散らばったイタコの子供達には驚くべき能力を持った人々が多く、年を重ねるにつれ霊能力に磨きがかかり、われわれの知らない地方の片隅で口寄せを行い地元に貢献している人物が多数いるのです」
今回、われわれが取材した群馬県在住の塚田深水先生(つかだしんすい先生)も青森から群馬に移り青春の日々を女工として過ごした。深水先生が自分に眠る特別な力に気がついたのは戦後の混乱の中、娘の一人を病気で亡くした時だという。悲しみにくれる中、突然何かに憑依され金縛りの様な状態になってしまうことがたびたび続き、やがてそれが浮かばれぬ魂の仕業であることに気がついたという。
以来、年を追うごとにそれは声となり、鮮明かつ具体的に聞こえるようになっていく。先生の名が世に出ることはなかった。しかし、町の人々と地元や政治家など彼女を信頼する人間は多く、公共工事の着工などの際、彼女に口寄せを頼む関係者が後を絶たなかったという。
高齢ということもあり、第一線を退いた深水先生。「賭け事で口寄せはしないんだけれどね…」といいながらも快く取材を引き受けてくれた。競馬がまったくわからない深水先生にはまず、当日のレースでゴール付近の模様を霊視しての予想。そして、それとはまったく別に出走予定馬の写真を見てもらいその中から何かを感じる馬をピックアップしてもらった。
写真を広げ真っ先に手に取り「…この馬はついてないね…自分がなんで勝てないのか分かってないみたいだよ…」と呟いたのがアロマキャンドルだった。そして次々と写真を手にしエフティマイアとレッドアゲートの2頭をセレクト。「この馬と騎手はとても仲がいいの。こっち(エフティ)は凄くオマセさんで嫌いなふりして騎手の方が大好きみたいだね。こっち(レッド)はまるで兄妹みたい。お兄ちゃんの後をついてゆく妹さんみたいだね〜」と独自の見解を披露。さらにリトルアマポーラは「なんだかあんまり競争が好きじゃないみたいだよ」と人気が予想される馬すらも遠慮なくばっさりと切り捨てる。
参考までに騎手について話を聞くと注目馬レジネッタの騎乗が予定される小牧騎手について「ちょっと勝ちたいという気が強すぎるね〜」とプレッシャーへの不安を示唆。武幸四郎騎手に対しては「ご先祖様が『もっとしっかりやりなさい』と怒っている」と警告を出しているという。
競馬をまったく知らないイタコの予想は失敗を恐れない個性的なものとなった。果たして、霊界からのお告げがどれほどまでに未来を透視できるのか?その答えは今週行われる第69回オークスにて判明する。
◎レッドアゲート
○エフティマイア
○スペルバインド
▲レジネッタ
△シングライクバード
△ユキチャン
※△2頭は回避馬が出た場合、抽選で出走可能
騎手ベスト3
(1)蛯名
(2)池添
(3)藤岡佑
騎手ワースト3
(1)安藤勝
(2)武豊、後藤