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薄くなった?オリックス、昨年から導入したデサント製ユニフォームの真相

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バファローブル(左)とベルのユニフォーム

 「生地が薄くなった」
「ユニの上から着ている服が透けて見える」

 オリックス・バファローズが、プロユニフォーム(試合で使用しているもの)に近い仕様で販売しているハイクオリティユニフォームについて、一部のファンから不満にも似た声が聞こえている。

 オリックスがユニフォームのメーカーをミズノ社からデサント社に変更したのは昨シーズンから。2016年のオフに開催された時にデサント製のユニフォームがお披露目され、デサントの担当者が囲み会見に応じたのだが、実際にミズノ時代のハイクラスユニフォームから購入しているマスコミは私だけ。ということで、私が代表する(せざるを得ない)形で担当者に質問している。

 「昇華プリントは球団側から強い要望があって、ロゴは重厚感のある刺繍でお願いしたいとのことだった」

 やはり気になったのは、昇華プリントを採用する球団が現在の流れの中、刺繍を“継承”した理由である。担当者は「刺繍にしたことにより、ユニフォームの軽減化には苦心した」とも話していたが、ユニフォーム採用を担当している関係者に話を聞くと、「サッカーのユニフォームのようにはしたくなかった。プロ野球のユニフォームのチーム名や背番号、名前は重みを持たせたかった」と語っている。

 生地が薄くなってしまったのは、刺繍を継承した代償なのだが、選手には「軽い」と好評で、デサントは各選手の体型を頻繁にチェックし、ユニフォームに限らず、キャップからパンツまで完全オーダーメイド化を実現させた。ユニフォームの素材も伸縮性のあるものを使っているため、タオルのような肌触りになっている。グッズ担当者は「以前との違いは、プロユニフォームはさらに軽減化を図るため、ボタンはカモフラージュになっているんですよ。選手はユニフォームをボタンを閉めて着るのではなく、被って着るタイプになりました。ハイクオリティはあくまでも着やすさを追求しているので、ボタンを閉めながら着る前開きのタイプになっています」と制作秘話を明かしてくれた。

 また、これは実際にハイクオリティを着用してみた個人的な感想だが、同じサイズでもデサント製の方が大きめに作られているのもポイントのひとつかもしれない。オリックスとデサント社が本格的にコラボレーションを始めたのは、2016年の春季キャンプで選手やスタッフが着用したフーディー。これをキャンプ地で販売したところ、ファンの間でも爆発的なヒット商品になった。昨年からはNPBマークが入ったオーセンティックフーディーとして販売され、今年は色違いを発表するなど、「キャンプに行ったら買わなきゃいけないアイテム」として浸透している。

 京セラドーム大阪には、オリックスとデサントのコラボショップも常設されており、選手が試合前後に着用している衣類やリュックなども販売されている。また、ユニフォームに関しても、「ホームユニフォーム(ハイクオリティ)は全選手対応になったのが、とても好評ですね」とグッズ担当者は利便性の改善点について、選択肢が広がったことをあげていた。

 軽減化による素材の変更などについては、賛否両論あるかもしれないが、ユニフォームは選手が使いやすいのが一番で、それに極力近いものを着ながら応援したいのがファン心理というもの。球団のこだわりと、メーカーの苦悩、選手の感想が少しでも伝わればと思う。今シーズン、チームの好調に軽減化されたユニフォームもしっかり貢献しているのだ。

取材・文・写真 / どら増田

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