スポーツ 2021年08月05日 20時15分
男子競歩20キロ、史上初のメダル“ダブル”獲得「このクソ暑いのによく走った」称賛の声続々 現地札幌は史上2番目の連続真夏日
5日に行われた男子競歩20キロで池田向希が銀メダル、山西利和が銅メダルをそれぞれ獲得した。 >>「坂上忍さんは絶対認めなかった」五輪前の報道裏側を元JOC春日氏が暴露 『バイキング』が採用した“良い手”とは<< 同種目では2016年リオ五輪で松永大介が記録した7位が過去最高成績の日本。史上初のメダル獲得をかける今大会には世界ランク1位の山西、同8位の池田、同10位の高橋英輝の3名が出場した。 5日午後4時半にスタートした競技は序盤に飛び出した王凱華(中国)を山西、池田を含む2位集団が追う展開になると、12キロ過ぎに2位集団が王に追いつき先頭集団は7名に。その後、17キロを過ぎたあたりで山西がスパートを仕掛け集団から抜け出すと、池田、マッシモ・スタノ(イタリア)の2名が追走しこの3名が金メダルを争う構図となった。 しかし、その後18キロ地点を過ぎたあたりで山西が遅れ始めると、池田も19キロ付近でスパートをかけたスタノについていけず、レースはスタノが「1時間21分5秒」のタイムで金メダルに。それでも、池田は「1時間21分14秒」でスタノとは9秒差の2位、山西も「1時間21分28秒」で23秒差の3位と最後まで懸命に走り抜きメダル圏内は死守した。 同種目では日本勢初となるメダル獲得を同時に成し遂げた池田、山西の走りを受け、ネット上には「日本勢ツースリーフィニッシュ! 2人ともおめでとうございます!」、「最後は惜しかったけど、銀メダル銅メダルの同時獲得は間違いなく快挙だ」、「集団からどう抜け出すかの駆け引きは物凄く見応えがあった」と歓喜の声が挙がっている。 一方、競技が行われた北海道・札幌がこの日最高気温33度を記録し、同地では観測史上2番目(1位は1924年の17日連続)となる16日連続の真夏日となっていたことを引き合いに「暑さに負けずにみんなよく頑張った、もう走った選手全員にメダルを贈りたい」、「よりにもよってこんな気候でレースなんて選手が可哀想すぎる」、「みんなこのクソ暑いのによく走ったよ…この後は全員とにかく休んでほしい」と選手たちの体調を心配する声も複数見受けられた。 試合後のインタビューでは池田が「ずっとメダル(獲得)を目標にやってきたので、1つ形に残すことができてよかったと思います」と喜びを語る一方、山西は「金を獲れなかったというのは本当に…何でしょうね…(これまでの取り組みが)甘かったんだろうなと思います」と悔しさをにじませている。それでも、歴史を塗り替えた走りが多くのファンに感動をもたらしたことは間違いないだろう。文 / 柴田雅人