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コロナ禍で肌トラブルを訴える女性が急増 ストレスが肌にもたらす仕組みと対処法は

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 コロナ禍で引き続き外出の自粛が促され、休校や仕事のテレワーク化といった対応が進む中、肌トラブルに悩む女性が続出している。
 例えばネットでは、「こう毎日コロナコロナ聞いてたらさすがにネガティブになる。運動量減って体重は増えるし肌荒れ増加だし」「コロナで休みになったから働かないでひたすら自宅待機してたら肌荒れしてきた」「思春期ニキビとか全然なかったのにコロナのせいでストレスが溜まりまくってて人生で一番肌荒れしてる」「規則正しすぎる生活をしているのにコロナストレスのせいで肌荒れしてきた」などの声がある。

 もちろん、肌荒れは自粛によるストレスだけが理由とは言い切れない。暇を持て余してつい間食を多めにとってしまったり、インスタント食を多用して栄養バランスの悪い食生活が続くなど栄養面の問題や、換気や掃除などを怠って不衛生な環境の中で過ごすなど、物理的な環境の問題が肌トラブルにつながっている場合もある。

 一方、自粛による緊張感や不安感などによる精神的なストレスが原因で肌荒れを起こしている場合は、「自律神経の乱れ」が影響している可能性が高い。
 人は、精神的なストレスがかかると心身共に緊張状態になり、血圧を上げて心拍数を増加させる機能を持つ交感神経が優位な状態になる。そして、この状態が長く続くと、免疫力や代謝機能が低下して外的刺激に対する皮膚の抵抗力が落ち、皮膚が生まれ変わるために1カ月から1カ月半かけて行われるはずのターンオーバーが正常に行われず、肌荒れを引き起こしやすくなってしまう。このように、交感神経の働きが過剰になり自律神経が乱れると、内分泌系のホルモンバランスにも影響を与える。特に女性の場合、男性ホルモンの分泌量が増加すると、皮脂量が増えてニキビができやすくなると言われている。

 また、自宅で過ごし続けなければならない状況の中では、運動不足や刺激不足などが原因で適度な疲労感を得にくく、寝つきが悪くなったり、熟睡感が得られないなど「睡眠の質」に影響を及ぼしやすい。こうして概日リズムが崩れ、昼夜が逆転した生活になると、自律神経が乱れるだけでなく、回復しにくい状態を引き起こし、悪循環を生み出してしまうこともある。
 肌トラブルの対処法としては、低刺激性のスキンケア化粧品を使用して肌を十分に保湿したり、バランスの良い食事や規則正しい生活を心がけるといった物理的なアプローチのほかに、ストレスをうまく発散させるための工夫も重要だ。

 ストレスを発散するためのポイントは3つで、「睡眠をとる」「脳と体を働かせる」「リラックスする」が挙げられる。
 睡眠に関しては、睡眠時間をしっかりと確保し、質の良い睡眠をとるための工夫が必要だ。例えば、寝る直前の飲食を控えたり、スマホの画面を見ながら寝ないことを心がけるといったほか、朝はなるべく太陽光を浴びることも効果が期待できる。
 また、脳と体を働かせると、即時的なストレス発散の実感や充足感を得られるだけではなく、適度な疲労感が睡眠の質の向上にもつながる。例としては、振り付けを覚えながら音楽に合わせて体を動かすダンスやヨガなどもおすすめだが、自分の趣味をとことん追求することも、脳の活性化を促す効果がある。また、人との会話も効果は高い。直接は会えなくても、通信機器を利用してコミュニケーションはとれる。

 リラックスするための方法の例としては、アロマテラピーやヒーリング音楽の鑑賞などが代表的。自分の好きな香りの入浴剤を入れていつもよりゆったりと入浴したり、瞑想や自然の風景が眺められる映像を鑑賞するなどの方法もある。心を休める時間を持つことは、ストレス解消のための重要なポイントだ。
 いずれの方法にしても、高い効果を得るためには、自分に合った方法を模索し、自分にとってより心地よい方法を見つけることが大事だ。

 コロナ禍で恐れや警戒心が高まる中、こうした目に見えないストレスに対するセルフケアは意外と盲点になりやすい部分でもある。肌のためにも、心の健康に意識を向けていきたいものだ。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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