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ポール・マッカートニー、最悪の状況から最高のアルバムを

 ポール・マッカートニーは、『ビートルズ』後のキャリアで自由を楽しんでいる。
 ポールは、1970年の『ビートルズ』解散後に発表した初のソロアルバムでは実験的な特性を試みたが、その後結成した『ウイングス』ではポップ路線に自然に引き戻されから『ビートルズ』と違ったサウンドを確立しようと一生懸命になっていた。
 「何か違うことをする、っていう気ままさをとても楽しんでいた。いつもそうだったし、今も楽しんでいるさ。それに、『ビートルズ』のコピーみたいなものは、試して作れるようなモノじゃないって、分かっていたことも一つの要因なんだ。ジョン、ジョージ、リンゴ抜きじゃどうにも出来なかったから、無理な事だと分かっていたよ」「だから新しいものに挑戦しないといけない、ってね。『ウイングス』のそれぞれのアルバムは、『ウイングス』の個性を確立して、その後『ウイングス』の音楽として認識されるものを目指したよ。『ウイングス』のサウンドだ、って感じでさ」

 『ウイングス』のアルバム“バンド・オン・ザ・ラン”のレコーディングのため、ナイジェリアに飛ぶ前夜に、ギタリストのヘンリー・マッカロクとドラマーのデニー・シーウェルが脱退したことが、ポールにとって「最高のアルバム」を制作する反動となったのだとクラッシュミュージックに語る。
 「あれは、まるで爆弾みたいだったよ。『ああ、わかった。頑張って冷静になれよ。落ち着け、落ち着け』、って言いながら電話を切るところが想像できるだろ」「『さぁ、どうする? 俺達は行くよ』って感じだった。で、その後、よくあるように、『見てろよ、今までで最高のアルバムを作ってやるからな。お前達なんて必要ない、っていうことを証明したいから、死ぬ気で作ってやる』っていう気になったわけなんだ」

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