女性の相談に適切な対応を取らなかったとして、上司の男性警部補も戒告の懲戒処分とした。監察官室は署長ら幹部3人も注意処分とし、「事実関係に基づき厳正に処分した」としている。
県警によると、巡査部長は昨年8月から今年1月頃、パトロール中のパトカー内で20代の女性警察官の足を触ったり、交番で肩や尻を触ったりした。
昨年10月頃、女性が同僚に相談して上司に伝わったが、上司の警部補は「気を付けろ」と注意しただけで、署長ら幹部への報告を怠った。
巡査部長は一時、セクハラをやめたが再開。今年2月に女性が再び同僚に相談したため署長を通じ、監察官室に報告があった。
監察官室の聴取に対し、巡査部長は触ったことを認め、「深く反省している」と話したという。被害相談を受け、県警は強制わいせつ容疑も視野に捜査したが、女性が被害届を出さなかったため、立件は見送った。
同様の不祥事としては、3月に山口県警本部の40代警部補が、部下の女性警察官に、パトカー内や署内で、抱きついたり、体に触るなどのセクハラ行為をして、減給6カ月(10分の1)の懲戒処分を受けたケースがあった。この警部補は処分と同時に依願退職したが、今回の巡査部長の場合、処分自体は重いが辞職はしないという。
「身内だから大丈夫」と思ったかどうか分からぬが、警察官として、あるまじき行為だ。
(蔵元英二)