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昼はOL夜はホステス実は人妻な秋田まちこの“お水なう”(8) 〜“売れない?”“売らない?”嬢〜

 おはようございます。未だに夏バテ中の秋田まちこです。

 さて、今日は興味深い嬢のお話をしたいと思います。

 夜の世界では恐らくどこのお店にも、“売れない嬢”は存在します。その理由は様々ですが、中には“売れなくてもいいや”というスタンスの嬢もいたりします。

 キャバクラの給料体制も多様ですが、私が勤めたとあるお店は、時給プラス能力給でした。未経験者の子は、最初の最低時給は2500〜2800円ほどだったと思います。いくらになるかは、マネージャー次第。

 私も一番最初のお店では2800円からスタートしました。上京したてでしたし、それまで時給800円で服屋のアルバイトをしていた私にとっては高額な時給でした。

 しかし一度夜の世界に入ると、上に上り詰めたい、と思うもの。私はその類いでしたが、そんな私の同期で、全く正反対なタイプの嬢がいました。名前はりえちゃん。若い、容姿端麗、関西弁バリバリ! な彼女はお客様にも大変好かれていました。ところが、いつもヘルプに徹するため売り上げは下から数えた方が早い。何故自らを売ろうとしないのか疑問でした。

 ある日その旨をりえちゃんに聞いてみると、

 「いちいち客とメールしたりご飯行ったり、めんどくさいねん」

 とバッサリ一言。

 りえちゃんは結婚式場でのヘアスタイリストの仕事が本業でした。確かに、いつも忙しくしていて、尚且つ男勝りなサバサバした性格をしていましたから、彼女の言わんとすることも納得できました。

 売れなくてもいいや、な嬢は、お店側からしたら、あまり歓迎はされませんよね。普通だったら、売り上げのない子はクビにされてもおかしくありません。ですが、りえちゃんだけは違いました。

 マネージャーは彼女の“ヘルプ力”をかっていましたから。そう、彼女は“ヘルプのプロ”と呼ぶにふさわしい嬢だったのです。彼女がヘルプについた席の売り上げといったら…素晴らしいものでした。

 そういった面でりえちゃんは、“自分自身の売り方”を非常に理解している嬢だなぁと、関心させられました。

 彼女は売れっ子ではありませんでしたが、お客様からの評判は、ずば抜けてナンバーワンだったのです。
 夜の世界ではそういった嬢のことをスーパーヘルパと言ったりもします。

 そんな彼女を含め、この世界には本当に様々な嬢がいるものです。まだまだ話したいことはたくさんありますが、今回はこの辺で。また来週。

文:秋田まちこ ブログ http://ameblo.jp/akitamachiko69/
Twitter akitamachiko69

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