7月19日、人気バンド『Dragon Ash』のKenKenが、自宅で大麻を所持したとして大麻取締法違反の疑いで逮捕された。これを受け、同バンドが所属するレコード会社はKenKenが製作した楽曲が含まれる作品の配信・出荷全面停止を発表。しかし、逮捕の翌日から芸能ニュースは吉本一色となり、同じく薬物により逮捕されたピエール瀧や田口淳之介・小嶺麗奈と比べ、報道量は圧倒的に少なくなっている。
音楽グループ『レペゼン地球』も、“かき消された”という意味では吉本のニュースに助けられたと言えるかもしれない。
7月17日、「レペゼン地球」と同じ事務所に所属している歌手・ジャスミンが、同グループメンバー・DJ社長からパワハラ・セクハラを受けていることをうかがわせる画像を自身のツイッターに公開。翌日、DJ社長は頭を丸めた姿で謝罪動画を投稿したが、これらはすべて新曲のプロモーションであり、「悪乗りが過ぎる」「ハラスメント行為を装うのは悪質」などとネットで大炎上。また、これに加担した人気バンド『マキシマム ザ ホルモン』に関しては、ファンが呆れ果て、多くの信者を失うことになってしまった。
当初は芸能の話題だった吉本騒動が「ブラック企業批判」「パワハラ疑惑」「契約問題」といった社会的な話に広がってしまったため、芸能以外でもかき消されてしまったニュースは多い。
7月22日、韓国・釜山にある日本総領事館に大学生が侵入し、建造物侵入などの疑いで6人が現行犯逮捕された。しかし、警察は大学生が「犯行の一部を認めた」として即日釈放に。これは外交問題になりかねないデリケートな事件だが、世間での関心は吉本騒動より格段に低い状況となっている。
24日には、これも吉本問題に隠れるように、学校法人「森友学園」への国有地売却や決裁文書改ざん問題が“終結”することになった。
同事件を巡っては、元国税庁長官の佐川宣寿氏らが捜査を受けたが不起訴となり、検察審査会が「不起訴不当」と判断したため再捜査が進められていた。そして今回、大阪地検特捜部は佐川氏ら10人を再度不起訴とする方針を固めたため、これで制度上再捜査は行われない“終結”となることに。しかし、同事件は多くの疑問が残るため“再検証”が必須と言えるが、メディアはそれよりも吉本騒動に夢中だ。
とはいえ、メディアが吉本問題を報じるのは、それだけ受け手の注目が高い証し。クソ真面目な国民がもっと多ければ、こうした事態にもならないのかもしれない