得点は3対2で阪神リードの7回裏。2死1、3塁で打者・クレイグ・ブラゼルが、二塁後方にフライを放った。これを、二塁手の脇谷亮太内野手(29)がグラブに当てて落とし、倒れ込みながら拾い上げた。VTRでは明らかに落球していたが、判定はアウト。阪神・真弓明信監督が抗議するも判定は覆らず。一塁走者の新井貴浩はすでに三塁を回っており、誤審がなければ、阪神が5対2で3点差をつけて、さらに攻撃が続く場面であった。
この世紀の大誤審に、阪神ナインは落胆したのか、翌8回表、巨人が3点を奪って逆転。阪神は9回裏に1点を返したものの、4対5で不運の敗戦となった。
審判も人間。野球に誤審は付きもの。間違えることもあるだろう。問題は当事者の脇谷の発言だった。脇谷は「捕りましたよ。自分の中ではスレスレのところでやってますから。VTR? テレビの映りが悪いんじゃないですか」と主張。落球したことは、脇谷自身がいちばんよく分かっているはず。通常、このような場合、ノーコメントを貫くか、「審判のジャッジですから」といった発言にとどめておくのが常識。
このスポーツマンらしからぬ発言を聞いたファンは激怒。脇谷のツイッター、2チャンネルでは大炎上。巨人ファンでさえ、脇谷のウソつき発言に批判を口にしたほど。翌21日、甲子園球場での第1打席で、脇谷は当然のことながら大ブーイングを受けた。まさしく、口は災いの元とはこのことだ。
(蔵元英二)