「主に、医療用の新薬の実験台になる、というバイトが治験。今は主にネットで治験実施の情報を得られ、実施会社に応募すると、募集要項や申込用紙が送られてくる。競争率は高いこともある。ベッドに寝ているだけなので、健康な人なら誰でも出来るバイトだと思います(笑)。『頭痛が酷くなったらすぐ言って下さい』など恐ろしい説明を何度も受け、誓約書を書かされたりもする。報酬は、一か月の治験で30万円程度もらえることも」(体験者)という。
ところで、最も恐ろしい治験バイトとして、「骨折の治験バイト」、という噂がある…。これは、どういうものだろう。
「わざと腕などを骨折させ、その治療材や投薬の実験をする、という治験バイトがあるらしい。腕ひしぎ? いえ、麻酔をかけて万力などの器具を使って腕を折るので、安心・安全だそうです。当然報酬は天井知らず、と聞いている…」(実話ライター)
ネットに、『足を折ると60万円』『折った時の脳波を調べるために麻酔はかけない治験もある』『“痛くありません”が募集の売り文句』などという怪情報があった。
まさか、と思っていたが、“骨折治験”の存在する可能性を指摘するブローカー・A氏によると、「“骨折治験”が行なわれている可能性はかなり高い」(A氏)のだという。
「治験というのは、、新薬の承認の際には必ず行なわれている国家プロジェクト。だから、治験が行なわれていない医療分野は存在しない。ところが、治験の副作用や死亡などの治験のデータを国は一切持っていないんです。治験の実施そのものを病院と製薬会社に完全に任せ、医療の発展のために国家が黙認しているからでは?」(同氏)
いっぽう、治験を実施する病院・製薬会社側の対応はというと…。
「治験には、有害事象、という言葉があって、投薬の副作用を除くと、“治験中の器具を使った骨折”、というのは、代表的な有害事象として知られている。
例えば、骨の病気に治験のために未承認の内服薬を飲むほかにも、実験で医師が器具で負荷をかけたため骨折した、なんてことは、よくあるわけです。ある意味、都市伝説はほんとうでしょう(笑)。骨折系の治験は、とくに国の指導も後手後手に回っている分野なので、さらなる悲惨な骨折治験がほんとうに行なわれているかどうかも、闇」(同)
想像してみよう…。集まったバイト応募者に伝えられる、さらなる有志に骨折をさせて治験する事実。有志が連れられた別室に張り詰める緊張の空気。
「今から万力で骨を折りますからね」と、安心笑顔の美人看護師。
密室から響く治験希望者の悲鳴。その先に待っている高収入…。
ひとついえそうなのは、「骨折の治験バイト」の都市伝説としての輝きは、消えそうにない、ということだろう。