名古屋FIでは小川将人(愛知)の先行を差し、熊本FIでは辻力(石川)のまくりを差し、取手FI準決では弟子の西浦仙哉を使って快勝している。競りになったときの粘りはいままでのように粘っこくないが、どんな展開でもバックから仕掛けようという気力は凄い。
デビューしたのが昭和58年。父親・誠も追い込み選手として特別競輪では活躍した。当然のように父と同じ道を歩んだ。
昭和59年には地元松阪でA級優勝、昭和61年10月には豊橋でS級優勝した萩原は昭和60年の一宮オールスターからGI、GII戦に出場、同年の新人王でも(8)(3)(4)と優参して実力を見せる。平成4年の競輪祭では(3)(2)(2)(4)でついにGIの優参を果たした。決勝は吉岡稔真(福岡)の圧勝で終わったが、しぶとく4着に食い込んでいた。さらに平成10年の一宮オールスターを(3)(3)(3)で優参、山口幸二(岐阜)一丸安貴(愛知)馬淵紀明(愛知)の連係作戦で神山雄一郎(栃木)吉岡稔真を抑えて中部作戦を成功させ山口幸二のGI初制覇をアシストした。
萩原の良さは中部の連係をしっかり保つことだが、仮に中部の目標がない時でも、必ず仕掛けてくる。それだけにバンクの大きさは関係なし。33でも500でも仕掛けにかかり、粘っこいまくり追い込みで上位を脅かしている。
後輩の指導も熱心で日本選手権と全日本選抜を獲った海田和裕(65期)をコーチ、粘りのある先行に仕上げたし、先行一本で伏兵振りを見せる西浦仙哉(73期)の師匠でもある。
51期のS1は萩原の他に戸辺英雄(茨城)青木佳辰(愛知)の3人だけになってしまったが、その中で萩原は今年750万円(4月末現在)を獲得して、戸辺に100万の差をつけているほど頑張っている。
競走生活25年、295勝をあげている萩原、当面の目標は300勝。FI戦なら準決は勝てるだけに「目標到達」の日は近い。残念ながら高松宮記念杯の斡旋はないが、函館GIIIまで時間は十分、穴男ぶりを見せてくれるだろう。