プロ野球
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スポーツ 2020年08月17日 11時35分
阪神・藤浪が勝てない本当の理由 敵は相手打線以外にも? 次回登板次第では再び二軍落ちか
なぜ、阪神・藤浪晋太郎は勝てないのか…。4度目の先発チャンスをもらったが、初回裏に失点するなど広島打線の猛攻を食らい、敗戦投手となったのは8月14日だった。この敗戦を巡って、「藤浪の今後」に関する評価が二分している。矢野燿大監督の心中も分からない。 >>「藤浪さんに当てられる前に…」巨人公式SNS、阪神投手揶揄の動画アップ? 削除後も批判止まず<< 「14日の藤浪は『6回8安打4四球6失点』と散々な結果でした。次回ももう一度先発させるようですが、そうなると“因縁の相手”ということになります」(在阪記者) 藤浪をかばう側の意見だが、4度目の先発となった「14日」に着目していた。広島3連戦のカード初戦だ。初戦を獲る(勝つ)のと、落とすのでは雲泥の差がある。藤浪に初戦を任せたということは期待している証拠という。 しかし、「矢野構想からすでに外されている」とする意見には、反論できない点も多い。 「前々回の登板は8月5日。中8日も空いてしまったのは、二軍調整させていた他投手を戻すなどし、先発ローテーションを再編したからです。中8日も空いてしまうと、先発投手は調整が難しくなる」(球界関係者) それだけではない。14日は確かにカード初戦の重要な試合ではあるが、球場は京セラドームだ。 同球場は“因縁の場所”と言っていい。2017年4月4日(対ヤクルト戦)、相手バッターの肩付近にぶつけた死球が引き金となり、乱闘騒ぎに発展している。以後、制球難についても「イップス」が囁かれるようにもなった。改めて調べてみたら、15年3月29日以降、同球場での勝利はなかった。こんな相性の悪い球場で登板させるのは、気の毒である。 「乱闘寸前の騒ぎになった後の同年8月16日、同じ京セラで藤浪は広島の大瀬良にもぶつけています」(前出・同) 広島にもイヤな思い出があるというわけだ。 同球場での通算成績は3勝5敗(9試合登板)。試練を与えたと言えばカッコイイが、本当に復活させたいと思うのなら、通常ローテーションの中6日、勝率で相性の良い横浜スタジアムでの一戦に投げさせてやれば良かったのだが…。 矢野監督は勝てない藤浪に対し、解説者時代に出演していた関西のテレビ局による個別インタビューでこう答えていた。 「藤浪がいなくても、オレは日本一をめざす。藤浪がいたら(ペナントレースは)独走だけどね」 好意的に捉えれば、「自分の力で這い上がって来い」という意味だろう。 勝てない原因の一つに、味方打線の援護に恵まれないとの指摘もある。だが、それは藤浪自身にも理由があるという。制球難のピッチャーは自ずと投球数が増えていき、守っている野手の集中力を奪う。守備に就く時間が攻撃の時間よりも長くなれば、たとえ零点に抑えていても、試合主導権は握れないからだ。 こうした行き詰まっている状況を聞くと、矢野監督が救いの手を差し伸べてやれば、状況も変わるのではないかと思うのだが…。次回登板でも結果を出せなかった場合、再び二軍降格となるだろう。次回登板がラストチャンスのようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年08月17日 11時00分
ロッテ、レアードが腰痛治療のため一時帰国!再来日は「未定」
千葉ロッテは、ブランドン・レアード内野手が16日、アメリカへ一時帰国したと発表した。 レアードは4日のオリックス戦(大阪・京セラドーム大阪)の試合途中に、「腰の張り」を訴えたため交代。翌5日に登録抹消されていた。2015年に北海道日本ハムに入団。本塁打数は2015年が34本、2016年は39本、2017年は32本、2018年は26本と長距離砲の助っ人外国人として活躍。2016年には本塁打王、ベストナイン(三塁手部門)、日本シリーズMVPに選出されており、ホームランを打った際、ベンチで披露する寿司を握るポーズがファンに定着している。 昨年から千葉ロッテに移籍。139試合に出場し、打率.248、32本塁打、89打点と前年の日本ハム時代を上回り、ロッテの主軸として欠かせない存在となり、ロッテの明るいチームカラーともマッチし、寿司をイメージしたレアードの企画も次々と発表され、好評を得ている。今シーズンは39試合に出場、打率.233、6本塁打、15打点とコンディション不良もあってか不調が続いていた。球団によると再来日は「未定」とのこと。 現在、チームは首位が射程距離に入る3位と好調を維持しており、シーズン終盤に混戦となった場合、一発のあるレアードは必要な戦力になるだけに、しっかりと治してから復帰してもらいたい。 ロッテは16日、終盤に田村龍弘の勝ち越し打で日本ハムを相手に接戦を制している。(どら増田)
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スポーツ 2020年08月16日 17時30分
巨人・原監督、“背番号シャッフル”は期待の表れ? 19番・24番・8番…ファンも驚く継承劇が続出するワケ
巨人・田中豊樹投手が育成から支配下登録を勝ち取ったのは、7月26日だった。ファンをビックリさせたのは、田中に与えられた背番号が「19番」だったこと。原辰徳監督の期待の大きさも分かるが、「19番」は上原浩治氏、菅野智之が付けてきた特別な番号でもある。 ファンを驚かせた背番号の継承劇はほかにもある。今季、捕手の大城卓三が46番から24番に昇格している。今春キャンプ中の紅白戦だった。大城が打席に向かう際、球場アナウンスで、「4×6で24番」と紹介された。24番は前監督で第66代巨人4番バッターの高橋由伸氏が、さらに遡れば、主砲・中畑清氏、投手では“元祖クローザー「8時半の男」”宮田征典氏が付けていた。 「原監督が現役時代に付けていた8番ですが、仁志敏久氏が移籍した後は、谷佳知氏、片岡治大(現コーチ)、現在の丸佳浩と継承されました。外様選手ばかり」(スポーツ紙記者) 栄光の背番号なのに、継承が軽すぎるのではないだろうか。 19、24、8番とは直接関係ないが、某スカウトが背番号の決め方を教えてくれた。 「ドラフトで指名した新人選手とは入団交渉を進めながら、背番号も決めていきます。空き番号表を見せて選ばせるのですが、球団から勧める時もあります。新人選手が希望した番号でも、こちらから『やめておけ』と言う場合もあります」 全ての番号にあてはまるわけではないが、「2代続けて大成しない」というジンクスも球界にはある。その場合、“厄落し”で一旦、外国人選手や移籍加入選手に付けさせることもあるそうだ。 また、巨人では「エースナンバー・18番」について、こんなエピソードも残っている。 「杉内俊哉(現コーチ)が巨人と移籍交渉を重ねていた時でした。杉内側の代理人が『誠意を見せてくれ』と言ったんです。金銭面、待遇ではなく、自分を本当に必要としてくれる球団で投げたいという意味でした」(球界関係者) そして、18番を誠意の証として提示するにあたって、かつて18番を背負った歴代エースたちに連絡し、承諾を取った。誰一人として反対しなかったが、「わざわざ電話してくるなんて…」と、歴代エースたちは驚いたそうだ。球団として、本当に大切にしている背番号なのだろう。 「原監督はオフの間に背番号をシャッフルさせ、活躍した若手に若い番号を与えます」(前出・スポーツ紙記者) 巨人の永久欠番は1989年、王貞治氏の退団以降、出ていない。06年より永久欠番の背番号を記したユニフォームのパネルが外野スタンド支柱に飾られているが、若いファンはピンと来ないという。若い選手たちだが、前任者が活躍した背番号をもらうと「嬉しい」と思うのと同時に重圧にも感じるそうだ。 長期連覇ができなくなったこの時代、伝統も大事だが、背番号の継承は「期待」という未来形に変わりつつあるようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年08月16日 11時30分
広島・會澤もやられたらやり返す?「今シーズン1番かっこいい」指揮官も絶賛した阪神・上本の“死球リベンジ弾”
7月31日に東京ドームで行われた巨人対広島の一戦。試合は「2-1」で巨人が勝利したが、試合結果以上に話題となったのが巨人・畠世周の投球だった。 同戦に先発した畠は4回に広島・西川龍馬にソロホームランを浴びるも、それ以外の失点はないまま勝利投手の権利がかかった5回のマウンドへ。ところが、1死後に迎えた會澤翼に対し、2球目を頭部に当ててしまう。当てられた會澤に怪我はなくそのまま最後まで出場したが、畠はこの頭部死球で危険球退場となってしまった。 會澤は幸いにも試合後の報道でも怪我を負ったとは伝えられていないが、ネット上には「頭に当てて退場とか何やってんだよ、当てた會澤やチームの中継ぎに迷惑かけるな」、「相手に大怪我負わせるリスクもあるから、次はないように反省してほしい」といった批判や苦言が多数寄せられている。一部では「数年前に上本にも当てて退場食らってたよな」、「上本の時みたいに次の対戦でやり返されたりして」といったコメントも挙がった。 コメントで挙がっている「上本」は、阪神に所属する上本博紀。今シーズンは「11試合・.053・0本・2打点・1安打」と苦しんでいる選手だが、今から3年前の2017年シーズンに畠から頭部死球を受けている。 2017年9月30日、東京ドームで行われた阪神対巨人の一戦。阪神は初回、先頭の俊介が巨人先発・畠からいきなりツーベースを放ちいきなり得点のチャンスを演出。この場面で打席には、同戦に「2番・二塁」でスタメン出場していた上本。上本はランナーを送るためにバントの構えを見せていた。 しかし、バントの構えで頭を低くしていた上本の側頭部に、畠が投じた初球がすっぽ抜けて直撃してしまう。これを受け審判は即座に畠に危険球退場を宣告。畠がベンチに下がってから約1分後に上本は起き上がったが、出場続行はせず森越祐人と交代しそのまま病院へ直行した。 試合後、病院での検査の結果上本の負傷は軽い打撲のみにとどまったことが判明。また、大事には至らなかったからか、翌10月1日の試合前に畠から謝罪を受けた際には「うまく避けられなくてごめん」と笑顔で応じたことも伝えられた。 だが、話はここでは終わらない。同日の試合に「2番・二塁」でスタメン出場した上本は「3-2」と阪神1点リードの5回表1死で、この回から登板した畠と相対する。前日に頭部死球を受けた“因縁の相手”との対決ということで注目が集まったが、上本は初球を迷いなくフルスイング。打球は左翼席に飛び込むソロホームランとなり、阪神に貴重な1点が追加された。 同戦は上本の一発もあり、「5-4」で阪神が巨人に勝利。試合後、上本は何も語らずに球場を後にしたというが、金本知憲監督(当時)が「今シーズン一番かっこいい本塁打だった」、片岡篤史打撃コーチも「やられたらやり返すというのは簡単だけどかっこ良すぎる」と首脳陣がリベンジ弾を称賛したことが伝えられている。 今回會澤に死球を与えた畠は翌日以降の同カード2試合に登板してはいないため、會澤との“再戦”は最短でも8月21~23日の次カードまでお預けとなっている。上本と同じように會澤が一発でやり返すのか、それとも畠がリベンジを許さずに打ち取るのか。再戦が実現した際には大きな注目を集めることになりそうだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年08月16日 06時30分
ロッテ8.23マリンフェスタでユニホーム配布、広報室「当日もお楽しみに」
千葉ロッテマリーンズは、8月23日の福岡ソフトバンク戦(ZOZOマリンスタジアム、17:00試合開始)にて、2020年第2回マリンフェスタを開催し、マリンフェスタユニホームを来場者全員に配布することが決まったと発表した。 マリンフェスタは、毎月ファン感謝デーの開催をテーマとした2015年から続く、「マリーンズをもっと身近に、そしてもっと多くの人に応援してもらえるように」との想いで選手と球団がファンサービスに取り組む企画試合。“チバユニ”とともに定着している。 なお、マリーンズが当日着用する2020年マリンフェスタユニホームの背ネームには、1月12日~31日まで公式ホームページでファンから募集していた選手ニックネームが採用されており、応募総数は4086件に達した。 ちなみに、美馬学投手のニックネームは「MIMACCHI(みまっち)」に決定。MIMACCHIは「このニックネームは嫁からも言われています(笑)。結婚前も今もです(笑)。自分の中では今までにニックネーム入りユニホームは経験がなかったので、面白いですし、楽しみです」とかなりお気に入りの様子。各選手のニックネームは公式HPに掲載されている。 8月23日の福岡ソフトバンク戦では、マリンフェスタユニホームをビジター外野応援指定席を除いて配布するが、配布はLゲートを除く全ゲートにて開場時間と同時に開始する。(開場時間未定)。第2回マリンフェスタのイベント内容は後日発表予定とのこと。千葉ロッテマリーンズ広報室は「今年のマリンフェスタユニホームはシンプルでスマートでカッコイイと各方面から好評の声をいただいています。7月12日に行われました第1回のマリンフェスタも大好評をいただきました。次回もYouTube Liveなどを駆使した企画を考えています。当日を楽しみにしていてください」と第2回も成功に向けて自信がありそうだ。 観客制限はあるものの、真夏のマリンフェスタも盛り上がることだろう。(どら増田)
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スポーツ 2020年08月15日 11時30分
中日・岡林の“足から帰塁”に賛否も、大怪我を回避できた?「未だに痛い」25年後も後遺症が続く立浪の悪夢
2日にナゴヤドームで行われた中日対ヤクルトの一戦。「0-0」で両チーム引き分けに終わったが同戦だが、「1番・左翼」でプロ初スタメン出場した中日の高卒ルーキー・岡林勇希のプレーが物議を醸した。 >>エモやん、中日広島戦の判定に苦言「野球じゃなくなっちゃう」 アウト取消のクロスプレー、「會澤のタッチが甘すぎた」と反発も<< 問題となったのは、試合序盤の3回裏に飛び出たプレー。この回中日は木下拓哉、岡林のヒットで1死一、三塁のチャンスを演出。ところが、一塁ランナーの岡林はヤクルト先発・山中浩史の牽制に対し、セオリーのヘッドスライディングではなく立ったまま足で帰塁しアウトに。その後のリクエスト検証でも判定は覆らず、結局中日は無得点に終わってしまった。 牽制死がなければ得点の可能性も高かっただけに、ネット上には「ヘッスラで帰塁すれば難なくセーフだっただろうにもったいない」、「いくらルーキーとはいえ、こうしたボーンヘッドでチャンスを潰すのはいただけない」といった岡林への批判や苦言が多数寄せられた。一方、一部からは「ヘッスラには立浪みたいに厄介な怪我を負うリスクもあるからあまり責められない」、「立浪のような負傷につながらなくて良かったと思うしかない」といったコメントも挙がった。 コメントで挙がっている「立浪」は、1988年から2009年にかけ中日で活躍した立浪和義。現役22年間で「.285・171本・1037打点・2480安打」といった数字を残した名選手だが、現役中の1994年シーズンにヘッドスライディングによるアクシデントに見舞われている。 1994年10月8日、ナゴヤ球場で行われた中日対巨人の一戦。現在でも『10.8決戦』という名前で語り継がれているこの一戦はシーズン最終戦、そして勝った方がリーグ優勝という大一番だった。 同戦に「3番・遊撃」でスタメン出場した立浪がアクシデントに見舞われたのは、「3-6」と中日3点ビハインドで迎えた8回裏。この回先頭の立浪は巨人・桑田真澄に対しゴロを打つも、一塁へ全力疾走しヘッドスライディング。これがセーフとなり出塁に成功した。 ところが、立浪は一塁へのヘッドスライディング後、左肩を押さえてその場にうずくまってしまう。コーチやトレーナーに付き添われながらベンチに退いた立浪は、出場続行できず途中交代。その後チームも無得点に終わり、「3-6」で巨人にリーグ優勝を許してしまった。 試合後、立浪が顔をゆがめた左肩の負傷は脱臼だったことが報道により判明。立浪は小学4年生で野球を始めて以来一度もヘッドスライディングをしたことがなかったというが、同戦の緊張感、緊迫感からか普段より一塁ベースが遠く見えたためとっさに出たプレーだったという。 翌年以降もコンスタントに120試合以上に出場するなど、はた目には怪我の影響を感じさせないプレーを見せた立浪。だが、本人は後年に「翌シーズンも痛みが取れず引退まで続く後遺症になった」と、脱臼以降はずっと左肩の慢性的な痛みに苦しめられていたことをインタビューなどを通じて明かしている。 また、元大洋・横浜の高木豊氏が2019年8月12日に自身の公式ユーチューブチャンネルに投稿した動画にゲスト出演した際には、「(左肩は)未だに痛いですから。これがもう痛くて…」と、負傷から約25年が経過した現在でも痛みは消えていないことを告白している。 高卒ドラ5として入団したばかりの18歳の岡林は、帰塁時のプレーについてもまだまだ勉強や練習が必要な若手選手。試合後の報道では本人が「あの場面は絶対に頭から滑らなければいけなかった」と猛省したことが伝えられているが、厄介な怪我を負うリスクを回避できたのは不幸中の幸いだったのかもしれない。文 / 柴田雅人記事内の引用について高木豊氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCgr5CkgytiVfdnk4C0M42nQ
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スポーツ 2020年08月14日 17時30分
広島・堂林、プロ11年目の覚醒は本物? 好調続く“鯉のプリンス”、低迷するチームを救えるか
8月5日、堂林翔太は今季8本目の本塁打を記録した。その鮮やかな軌道は、カープの「プリンス」堂林の好調ぶりが表れていた。 初回、この日最初の打席では、ストレートをセンターにはじき返しチーム初安打を記録。その後、打線が安打を重ね先制のホームを踏んだ。今季初となる2番起用に応えた形となった。 続く見せ場は、7回の第4打席。内側に入った145kmの直球を捕らえると、打球は右方向へ高々と上がり、そのまま右中間スタンドへ。「手ごたえは十分だった」という第8号は、接戦の試合でのリードを広げる貴重なアーチとなった。 今季、ここまでの8本中、5本がセンターから右寄りの打球だ。元々、右方向へ飛ばす技術は持ち合わせていたものの、今季は特に右へ意識が強く伝わってきており、内角のボールでも逆方向へ運ぶシーンが目立っている。 プロ11年目、打率も3割を大きく上回るなど、今シーズンのここまでの活躍ぶりは、多くのファンから「覚醒」という言葉を用いられる程だ。何より、綺麗に広角に打ち分けるバッティングは野球ファンの心を魅了してやまない。 新人の頃より打撃センスを評価されながらも、レギュラーはおろか一軍定着さえままならなかったシーズンが殆どだった。年齢的にも中堅に差し掛かり、リーグ3連覇時にも堂林自身の活躍は殆ど見られなかったこともあって、ここ数年、オフにはトレード候補に名前が挙がっていた。 だが、今季のこれだけの活躍は、長年、ファンが描き続けた「未来の主軸」のイメージがようやく現実のものとなったと言えるだろう。 無論、真の主軸となるには、より多くの役割が求められる。 5日のヤクルト戦の勝利で、カープは初の3連勝を飾ったものの、今なお借金を抱えたまま下位に沈んでいる。打席では多くのファンの期待に応えることはもちろん、個人の成績のみならずチームを浮上させてこそ、真の主軸と言える。堂林の他、好調を維持する鈴木誠也、西川龍馬らが牽引する打線はチーム打率12球団トップを記録(.283 8月6日時点)。2年振りのペナント奪還へ向けてのチーム力も十分に備えており、シーズンを通して堂林がその中心に居続けなければならない。 その確かな素質もあり、プリンスという愛称で呼ばれて10年が過ぎた。ようやく打棒を開花させた今季、夏場以降さらにチームを上位に押し上げ、「王子」がより逞しさを増した時、次はどんなニックネームで愛されるだろうか。(佐藤文孝)
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スポーツ 2020年08月14日 11時30分
ヤクルト、山田の残留に勝算アリ? ファンも覚悟のFA移籍、“マネーゲーム”に太刀打ちできそうなワケは
スター選手同士による二遊間コンビが見たい――。今オフの国内FA市場の最大の目玉、それは東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手の去就だ。打率3割、本塁打30、盗塁30のトリプルスリーを3度も獲得し、高い出塁率も誇る。NPBナンバー1の二塁手と言っていいだろう。 「一時期はメジャーリーグに興味を示していたみたいだけど、今は挑戦したいという思いはないみたい。ヤクルト残留か、国内のどこかに新天地を求めるかの二択で間違いない」(ベテラン記者) フリーエージェント(以下=FA)権を行使するのも、間違いないだろう。昨年オフの契約更改で、球団は複数年契約を結ぶことに失敗しているからだ。 山田の推定年俸は5億円。新聞社発刊の選手名鑑を元に計算すれば、プロ野球界3位タイ。成績が突出しているとは言え、「FA退団する」と読む側の根拠は、「これ以上、高くなったら払えない」というものだ。一部メディアでは、原巨人へのFA移籍を既定路線のように伝えていたが…。 「2007年オフ、ヤクルトは4番バッターのラミレスとエースのグライシンガーを同時に巨人に引き抜かれました。ヤクルトナインの憤りは激しく、巨人戦では殺気立っていました」(前出・同) 山田は当時のことは知らない。昨年オフ、巨人は鈴木大地、美馬学のFA交渉に敗れている。「巨人一辺倒の時代は終わった」とも言える。しかし、意外なことに(?)、「坂本勇人と山田の二遊間コンビを見てみたい」というファンの声も少なくないのだ。 「きちんとしたアンケート調査がされたわけではありませんが、他球団のファンはそう捉えています。ヤクルトファンの間にも『諦め半分』でそんな風に…」(在京球団スタッフ) 好意的な声があるのは、侍ジャパンの影響だろう。代表チーム・侍ジャパンの常設が決定して以来、12球団の精鋭、看板選手が集まって一つのチームになる魅力はファンの間で確実に浸透している。お祭りムードのオールスター戦とは異なる真剣勝負だから、ファンも熱心に応援するのだが、こんな“弊害”も報告されている。 「他球団の選手と仲良くしすぎ。サインプレーなど、秘密が洩れなければいいのだが」 年長のプロ野球解説者の言葉だ。試合前、対戦チームの選手と仲良く談笑する光景も珍しくなくなった。年長者は、それに違和感があるそうだ。 「山田は坂本に憧れのような感情も持っています。近年の巨人はセカンドを固定できていないし、山田を欲しいと思うのは当然」(前出・ベテラン記者) 坂本との二遊間コンビが実現すれば、巨人、ヤクルト以外のファンも興味を持つだろう。 だが昨今、「資金力豊富なソフトバンク、巨人、楽天、オリックスなどとマネー戦争になっても、ヤクルトに勝算アリ」の声も出始めた。実は、ヤクルトの球団営業には海外で活躍してきたイベント事業のプロがヘッドハンティングされており、球場広告も確実に増やしている。2031年には新・神宮球場がお披露目される。11年も先の話で山田を縛ることはできないが、チケット販売力で“4度目のトリプルスリー”を目指すスター選手に相応しい昇給額も提示できるはずだ。 山田はFA権について何も語っていない。アレコレとウワサが交錯するのも、スター選手の宿命だろう。いずれにせよ、「坂本とのコンビが見たい」と移籍に好意的な声があったのは、ちょっと驚きだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年08月14日 06時30分
がんばろう神戸から25年…オリックス・ブルーウェーブ復活!
オリックスは新型コロナウイルスの影響で、開催日が延期となっていた「THANKS KOBE ~がんばろうKOBE 25th~」の対象試合を発表した。対象試合は次の通り。9月3日 福岡ソフトバンク戦9月15日 東北楽天戦9月16日 東北楽天戦9月17日 東北楽天戦9月18日 埼玉西武戦※球場は全て、ほっともっとフィールド神戸。 1995年1月17日、当時オリックス・ブルーウェーブの本拠地神戸を襲った未曽有の大地震「阪神・淡路大震災」。その年、「がんばろうKOBE」を合言葉にブルーウェーブはリーグ優勝、翌年には日本一に輝き、復興のシンボルとして神戸市民とともに戦った姿は、現在も語り継がれている。 あれから25年、そして球団としては神戸移転30年の節目を迎える2020年シーズン、ほっともっとフィールド神戸で行われる全試合を対象に「THANKS KOBE ~がんばろうKOBE 25th~」を開催する。試合日当日は、バファローズの監督・コーチ・選手が、1995年当時のオリックス・ブルーウェーブの復刻ホームユニフォームを着用して戦う。 これまでも何度かブルーウェーブの復刻試合を開催して来たオリックスだが、今年は節目の開催とあって、盛大に行われることになりそうだ。既に復刻グッズや、神戸のスタジアムをモチーフとしたグッズの販売も決定しており、当日は懐かしい企画が見られるのは間違いないだろう。 この時期にオリックスが優勝争いに加わっていれば、あの頃のような緊張感溢れる試合が楽しめるはずだ。(どら増田)
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スポーツ 2020年08月13日 17時30分
DeNA・平良は大儲け? 過去のベイスターズ人的補償を振り返る
2016年オフの山口俊のFA移籍に伴う人的補償で、ジャイアンツからベイスターズにやってきた平良拳太郎。今シーズンはすっかりローテーションで活躍し、山口俊は昨年最多勝に輝き今シーズンからメジャーに活躍の場を求めた。長い目で見れば若い平良が、これからベイスターズを背負ってくれる可能性が高いが、常勝を命じられているジャイアンツにとって短期間でも優勝に貢献した山口は合格点だろう。総合的にはお互いに悪くない話だったのかもしれない。 ベイスターズからFA移籍し、人的補償が生じたケースは上記を含め3件あり、くしくも全てがジャイアンツとの間で成立している。過去2ケースを振り返りたい。 まずは2006年オフ、チーム最多の10勝を挙げた門倉健との交渉が決裂し、ジャイアンツへFA移籍。高齢、高年俸が理由でリストから外れていた工藤公康を獲得した。2007年、工藤は7勝6敗、防御率3.91で、23年連続勝利の記録もマークしチームに貢献。しかし翌年は未勝利、2009年はリリーフに回り46試合に登板し2勝3敗。この年でチームを去った。暗黒時代に“ハマのおじさん”として話題も集めたことも含め、見えない部分でも貢献度の高い選手だった。結果門倉はジャイアンツの2年間で1勝だっただけに、ベイスターズにとってはいいケースだった。 2011年オフにはチームの顔だった村田修一がジャイアンツへ移籍し、ベテラン左腕・藤井秀悟を獲得。2012年は6連勝を含む7勝を挙げ活躍し、翌年には開幕投手も務めた。最終的に6勝5敗の成績だったが、2014年には公式戦出場ゼロで現役引退となった。対する村田はジャイアンツでも活躍したが、藤井は現在、球団広報兼バッティングピッチャーというまれな立場として裏からチームを支える存在にとなっているだけに、損得では語れないケースとも言えそうだ。 時に残酷ともとれる人的補償での移籍。この3件ともベイスターズは所属選手がFA宣言したケースでマイナスイメージが先行するが、うまい人選で編成上でも金銭面でも、全く悪くないチョイスをしているといえるか。 親会社がDeNAに代わり「横浜を出る喜び」とやゆされることもなくなってきた昨今、理想とされる生え抜き中心のチーム作りができてきた。ただ少し前まで、FAの草刈り場だったこともあるのも事実なのだ。写真・取材・文 / 萩原孝弘
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2020年01月10日 11時40分