プロ野球
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スポーツ 2020年04月28日 11時35分
中日・根尾、レギュラー争いは勝ち抜けない? 先輩ドラ1と重なる状況、高校時代の強みが生かせないワケ
テレビ電話、電話による取材。選手たちはグラウンドに出ての自主練習を再開させたが、野球報道における取材状況は元通りにはなっていない。選手たちもネット上で個々にメッセージを発信している。通常のシーズンとは全く異なる光景ばかりだが、選手たちには、「考える時間」もたくさんあるようだ。 日時は少し異なるが、中日ドラゴンズの“新旧・地元スター”が別々のメディアで「野球観」を語っていた。 岐阜県出身の根尾昂が電話での代表取材に答え、「苦しいことも経験した。振り返りたくないぐらい」とルーキーイヤーだった昨季を振り返った。昨秋から挑戦している外野はいつの間にか頓挫してしまった。今春キャンプ後の対外試合で、打球の勢いを見誤り、頭上を超えていく場面もあった。草野球でありがちな“バンザイ”というやつだ。オープン戦中盤以降、内野守備に戻っているが、正遊撃手の京田陽太には及ばない。根尾は球団が原則としている「高卒選手は4年間」という、寮生活を大事にしながら成長していきたいと語っていた。 「根尾は誰かに教わりながらというよりも、自分で考えながら練習している感じ。まあ、プロ野球選手の場合、自分で考えて行動しなければならないので、根尾だけが特別ではありません」(球界関係者) また、地元・愛知県出身の高卒ドライチだった堂上倫直が代表取材に応じ、兄・剛裕氏が今季から球団職員として中日に帰って来たことを喜んでいた。 堂上はイチローや兄と同じ愛工大名電高のOBでもある。しかも、ドラフトでは巨人、阪神との競合となって引き当てた経緯もある。ファンの間では有名だが、巨人が堂上を外したあと、再入札した1位選手が坂本勇人であり、プロ入り後は完全に評価が逆転してしまった。 「当時の中日の二遊間にはアライバコンビ(荒木雅博・井端弘和)がいたので、そこに割って入るのは並大抵のことではありませんでした」(地元メディア) 若手時代の堂上と今日の根尾が重なってくる。堂上が堅守のアライバコンビに跳ね返されたように、ショートの定位置獲得を目指す根尾には京田が立ち塞がっている。現時点での根尾と京田だが、その守備力は比較するまでもないだろう。外野、セカンドなど試合に出られる可能性があるポジションも練習しながら、自己アピールを続けていくしかないのだが、こんな声も聞かれた。 「若手時代の堂上も、自分で考えて練習していました」(前出・同) 根尾に対してもそうだが、コーチが何も教えないという意味ではない。強化すべき箇所を見誤ればきちんと指摘する。定位置を巡るライバル争いに負けたと言えばそれまでだが、ポジションを変更させてでも使いたいと思わせるプラスアルファーが見つけられなければ、現状打破はないのだ。 「与田剛監督は投手出身なので、守備の話になると、実はうるさいんです。投手が相手バッターを打ち取ったと思ったら、味方野手がエラーしたなんてことになったら、ピッチャーは精神的に落ち込みます。守備でのミスを減らせば、根尾も使ってもらえるはずです」(前出・関係者) 根尾は高校時代、守備の巧い選手で知られていた。しかし、プロ入りしてから守備で苦労する選手がいるような気もする。なぜだろう…。 今さらだが、中日ファンは地元愛が強い。強すぎる地元愛も、お膝元出身の選手のプレッシャーになっているようだ。根尾が先輩のしくじりを踏襲しなければ良いのだが…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年04月27日 21時30分
総課金額はついに100万越え? ダルビッシュ、プロスピのガチャに28万円以上を支出 「下手したら50万超える」の声も
カブス・ダルビッシュ有が自身の公式ユーチューブチャンネルに投稿している、野球ゲームのスマホアプリ『プロ野球スピリッツA(プロスピA)』の23日分からの動画が話題となっている。 『プロスピA』はNPBの現役・OB選手やMLB日本人選手を入手・育成してチームを作り、他のプレイヤーと試合などができるゲームアプリ。ダルビッシュは昨年12月20日のアプリ開始から現在(27日午後6時半)までに、『プロスピA』に関する動画を自身の公式ユーチューブチャンネルに62本アップ。ゲーム内の有料ガチャには、62本合計で100万円以上を消費している。 その『プロスピA』では4月23日から、各球団から1名ずつピックアップされたNPBの現役選手・コーチ計12名のキャラクターが、全盛期の能力で登場する有料ガチャがスタート。ダルビッシュは23日に投稿したユーチューブ動画内で、この12名の中から西武・松坂大輔、ソフトバンク・杉内俊哉(現巨人二軍投手コーチ)、日本ハム・小笠原道大(現日本ハム一軍ヘッド兼打撃コーチ)の3名を狙うと宣言した。 ゲーム内の有料ガチャを引く動画を同日から27日までに8本投稿し、2本目の動画の概要欄には「今回が一番お金使う羽目になるかも。。」と記載したダルビッシュ。その予想通り、8本合計で約28万円をガチャに消費するも、狙いの中で引き当てたのは杉内のみ。松坂、小笠原の両名はゲットできなかった。 ただ、ダルビッシュは27日に自身の公式ツイッターアカウントに投稿し、ユーチューブ動画の撮影外で引いたガチャで松坂をゲットしたことを報告。これで残る狙いは小笠原だけとなっている。 一連のユーチューブ動画やツイッター投稿を受け、ネット上には「前回の30万超えるのは確実だな、あの時も大概引けてなかったけど今回の方がヤバそう」、「後は小笠原だけだから出るまで意地でもガチャ引くだろうな、下手したら50万超えるんじゃないか」、「人によって本当に出方が違う、自分は小笠原3回も出たからダルさんに1人あげたい」といった反応が多数寄せられている。 ダルビッシュは2月28日~3月6日にかけ、ゲーム内に登場した自身のキャラクターを手に入れるためにガチャを回す動画を7本投稿。約30万円を投じた末に自身を引き当て大きな話題を呼んでいる。ただ、今回の消費額は既に28万円を超えていることもあり、多くのファンが前回以上の消費額になると予想しているようだ。 27日の動画では、4月だけでチャンネル登録者が6万人近く増えたと発言しているダルビッシュ。現在(27日午後6時半)のチャンネル登録者数は18.7万人となっているが、チャンネル登録者数・総消費額ともにまだまだ伸びていきそうだ。文 / 柴田雅人記事内の引用についてダルビッシュ有の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCn69pO-Cpt_fQVOnfIq9qbgダルビッシュ有の公式ツイッターよりhttps://twitter.com/faridyu
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スポーツ 2020年04月27日 19時50分
巨人・阿部二軍監督、上原氏に選手生命を救われた?「イップスに陥った」衝撃暴露の秘蔵映像に、ファンからも驚きの声
25日放送の『SPORTSウォッチャー』(テレビ東京系/午後10時半~)の内容が、ネット上のプロ野球ファンの間で話題となっている。 今回番組では昨年12月に収録され、今年1月3日に『再会~今だから言える、聞ける、話せること~』(BSテレ東/午後9時~)で放送された巨人・阿部慎之助二軍監督と元巨人・上原浩治氏の対談をVTRで再放映した。その対談の中で、阿部二軍監督は上原氏とのエピソードを明かしている。 巨人一筋(2001-2019)で現役生活を送った41歳の阿部二軍監督と、巨人(1999-2008,2018-2019)、オリオールズ(2009-2011)、レンジャーズ(2011-2012)、レッドソックス(2013-2016)、カブス(2017)でプレーした45歳の上原氏。両者は2001年から2008年、2018年から2019年の計10年間共に巨人でプレーし、2002年には2人で最優秀バッテリー賞を受賞した経験も持っている。 阿部二軍監督によると、自身がプロ1年目の時はファンやマスコミから批判を浴び続けたとのこと。そして、それが原因で「投げるのもサイン出すのもイップスになった」という。 “イップス”とは、緊張や不安などにより自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のこと。2015年にはヤクルトの2007年ドラフト1位・増渕竜義が、イップスが原因で27歳の若さでの引退を余儀なくされるなど選手生命を脅かす症状として知られている。 「この前こうやって打たれたな」などと考え込むうちに投手への返球や二塁送球、さらには投手とのサイン交換でもミスが目立つようになったという阿部二軍監督。ただ、上原氏が「いいよ、もうこの辺に投げてこい!」とミスを責めずに受け入れてくれたことで気持ちが救われたという。 また、阿部二軍監督は上原氏に精神面で助言を求めた際、「なるようにしかならん」と言われたことも告白。この言葉を聞いて「こういう大投手でもそう思って投げてるんだ」、「死ぬわけじゃないしな。なるようにしかならないよな」と開き直ることができ、イップスの克服につながったという。 一連の発言を聞いた上原氏は、「何も練習してない奴に『なるようにしかならん』と言っても絶対何もならない」と補足。「(阿部二軍監督は)そこまで練習をちゃんとしてたからそう思える」と語っていた。 番組では今回の対談VTRが再放映であるとの説明はされておらず、テロップによる説明もなかったが、ネット上には「対談したのは知ってたけどBSは見れなかったから、地上波で再放映してくれて嬉しい」、「何で1月にやった内容をまたやってるのかと思ったけど、開幕延期中だから野球のコーナーは再放送でもありがたいな」、「他のメディアも過去のインタビューとか対談とか再放送してほしい、ノムさん(野村克也さん)のインタビューとかだったら絶対見るよ」といった喜びの声が多数寄せられている。 対談が収録された昨年12月から状況は一変し、新型コロナウイルスの影響により現在も開幕延期が続いている球界。各球団は感染防止のため報道陣の取材を大幅に制限し、その影響でファンが野球のニュースや特集を目にする機会も減っている。今回の再放映は、野球に“飢えた”ファンのためを思っての決断だったのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年04月27日 17時30分
DeNA・乙坂「スキルアップできる時間が増えた」 ポジティブに自分を磨き来たる開幕へ
昨年自己最多の97試合に出場し、CSでも土壇場でホームランを放つなど印象に残る活躍を残した乙坂智。自主練習が続く現状にも、ポジティブに捉えてトレーニングに精を出している。 この期間に「前日の夜にしっかりと次の日の計画を立てる」ことを念頭に置き、「なんとなく1日を過ごす」ことを防ぎ、時間の有効利用を図る。 昨年の開幕時点では、厳しい外野手争いに敗れるような形となり2軍スタート。4月下旬からは最後まで1軍で躍動したが、「年間を通じて高い水準でパフォーマンスを発揮するために」と、オフにはアメリカに渡りトレーニングを敢行。オープン戦でも3割を超える打率を残し、練習試合でもスタメン起用されるなど、首脳陣の評価も上がっていた。 照準を絞っていた3月下旬の開幕は延期されたが、「モチベーションが下がることはありません。自分のスキルアップが出来る時間が増えたことをプラスに捉えています」と、ポジティブに捉える。「昨年できなかったこと」の改善をオフに掲げていたが、具体的には「スイングの精度と変化球への対応力」だったようで、「3月のオープン戦で経験した実戦感覚を元に、今は基本練習を大切にして、短期間でも集中する」ことを大切にしているようだ。 自宅にいる時間も増えている状況にも、「部屋で素振りするために畳を購入」し、「素足で振ることで感覚を確かめている」と工夫。「ロビンソン・カノ、クリスチャン・イエリッチ、コディ・ベリンジャーなどのMLB選手」の動画をYouTubeで研究し、コービー・ブライアント(元NBA、故人)の本を読むなど、STAY HOMEならではの時間を過ごしている。 横浜高校直属の先輩で、兄のように慕っていた筒香嘉智が今年からメジャーに旅立ったが、野球に取り組む姿勢だけではなく、「自分だけではなく周りを思いやり、感謝を忘れない気持ち」も引き継ぐ。クールな外見とは裏腹に、動物好きでボランティア活動にも取り組む優しい好青年の乙坂は、横浜高校時代から度々足を運んでいた横浜スタジアムで輝く姿をファンに届けるため、ポジティブに己を磨き続ける。取材・文 ・ 写真/萩原孝弘
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スポーツ 2020年04月27日 17時00分
ソフトB・東浜「本当に開幕するのか」 長引く延期への不安を吐露 “3勤1休”で不足する練習、ブルペン投球もできていない?
ソフトバンク・東浜巨が25日、チームOB・斉藤和巳氏が同日に自身の公式ユーチューブチャンネルにアップした動画に出演。新型コロナウイルスの影響により開幕延期が続く現状について言及した。 当初の予定でいけば、3月20日の開幕戦で開幕投手を務めるはずだった東浜。本動画にはテレビ電話でリモート出演し、現在の練習や自身のコンディションの現状を語った。 現在は3勤1休のペースで、本拠地「福岡PayPayドーム」で調整を行っているという東浜。具体的な開幕日が決まっていないことから、「本当に今年開幕するのかな」という気持ちを抱えながら調整を行っているという。 また、「(担当)スタッフがいないので、ブルペンに入ったりもできない状況」だといい、ボールを投げる練習はキャッチボールのみにとどまっているとのこと。さらに、限られた時間が投手と野手で分かれているため、ランニングや筋トレも含めた練習メニューの時間配分は、毎回自分で決めないといけないという。 近日中にブルペンキャッチャーが練習に合流予定のため、合流後はブルペンでの投げ込みを重ねるつもりだという東浜。ただ、開幕の目途が立っていないこともあり、コンディション面は「(本格的に)肩の状態を上げる段階にはまだ来ていない」という。 他の選手同士でも、「(開幕)どうなるんだろうねって、みんなで予想したりはしている」という東浜。「今も休みはいらないくらいに思ってる」、「気づいたら家の中でシャドー(ピッチング)やってる」と体力を持て余していることを語っていた。 今回の動画を受け、ネット上のファンからは「キャンプから仕上げてきた状態も、延期続きでほぼリセットされてそう」、「ブルペンに入れないのはキツいな、その分投球の感覚も衰えるだろうし」、「開幕日が決まらないと、日程を逆算してコンディション整えたりもなかなかできないよね」といった反応が多数寄せられている。 プロ入りからソフトバンク(2013-)でプレーする29歳の東浜と、ダイエー・ソフトバンク(1996-2013/2011-2013はコーチ扱い)で現役生活を送った42歳の斉藤氏。両者は2013年シーズンに共にソフトバンクに所属した経験を持っている。 東浜を含めた全選手が、先の見えない状況の中で調整を続けている球界。開幕日が決まれば状況は好転することが予想されるが、果たして正式決定はいつになるのだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について斉藤和巳氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCPZTIne5_lbA02WroeXhJtQ
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スポーツ 2020年04月27日 11時00分
ロッテ、引き続きチームの活動休止を発表!自主練習のガイドラインも決定
千葉ロッテは26日、新型コロナウィルスの感染拡大で7日に政府より緊急事態宣言が発令されたことを受けて、引き続きチーム活動を休止すると発表した。 球場で体を動かす事を希望する選手には、自主練習として3密を最小限にすることを前提に最少人数で感染防止策を徹底しながら、27日よりZOZOマリンスタジアムおよび、ファームの本拠地である浦和球場を使用可能とし、球団広報によると、「不要不急の外出は引き続き、行わないように指示をしています」とのこと。 また、自主練習実施に伴うルール、感染防止策のガイドラインも発表している。自主練習はZOZOマリンスタジアムおよび浦和球場で行われ、マリン、浦和ともにA組5グループ、B組5グループの10グループ(1組4名)で両球場合わせて20グループを構成。A組とB組は一日交代で練習を行う。 グラウンド、室内にて同時に練習できる選手は2名まで、ウェートトレーニング場での練習は1名のみとし、着替え場所は1グループ4名を2名、2名で別の場所を使用。練習時間はマリン、浦和ともに入場から退場まで合わせて2時間以内の練習で、2日に1回。練習時間は朝8時から夕方6時まで。A組は27日からで、次は29日。B組は28日からで、次は30日という感じにしっかりと分けるとのこと。 練習は毎朝、選手に義務付けている体温測定などのコンディションチェックを行った上で、メディカル部門が体調に問題ないと判断した選手のみ参加可能とし、自主練習の参加ないし不参加は自由だが、選手が振り分けされた組以外の別の組の時間帯、球場で練習を行う事は禁止とする。ウェートトレーニング場は同時に使用せず1名のみの利用とすることで密接禁止を心がけ、換気、消毒を徹底。自主練習のため監督、コーチは指導を行わない。スタッフによる練習補助も行わず、スタッフは自宅待機する。 スタッフはマネージャーおよびメディカル部門のみが立ち会い、選手の健康状態をチェック。食事の提供もしないことで、感染を徹底的に防止する考えだ。 各球団、感染防止のためいろいろな策を打ち出しているが、ロッテも開幕を見据えて自主練習を継続していく。(どら増田)
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スポーツ 2020年04月26日 11時00分
大谷、外崎は望み薄も楽天・銀次に達成の期待? 歴史上で2名のみ、全ポジションで出場したユーティリティープレイヤー
プロ野球の世界で、複数ポジションを守れる選手のことを指す言葉である「ユーティリティープレイヤー」。選手起用の幅を広げられる存在として、首脳陣に重宝されている選手も少なくない。 最近では内外野5つのポジションを守れる西武・外崎修汰や、投手・外野手を兼任する“二刀流”のエンゼルス・大谷翔平(日本時代は日本ハム)が代表的な選手であるユーティリティープレイヤー。しかし、過去には投手・野手を含めた全9ポジションに出場した究極のユーティリティープレイヤーとも呼べる選手がいる。 南海(1964-1971)、日本ハム(1972-1976/前身含む)、ロッテ(1977-1982)の3球団でプレーした74歳の高橋博士氏は、日本ハム時代の1974年9月29日南海戦でプロ野球史上初の全ポジション出場を達成。高橋は当時の球団社長・三原脩氏(故人)が発案したファンサービスとして、同戦で全9ポジションを1イニングごとに順番に務めた。 もともとは捕手として南海に入団したが、当時チームに在籍していた野村克也氏(故人)の存在もありそれまでも遊撃、三塁など内野の複数ポジションで出場を重ねていた高橋。使い勝手の良さを武器に通算で「1288試合・.254・60本・314打点・790安打」といった数字を残している。 ロッテ(1991-1997)、オリックス(1998-2001)、近鉄(2002-2003)の3球団に所属した52歳の五十嵐章人氏は、オリックス時代の2000年6月3日近鉄戦で高橋以来2人目の達成者に。高橋は1試合の中で達成したが、五十嵐はそれまで投手を除く全てのポジションで出場経験があり、これを知っていた当時の監督・仰木彬氏(故人)が同戦の8回裏に投手として登板させたことで記録達成となった。 近鉄時代の2002年には、こちらも珍しい「全打順本塁打」(史上6人目)を達成してもいる五十嵐氏。現役通算で「870試合・.234・26本・171打点・422安打」をマークし、引退後はソフトバンクや独立リーグで監督・コーチを歴任している。 全ポジション出場を達成した以上の2名を見ると、どちらも複数ポジションを守れることを受けたチーム上層部の意向により記録を達成する形となっている。常日頃から「どこでも守れる」という印象を周囲に与えることが記録達成のカギを握るといえそうだ。 ただ、いくら複数ポジションを守れるといっても、投手、捕手のポジションに関しては“延長戦が長引き選手を使い切った”、“早々とリーグ優勝、CSを逃し消化試合となった”というような個人では左右できない要素が絡まないと出場は難しい。延長戦はともかく消化試合の面で考えると、常に優勝争いを展開する強豪よりはBクラスの方が多いチームの方が達成者を輩出する可能性は高いのかもしれない。 これらの点を踏まえ、現役で達成の可能性がありそうなのはヤクルト・藤井亮太と楽天・銀次の2名。両名ともこれまで内外野の複数ポジションを務めた経験も持つ上、藤井は2014年、銀次は2019年に既に捕手出場を果たしている。今後のチーム状況次第だが、記録達成にも十分期待が持てるのではないだろうか。 五十嵐氏が達成して今年で20年が経つこの珍記録だが、果たして今シーズン3人目の達成者が誕生するようなことはあるのだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年04月25日 17時00分
巨人・ソフトBにBクラス転落の可能性? ファンも落胆の交流戦中止、“嬉しい誤算”となるチームも
2005年にスタートし、昨シーズンまで毎年実施されていたプロ野球交流戦。17日、新型コロナウイルスによる開幕延期の影響で、今シーズンは中止されることが決定した。 ネット上のファンからも「状況を考えたら仕方ないけど楽しみが1つ減った」、「これでセ・リーグとパ・リーグの真剣勝負は日本シリーズだけか」といった落胆の声が数多く寄せられている交流戦の中止。ただ、こうしたファンの思いとは裏腹に、今回の中止が追い風となりそうなチームもある。 交流戦の中止が最もメリットとなりそうなのはDeNA。昨シーズンこそ全体4位と健闘したが、過去15年では5度の最下位。過去15年の通算成績も「139勝207敗8分・勝率.402」と大きく黒星が先行し、パ・リーグ全球団に負け越してもいる。 また、リーグ首位で迎えた2015年は「3勝14敗1分・勝率.176」で交流戦歴代最低勝率での最下位に。この不振が大きく響き、その後のリーグ戦でも最下位に沈んでいる。2016年から続くラミレス政権下ではAクラス3回とセ・リーグでは好調だが、苦手の交流戦がなければ2015年のようにリーグ戦で大失速するリスクが減るため、1998年以来のリーグ優勝にも大きく近づくだろう。 DeNAと同じく、中止の恩恵を受けそうなのが中日。通算成績は「171勝173敗10分・勝率.497」とほぼ5割だが、これは過去の貯金によるものが大きく、ここ5年は全12球団で唯一6位以上がなしと苦戦を強いられている。中日はこの5年を含め昨シーズンまで7年連続Bクラスと低迷しているが、過去5年で「38勝51敗1分・勝率.427」と大きく負け越した交流戦の中止が浮上のきっかけになるかもしれない。 一方、交流戦の中止が大きな痛手となりそうな球団も存在する。昨シーズンを含めてこれまでに8度の優勝を誇るソフトバンクは、通算成績が「214勝126敗14分・勝率.629」と全体トップでセ・リーグ全球団から勝ち越し中。開幕直後は不調でも得意の交流戦で成績を持ち直し、その勢いのままリーグ戦で優勝圏内に浮上するという年も多いが、それがなくなったことで予想外の不調に陥る可能性は決して少なくない。 昨シーズンセ・リーグ優勝の巨人も、中止で悪影響を受けそうな球団といえる。巨人はセ球団では唯一交流戦を2度制しており、通算成績も「181勝164敗9分・勝率.525」とセでは1位。交流戦で他のセ球団に差をつけ、その後のシーズンを優位に進めることも少なくなかっただけに中止は誤算といえそうだ。 過去15年の交流戦では、全体1位になったチームがリーグ優勝を果たしたケースが7回ある。それだけレギュラーシーズンに与える影響が大きいといえるが、果たしてその交流戦がなくなった今シーズンはどのような展開となるだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年04月25日 11時30分
DeNA、“1番・センター”は誰の手に? 神里・桑原・梶谷、自主練習中のそれぞれの取り組み
ほぼレギュラーが固まっていたベイスターズにあって、混沌を極めていたポジションが“1番・センター”。開幕が未定となっている今、レギュラー候補の有力3名が、自主練習中の取り組みを明かした。 2016年シーズン途中から2017年シーズンまで、不動のレギュラーの座を掴んでいた桑原将志は、限られた時間の中でショートダッシュなど瞬発力系のトレーニングを組み入れることで、「身体のキレを落とさないようにする」ことに重点を置く。さらに、「身体の柔軟性を失わないように」心がけており、自宅でも「ストレッチを多く取り入れている」と明かす。来たるべき日に向けて「ベストに近いパフォーマンスを出せる」ように日々を過ごしている。 その桑原から2018年、ルーキーイヤーの開幕直後よりレギュラーを奪った神里和毅は「ウエイトトレーニングなどで身体を作り直し、さらなるパワーアップを」狙うと共に、「打撃練習で量を打つ」ことにも取り組んでいる。「調子の良かった去年の春先の感覚を思い出しながら、打席で構えた時に右肘にゆとりを持って」マシンを相手に打ち込む。自宅では「バランスボールなどで体幹を鍛え」、YouTubeでは「イチローさんの打ち方を見て」参考にしている。 右肩の手術から完全復活を目指す、筒香嘉智と共に新生DeNAベイスターズの顔だった梶谷隆幸は「気持ちの持ちようを大切にしています。限られた時間と場所の中で、モチベーションを高くキープ」すると、メンタル面を重要視。バッティングは「自主トレから変えることなく、同じメニューを実施」し、「打撃はずっと調子が良かったので、いい感覚を維持できるように」と、開幕に向けて順調だったコンディションキープに努める。自宅でも「素振りやストレッチ」を欠かさずに過ごしているようだ。 オープン戦、練習試合で、当初レギュラー筆頭と見られていた神里は、オープン戦序盤は不調であったが終盤に向かうにつれて調子を上げ、桑原は抜群の守備力と、積極性を持ちながらもフォアボールを選ぶなど、打席でもクレバーな面も見られた。梶谷は逆方向にホームランを放つなど、持ち前の爆発力を遺憾無く発揮し完全復活をアピール、三者三様の活躍を見せていた。 ほかにも、乙坂智や楠本泰史などの実力者が揃う、外野は層が厚いポジション。ただ、レフトの佐野恵太とライトのタイラー・オースティンは当確ランプが灯っているだけに、センターの一枠を争う状況は、自主練習中も水面下で続いている。いつになるかは不透明だが、開幕時にスタメン発表で最初に誰の名が呼ばれるのだろうか。1日も早くその日が来ることを祈っている。取材・文・写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2020年04月24日 18時20分
コロナ謝罪の藤浪を阪神OBが擁護?「暖かい目で見て」にファンから批判の声「詳細話さずに逃げ切る気か」
元プロ野球選手の今成亮太氏が23日、ラジオ番組『ラジオで虎バン』(ABCラジオ)に生出演。阪神・藤浪晋太郎について言及した。 藤浪を含む阪神の7選手は、3月14日に知人5人と共に知人宅で行われた食事会に参加。その後、同月27日に藤浪、伊藤隼太、長坂拳弥の参加3選手が検査の結果、新型コロナの陽性反応が出たことを球団が発表した。なお残り4名については現在(24日午後4時)まで、球団は詳細を公表していない。 3名は同日から治療のため入院していたが、伊藤が今月5日、藤浪が7日、長坂が8日にそれぞれ退院。その後23日に3名はそれぞれ球団事務所で会見を行い謝罪したが、ネット上のファンからは「これからはプレー面で信頼を取り返してほしい」、「どれだけ迷惑かけたか本当に理解してるのか?」といった賛否の声が噴出している。 14日から2週間の期間限定で、『ラジオで虎バン』にレギュラー出演している今成氏。藤浪らの会見を受けて「藤浪とは友達みたいな間柄で本当に心配してたので、まず『良かったな』というのが第一声です」と同番組内でコメントした。 今成氏は、2013年から2018年まで藤浪と共に阪神でプレーした元同僚。「色々な方に迷惑をかけたことは、藤浪自身が一番分かってることだと思う」と、本人の心情を推測した。その上で、「今後は温かい目で藤浪を見てもらって(ほしい)。藤浪はキャンプで状態が良くて僕も期待してるので、みんなで応援してあげましょう」とファンに呼びかけた。 今回の放送を受け、ネット上には「延々と叩いても仕方ないから、結果で恩返ししてくれることを期待して応援したい」、「これからは練習や試合にとにかく真面目に取り組んでほしい、そしたら周囲の見方も変わるよ」といった賛同の声が多数寄せられている。 一方、「食事会の詳細話さずに逃げ切る気か、それなら今後も応援はできない」、「コロナ禍の中遊びに行く時点で自覚がないんだから今後も期待できない」、「そもそもダンマリなままの球団が一番おかしい、選手が矢面に立ったんだから球団も説明責任を果たせ」といった批判も複数見受けられた。 「藤浪ら3選手の感染判明から現在まで、球団は食事会の詳細や参加した残り4選手の名前を明かしておらず、3選手も会見の中で言及してはいません。今回の会見で感染の件には一応の区切りがついたため、球団や3選手が食事会についての詳細を明かすことは今後もないと思われますが、ファンの不信感は未だ根強いためこれからも事あるごとに批判を浴びる可能性は少なくありません」(野球ライター) 藤浪ら3選手は24日から、自主練習に参加すると伝えられている。ただ、当人たちや球団への批判はもうしばらくくすぶり続けるのかもしれない。文 / 柴田雅人
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