中国代表が2018年W杯ロシア大会のアジア最終予選へとコマを進めた。
「1次予選の段階から薄氷の勝利の連続だったのですが、海外メディアだけでなく中国国内でも『奇跡的進出』と伝えられています」(特派記者)
中国サッカーといえば、'15、'16年の移籍市場で南米の現役代表選手を次々と獲得。欧州リーグのビッグクラブを驚かせ、国内リーグ『スーパーリーグ』は異様な盛り上がりを見せている。代表チームはまだW杯に出場するレベルには届いていないが、秘策はあった。
「南米の強豪国には代表入りが叶わなかったものの、見どころのある若手がゴマンといます。『ユニホームの色は問わない、W杯に出たい』とする選手も多く、彼らを帰化させ、代表の戦力にしようとする動きがあるのです」(専門誌記者)
その資金源はテレビ放映料だ。中国は空前のサッカーブームで、「独占中継権が欲しい」とする国内テレビ局が殺到。異例のオークション方式の販売となり、'20年までの5年間、80億元(約1400億円)の値で競り落とされた。
さらに「サッカー中継のスポンサーに」と名乗りを上げる企業も後を絶たず、さらにアメリカ、カナダ、シンガポールなど、海外在住の中国系ビジネスマンがインターネット中継を視聴。約1660万人の海外赴任者がサッカー中継をする有料サイトと契約した。
「『スーパーリーグ』全16クラブには、年間放映権料収支の4%ずつが振り分けられました。約11億円ずつですよ。各クラブはこの莫大な分配金を使い、新たな外国人選手獲得を目指しているのです」(同)
今後の選手獲得は、強豪国で代表入りも可能な有望若手選手となる。
「水面下での獲得交渉は1次予選中から始まっていた。最終予選中の補強が間に合わなかったとしても、本大会出場が決まれば中国代表はガラリとメンバーを変えてくる可能性もある」(同)
移籍市場で猛威を振るう中国は金に糸目はつけない。すでにロックオンされている大物選手は…。