総会は異例の長さとなる4時間半にも及び、出席株主数は昨年から約20倍増の3364人に上った。一部報道では「野次馬」的な株主が多かったとも報じられた。開始直前には、実業家の堀江貴文氏が会場入りし、約2時間半で退出した。株主総会では「認定放送持ち株会社であり続けるのか」と質問した堀江氏は、「いろんな選択肢は検討するみたいなことを言っていました」と報道陣の取材に応じた。さらに、「今日、日枝(久・取締役相談役)さん来てなかったよね。普通来るんだけどね、今日で退任するんだからね」と嫌味を交え、「でももう出にくいのかもしれない」と切り捨てた。
これを受け、各局も大きく取り上げた。
同日放送のTBS系情報番組「ゴゴスマ~GOGO!smile~」に生出演したフリーアナウンサー・古舘伊知郎が堀江氏について自身の見解を語った。古舘は「“Netflixとかサブスク系、そっちを追走していくのかどうか”という表現をしました」と、堀江氏の気になる発言に触れた。続けて、「そういうことがずっと先に見えているとしたら、大きなメディアの転換期とも言える、大変な一つの試金石。後で言うと、この株主総会はエポックだったりするわけですよ」と、自身の見解を述べた。
さらに、古舘は「これは許認可事業。総務省からのライセンスでやっているテレビの今の形態が変わっていって、サブスク的な、もっと自由度を持ったやり方で進んでいくって、放送の概念も変わっていきますから。そんなことを将来的な動きを占う一つの株主総会だというとらえ方も必要だな」と、新たなメディアの形にも注目した。
また同日放送の日本テレビ系情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」に生出演した元大阪地検検事で弁護士の亀井正貴氏は総会の長丁場に対して、「これは強烈ですね」と述べ、「2時間でも相当長いなと思うので、3時間に入ってくるのは私はあまり聞かないですね」とその異常さを伝えた。
そして、26日放送のテレビ朝日系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」では、レギュラーコメンテーターの同局元社員・玉川徹氏がCM出稿は以前のように戻るか否かについて「スポンサー側の立場としては、再開するには再開する理由が必要ですよね、当然。特にナショナルスポンサーに関しては」と分析した。さらに、「今のところ、取締役がかわりましたっていうことは理由にはならない」と一刀両断。これに、「取締役がかわっても新しい取締役が何をやるんだっていうことが重要になってくる」などと私見を述べると、「編集と経営の分離。こういうところまで新しい経営陣、踏み込んだらいかがか?」とアドバイスした。
長きにわたって受け継がれてきたフジテレビの“オールドボーイズクラブ”体制がついに崩壊した。新しい役員体制には女性を全体の3割以上を起用し、平均年齢の若返りも図った。
悪しき伝統を一掃したフジテレビにかつての活気が戻る日は来るだろうか。