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キャバ嬢列伝 第2回 〜女性をパートナーに選ぶキャバ嬢

 男と女が出会い、会話を楽しむ場であるキャバクラ。

 時にはお客と親しくなり、お得意様とより親密になって付き合うようになるケースも多い。

 しかし、R嬢は「さすがに疲れちゃった」と言う。「こういう仕事だと、いろいろな男の人に会うし。いい人もいるけど、嫌な人もいるし辛いこともあるから…」
 客との距離が近く、男女が親密になりやすい仕事だからこその本音だろうか。
 それでなくとも、彼女は恋愛であまりいい思い出がなかったらしい。彼女が知り合い、親密になった男性はそのほとんどが何かしら問題のある、いわゆる“だめんず”にあたる男性ばかりだったのだ。
 「借金とか暴力とか、いろいろあった。人によって違うけど…ホストの彼氏と付き合った時は彼氏がなんか店の売上取ってったとかで家に彼氏の店の人や、その上の人が乗り込んできた事もあるし」
 相当な修羅場もあったらしく、彼女は「正直、今は仕事以外で男性と付き合ったりするのに疲れちゃって」と述べる。

 勿論、そんな言葉や心情を勤務中に見せる事はないし、お客の男性に言う事もないが、やはり接客をしていてつぶさに男性の様子をチェックしてしまう癖がついてしまったのだとか。
 「必要以上に構えちゃうのかな。この人は本当にいい人なのかなとか、いい人だけど付き合ったら変わるんじゃないかとか、どこかでビビってる自分がいるっぽい」
 だからだろうか。彼女は現在、親友の女性とルームシェアして暮らしているという。しかもこの女性は、同じ店で働くキャバ嬢なのだ。もともと仲が良かったのだが、R嬢がまた彼氏とのいざこざがあって暫く彼氏と同居していた家に帰ることが出来なかった時、助けてくれたのが彼女だったのだそうだ。
 「こういう仕事をしてる娘には多いよ。男と付き合うのに疲れちゃう娘」
 仕事をしているといろいろと面倒臭いお客も出てくる。彼女のように彼氏の運がない女性も多いため、プライベートでのパートナーに女性を選ぶ娘は多いのだとか。
 「キャバ嬢してると彼氏には仕事の悩みとか言いづらいし…彼氏も聞きたくないっしょ、仕事の相手でも別の男の話なんか」

 ところが、これが女性であればお互いに気持ちがわかるぶん、気楽に過ごせるのだという。その裏には、これ以上男性に傷つけられたくないという気持ちも少なからず影響しているのだろう。
 「もちろん、好きな人と付き合いたいって気持ちはあるから、いずれはいい人と知り合いたいけど…それには男の人を見る目とかもっとつけないと」
 彼女は男性との愛情に飢えているようにも見えた。彼女がいずれ好い人と知り合える日はくるのか。彼女達は今日も、同じ家に帰る。

(和田大輔/山口敏太郎事務所)

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