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闘将・星野の檄が逆効果にしかならない理由は…

 球宴目前−−。ペナントレースは折り返し地点に突入しつつある。パ・リーグの戦況だが、福岡ソフトバンクと北海道日本ハムが僅差での首位戦線を争い、4位・千葉ロッテ以下が大きく引き離されてしまった。
 Bクラスの千葉ロッテ、楽天、西武の下位3チームだが、後半戦も厳しい試合が続きそうなのは楽天だろう。エース・岩隈の復帰は時間の問題だが、首位・ソフトバンクとの『差』は戦力層だけではない。首脳陣と選手の距離感、信頼関係にも大きな違いがある。

 昨今の星野仙一・楽天監督(64)は、試合後に目を釣り上げてばかりだ。
 チームが不甲斐ない負け方をしているのだから止むを得ないが、その怒声は楽天ナインを萎縮させている。7月11日(対日本ハム)、今季3度目となるサヨナラ負けを喫した際、移動のバスに乗り込み、座席に腰を下ろすなり、「くそっー!」と叫んだ。コーチ、選手たちは凍てついた。試合でミスをした何人かの選手は罪悪感にも苛まれたはずだ。
 しかし、星野監督は「中日時代から期待している選手にしか怒らない」という。「怒られたのは期待の裏返し」と教え子たちは感じ、今、星野監督のもとでコーチとなって、『怒声の真意』を必死に伝えている。
 「選手を怒る(=叱る)」ことがいちばん難しい…。

 今春のキャンプ取材中、他球団ではあるが、「選手を叱るエピソード」を教えられた。東京ヤクルトスワローズの畠山和洋外野手(28)が小川淳司監督(53)に叱られたそうだ。外野手練習中、背面キャッチなどで遊んでいたのを見て、同監督はかなり厳しい口調で怒ったという。だが、過日、畠山を直接呼び寄せ、「期待している選手にしか叱らない」と伝えている。規定打席未到達ながら3割を放った。今季は中核打者として存在感を増したのは、期待の大きさを知ったからである。

 小川監督は長く二軍指揮官も務めており、当然、選手の性格も熟知している。信頼関係がなければ、「怒る行為」は逆効果なのである。星野監督が楽天ナインの性格を完全には掌握していない。首位・福岡ソフトバンクの秋山幸二監督(49)も、キャンプ中は率先して外野守備練習に参加するなど、選手とのコミュニケーションをはかっていた。期待している選手にしか叱らないのはどの監督も同じでも、その前段階には『大きな差』があるようだ。(スポーツライター・飯山満)

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