ダイヤモンドヘッドといっても、この山にダイヤモンドが埋まっているわけではなく、19世紀に上陸したイギリス人たちが、キラキラと光る方解石の結晶を山肌にて発見し、彼らが「ダイヤモンドヘッド」と呼んだのが、その名称の由来である。現在、ダイヤモンドヘッド周辺の地表では、方解石はほとんど確認できないが、稀に出土することもあるという。
今スピリチュアルな人々の間で、このダイヤモンドヘッドから、日の出を拝むことが密かなブームとなっているらしい。そんな情報を聞き及んだホラー作家の山口敏太郎は、正月の喧騒に揺れる日本を後にして、一躍ハワイへ向かった。
ダイヤモンドヘッドのゲートは、早朝6時に開く。まだ街中が薄暗い段階だが、寒さに震えながらゲート前で待つ筆者とかみさん。ゲートが開くと、人々が一斉に登り始める。標高232mのこの山は、長々としたスロープを登り、階段からトンネル、さらに急な階段を経て、螺旋階段の上に山頂がある。時間にして30分ほどで登ることができる手頃な登山だ。
時間にして25分、思った以上に息が上がり、やや疲れた表情で頂上に着いた山口敏太郎は、余裕で写真を撮りまくるかみさんをよそに、無口なまま日の出を待った。
時間にして7時16分、空を覆う雲の間から、ようやく日の出が確認できた。なんと厳かで、なんと美しい太陽であろうか。しばし、感動に震える筆者であった。勇気や希望がもらいたい方は、ダイヤモンドヘッドで日の出を拝んでみてはどうだろうか。
(山口敏太郎)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou