プロ野球
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スポーツ 2021年02月25日 11時10分
DeNA・三浦監督、機動力強化が不発でも余裕を見せるワケ シーズンの行く末は前巨人・田中次第?
横浜DeNAベイスターズのキャンプを訪れたファンは、きっと同じ感想を持ったはずだ。「声が出ている」「明るくなった」と――。 これも、三浦大輔新監督のチーム改革の一環だが、不安要素もないわけではない。「機動力」は、開幕戦には間に合わないようだ。 「三浦監督は『今はそれでいい』と言っていますが」(プロ野球解説者) 対外試合6試合を終えて、約34%。何の数字かというと、盗塁の成功率だ。21回も仕掛けたが、成功したのは7回しかない。就任した直後から俊足の神里和毅外野手の1番定着を理想と語っていたように、チームに機動力を定着させようとしていた。 足の速い選手も少なくなく、その狙いは間違っていないが、盗塁の成功率がこんなに低いようではペナントレース本番では怖くて仕掛けられないだろう。 >>DeNA・三浦監督、戦略明かし「失敗する予感しかしない」反発の声 昨季も3チームが掲げた機動力強化のデメリットとは<< 「二軍監督だった昨季、ファームの選手を走らせ、手堅くバントも多用していました」(前出・同) 今さらだが、そんな試合運びを見て、「三浦監督の誕生は近い」とメディアも確信していた。一軍を預かっているラミレス監督は犠打、盗塁を仕掛ける作戦をあまり好まなかった。盗塁数は20年まで2年連続でリーグ最少、犠打においては5年連続、つまり、監督だった全5年間、「バントで送る」という攻撃を嫌った。 三浦監督は二軍で真逆なことをやっていたのだ。 「チームに走るという意識を植えつけるのが狙いなのか、本当にペナントレース本番でも『機動力』を絡めるつもりなら、ベンチも動かなければなりません」(球界関係者) プロ野球の盗塁とは、「足が速い」という選手個々の身体能力だけではほとんど成立しないのだ。昭和時代からそうだが、スコアラーが対戦チームの主力投手の映像を集め、牽制球を投じる時とそうでない時のクセを徹底的に分析する。また、2000年代からはバッテリーの配球傾向も合わせて研究するようになり、「球速の落ちる変化球が投じられた時に走る」というやり方も定着している。 外から見る限り、DeNAのスコアラーなど裏方スタッフがそういった研究をしている形跡も見られないのだ。 三浦監督は盗塁の成功率が低いことをメディアに質問され、こう答えている。 「やってみないことには、何ができて何ができなかったのかが分からない。やってみて、見つかった課題をつぶすように練習で取り組んでいけば…」 「簡単には変わらない」の言葉も何度か繰り返していた。三浦監督も盗塁が選手とスコアラーの共同作業であることは分かっているはずだ。額面通りに受け止めれば、機動力野球への変貌よりも、チームの意識改革という第一段階が目的のようだ。 「対外試合が始まってから、FA移籍した梶谷の人的補償で巨人から獲得した田中俊太内野手の名前を挙げるようになりました。二遊間の守備固めを狙っての田中獲得でしたが、田中は対戦投手のクセや配球傾向にも着目でき、三浦監督の評価もうなぎ登りです」(前出・同) その田中が定位置を獲得し、巨人戦で機動力を発揮してくれたら、痛快なシーンとなるだろう。三浦監督は現役時代から「やってみろ」が口グセだ。成功すれば御の字、失敗してもそれが後の糧となるという持論だ。今は盗塁成功率の低い選手たちに「なぜ、失敗したのか」を考えてほしいと思っているのだろう。 すぐに「答え」を与えない。考えさせている。遠回りかもしれないが、人に教えられたことよりも自分の見つけたことの方が本当の力になる。三浦改革はその歩みは遅いが、着実に進んでいるようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年02月24日 18時30分
DeNA・大和「いちいちつっかかってくんな」怒りのインスタ投稿? 原因は道具への“難癖”か、ファンから同情の声も
これまで阪神(2006-2017)、DeNA(2018-)でプレーし、「1197試合・.252・9本・217打点・755安打」といった数字を残しているプロ16年目・33歳の大和。23日に自身の公式インスタグラムに投稿した内容が、ネット上のプロ野球ファンの間で物議を醸している。 大和は同日22時半ごろ、自身のインスタストーリーに投稿(現在は削除済み)。自身が着用していると思われる黄色のリストバンドの写真を添え、「リストバンドの色とか別に何色でも良くね?」、「いちいちつっかかってくんな うざい笑」と不満をにじませた文章を投稿している。 今季がDeNA移籍4年目の大和は同日も阪神との練習試合に出場するなど怪我なく調整を進めているが、前述の投稿に至った具体的な経緯は不明。ただ、リストバンドの色が古巣・阪神のチームカラーと同じ色であることから、この点について他者から何か言われた可能性もある。 今回の投稿を受け、ネット上には「大和さんがインスタでブチ切れてるのは初めて見た、相当ムカつくことを言われたんじゃないか」、「古巣との試合で黄色のリストバンド着けてたことで何か言われたってことなのか?」、「好きで着けてるだけだろうに、他人からケチつけられるのは不憫すぎる」、「大和が何を言われたのかは知らないけど、リストバンドの色なんて何色でもいいから気にしないで」といった反応が多数寄せられている。 >>DeNA・三浦監督、開幕戦での勝利は絶望的か 阪神・矢野監督とも因縁? 現役時代の“負の歴史”は払しょくできるのか<< 「現在、各球団の春季キャンプや対外試合は無観客で行われており、報道陣の出入りにも制限がかかっている状況が続いています。そのため、大和は直接ではなくSNSなどを通じて、黄色のリストバンドを着用していることに難癖をつけられたのではないかと思われます。大和はこれまでの報道では寡黙で物静かな人柄とたびたび伝えられているのですが、強く不満をにじませている今回の投稿に驚いたファンも多かったようです」(野球ライター) 今回の投稿後、大和は24日17時までにインスタに新たな投稿はしていない。今後この件について真相を語ることはあるのだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について大和の公式インスタグラムよりhttps://www.instagram.com/yamato.maeda.11.05/
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スポーツ 2021年02月24日 11時50分
巨人ドラ5・秋広、対外試合で好調も歴史的抜擢は厳しい? コーチは打撃絶賛もチーム事情に問題アリか
ペナントレースのカギを握るのは「左」になりそうだ。 巨人の注目新人、ドラフト5位の秋広優人内野手(二松学舎大付高)が対外試合でも“結果”を残した。2月23日の東京ヤクルトとの練習試合で2本の二塁打をマークし、打点も挙げた。 「キャンプ上旬の紅白戦で注目され、チャンスを掴みました。一軍クラスの投手に苦戦する場面もありましたが、対外試合4試合目となるこのヤクルト戦では、プロの変化球にもしっかり対応できていました」(プロ野球解説者) 甲子園大会を沸かせた有名高校球児でさえ、金属バットとプロの木製バットの違いに苦しむケースが多いのに、秋広にはそれがない。“開幕スタメン”を掴めば、巨人史上の高卒新人では1959年の王貞治氏以来となる。 夢のある話だが、それと同時に“巨人の弱点”も見えてきた。 同時点で支配下登録されている巨人の内外野選手のうち、18人が左バッターなのだ(両打ち2人を含む)。内野手17人の中で左バッターは7人と半分以下だが、外野手11人中9人が左打ちだ。 また、レギュラー候補をザッと挙げてみると、左打ちに偏重した打線になる。坂本、岡本は右打ちだが、丸、梶谷、吉川尚は左打ちで、期待の新外国人野手は左打ちとスイッチヒッターだ。秋広が“夢を掴んだ”場合、野手8人中5人が左バッターという状況になる。 「一流クラスになれば対左投手も関係ないでしょうが、試合中盤以降、左のリリーバーが出てきたら、代打攻勢を仕掛けられなくなります。阪神の主な中継ぎは左腕の岩貞、岩崎。阪神戦で苦戦する場面も増えそうですね」(前出・同) 案外、秋広の「球団史への挑戦」は主力バッターたちの奮闘に掛かっているのかもしれない。第二期原政権を知る関係者がこう言う。 「07年オフ、当時の課題は『ショートの新レギュラー』でした。何人かの内野手がリストアップされ、秋季キャンプ、08年春季キャンプでテストされました。伊原春樹ヘッドコーチが堅守の某選手の名を挙げましたが、原監督は『坂本で行く』と言って譲りませんでした」 こうした経緯を聞くと、秋広が夢を叶えることも十分にあり得る。 >>巨人・阿部二軍監督、桁違いの振り込みを徹底させるワケを告白 意外な敵軍選手がきっかけだった?<< もっとも、こんな情報も聞かれた。 「打撃担当の村田修一野手総合コーチが『誰にバッティングを教わったの?』と、秋広に質問していました。秋広は少し考えてから、高校の恩師だと答えていました」(球界関係者) 母校出身のプロ野球選手には、広島の鈴木誠也もいる。秋広自身が持って生まれたセンスもあるが、良い環境にも恵まれてきたのだろう。「教える」ということについて、プロ野球界の指導者も考え直さなければならないようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年02月23日 17時30分
中日・大野の五輪代表入りは当確? 稲葉監督との意味深なやり取り、その裏にある不安要素とは
「横浜スタジアムのマウンド、どう?」 「えっ!?」 これは、野球・日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督が中日キャンプを視察した際、大野雄大投手と交わした会話。横浜スタジアムは東京五輪・野球競技の試合会場(第2戦以降)だ。稲葉監督は大野に“代表当確”と先発起用を告げたのである。 もっとも、東京五輪は新型コロナウイルスの影響などで、開催そのものが危ぶまれている。各競技関係者は「やる」方向で調整するだけだが、プロ野球界にも“現実的な意見”が囁かれている。 「もし中止になったら、大幅な日程変更は避けられません」(球界関係者) プロ野球は7月15日から約1か月間、ペナントレースを中断させる。途中中断は本来の五輪イヤーだった2020年にも決めていた。しかし、中断を前提とした試合スケジュールには“無理”があり、全球団の監督が「投手陣のやり繰り、特に中継ぎ投手の体力が心配」と頭を抱えていた。 「侍ジャパンに選出されなかった大半の選手は、『1か月間の休業』となります。投手に限らず、選手は調整が難しい。スロースターターなベテランは調子が上向きになってきたと思ったら休業ですから」(前出・同) 大野は昨季、「10完投」と驚異的なスタミナを見せている。「大野の投げる日は救援陣のリフレッシュ休暇」という捉え方もされていた。 「本当に東京五輪が中止されれば、NPBは日程を組み直します。状況次第では球場が確保できない日も出てきそう。地方遠征が増えることになるのではないか…」(ベテラン記者) 開幕戦は3月26日。ペナントレースがスタートしてから東京五輪に関する発表があった場合、混乱は免れない。地方遠征が決まれば、公共交通機関、宿泊ホテルを押さえるのは各球団の仕事だ。フロントスタッフも負担の多いシーズンとなりそうだ。 侍ジャパンの主要試合を託された大野だが、気になる情報も交錯している。 「過去2年、大野は登板過多の傾向にあり、蓄積疲労が心配されています。『投げたがり』なので、キャンプインするまではそんな声は出ていませんでしたが、今年はいつになくスローペースです。キャンプ中盤に入ってもペースは一向に上がりません」(前出・同) 沢村賞投手・大野の代表入りは与田監督も想定していたはず。その大野を故障させずにペナントレース本番を迎えることが重要となってくるが、「例年以上のスロー調整」と聞くと、蓄積疲労は周囲の想像以上なのかもしれない。 代表チームに招集される選手は多かれ少なかれ、何か言われている。しかし、「横浜スタジアム」と具体的に言われたのは大野だけだ。中日は球団創設85周年を迎え、今年はかなり強く優勝を意識している。中日首脳陣のホンネは、「ウチのエースに余計なプレッシャーを掛けないでくれ」ではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年02月22日 19時30分
スタメン落ちのオリックス選手が指揮官に激怒「家族も皆見に来てる!」 伊原元監督が造反を受けた打者を明かす
元西武で野球解説者の石毛宏典氏が21日に自身の公式ユーチューブチャンネルに投稿した動画に、元西武・オリックス監督で野球解説者の伊原春樹氏がゲスト出演。元楽天で野球解説者・山崎武司氏との間で起こった修羅場を明かした。 2004年に1年だけオリックス監督を務めている伊原氏。今回の動画では同年に行われた名古屋での試合前に、当時オリックスに所属していた山崎氏から造反を受けた話を披露した。 動画内で具体的な日時は明かされていないが、伊原氏は名古屋で行われたある試合に臨んだ。山崎氏がそれまで不振だったためスタメンから外したところ、試合前にマネージャーから「山崎がほえてる」、「中村(勝広)GMのところに行ってあーだこーだ言ってる」と報告を受けたという。 自身ではなく球団上層部に不満をぶつけた山崎氏に、「それは違うんじゃないか」と不快感を抱いたという。すぐに山崎氏を呼びつけ、「お前ちょっと考え違いしてないか?」と苦言を呈したという。 ただ、苦言を受けた山崎氏は「監督、僕は名古屋出身ですよ! 家族も皆見に来てるわけですよ! そこでスタメン外すのはないでしょ!」と逆上。伊原氏が「それは分からんでもないけど、今日のピッチャー(と)の対戦でお前は全然打ってないし、我々は(勝つために)最善を尽くしてベストオーダーを組んでるわけだから」とスタメン落ちの理由を説明しても、「分かってくれてないっすよ!」と聞く耳を持たなかったという。 「そういう状態でベンチ入れてもなんだから、『じゃあ今日はお前、ベンチ外れて帰っていいから』って言った」と、最後には帰宅の許可を出したという伊原氏。すると、山崎氏は「そうしますわ!」と言って本当に帰ってしまったと語っていた。 伊原氏は動画で西武とオリックスの雰囲気や文化の違いについても話している。 >>オリックス・岡田元監督、金子の投球に驚き「キャッチャーの指足らんわ!」 規格外の技術に異例の指示も?<< 今回の動画を受け、ネット上には「選手が起用面の不満をフロントにチクるってとんでもない話だな」、「地元で勇姿を見せたい気持ちは分かるけど、ちょっと公私混同が過ぎる気がする」、「結果を残してるならまだしも、不振なのにそれを言ったらワガママとしか思われないだろ」といった反応が多数寄せられている。 一方、「『地元での試合が復調のきっかけになれば』っていう考えは無かったのか?」、「処遇を決めるのは名古屋の試合での結果を見てからでも遅くなかったんじゃないか」、「ちょっと思いやりに欠ける気もする。こういう態度が選手の士気を下げ、結果的に1年で退任する羽目になったのでは」といった否定的なコメントも複数見受けられた。 現在52歳の山崎氏は現役時代に中日(1987-2002,2012-2013,2014)、オリックス(2003-2004)、楽天(2005-2011)でプレーし、通算で「2249試合・.257・403本・1205打点・1834打点」といった成績をマーク。ただ、伊原氏と共にオリックスで戦った2004年は「62試合・.245・4本・20打点・37安打」とほとんど結果を残せていない。 同年のオリックスは「49勝82敗2分・勝率.374」で3年連続最下位に沈み、伊原氏もこの年限りでの退任をしいられている。今回の動画で明かされたエピソードは、低迷から抜け出せない当時のチーム状況の表れなのかもしれない。文 / 柴田雅人記事内の引用について石毛宏典氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UC9uwO3E7TohCjf1X3zU_kOw
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スポーツ 2021年02月22日 17時30分
プロ6年目でのレギュラー奪取へ! DeNA・柴田が狙う“脱ユーティリティプレーヤー”
20日のマリーンズとの練習試合で、ベイスターズの柴田竜拓内野手がタイムリースリーベースを放つなど活躍。念願のレギュラー取りへ好発進した。 2点ビハインドの5回裏、ノーアウトランナー1−2塁の場面で、小技も出来る柴田に出されたサインは送りバント。バットを引いて見送ると、相手キャッチャーのミスを誘い、2−3塁とチャンスが広がると、カウント3−1から思い切り振り抜いた打球は、綺麗に右中間を抜くタイムリースリーベースとなった。相手投手はマリーンズ期待のドラフト1位・鈴木昭汰(法政大)で、昨年左腕に対して.191と苦手にしていただけに、首脳陣に対していいアピールとなったことであろう。 守備はNPBでもトップクラスだが、課題はバッティングで、プロ入りして3年間は打率.240を超えることはなかったが、2019年は.256とアップ。昨年開幕前には、ラミレス前監督も柴田のバッティングに対し、「去年(2019年)の終盤から良くなってきていて、引き続いて良くなっている。300打席くらい打席に立てば、2割6分から7分、ホームランも5本は打てる能力はある」と評価していた。実際、昨年は276打席で打率.266、ホームラン2本とほぼ予言通りの結果と良化は明らかだ。昨年の契約更改時には「打率は3割」としっかりした数字を提示し、「今まではどこでもいいから出られるポジションで試合に出たい」から、「ショートでレギュラーを取りたい思いがある」とレギュラー取りだけではなく、守備位置にまで言及。並々ならぬ覚悟が感じられた。 内野ならどのポジションでも高いレベルでこなせるユーティリティ性が、ベンチでは使い勝手の良い選手と捉えられ、昨年は110試合出場ながらもスタメンは61試合に留まった。倉本寿彦、大和の長年のレギュラーに、ジャイアンツから加入の田中俊太、右の伊藤裕季也にルーキーの牧秀悟とライバルは多数存在するが、6年目の守備職人が打撃のスキルアップを果たし、今年こそレギュラーの座を狙っていく。文・写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2021年02月22日 17時00分
巨人・阿部二軍監督、桁違いの振り込みを徹底させるワケを告白 意外な敵軍選手がきっかけだった?
巨人・阿部慎之助二軍監督が、21日未明放送の『S☆1』(TBS系)にVTR出演。春季キャンプで打撃力強化を徹底している理由を明かした。 今回番組では元ソフトバンクで現在はBC・栃木でプレーする川崎宗則氏が、宮崎で行われている巨人二軍キャンプを訪問するVTRを放送。その中で登場した阿部二軍監督は、昨年の日本シリーズが打撃力強化を志すきっかけになったと明かした。 昨年の日本シリーズでは、一昨年に続きソフトバンクに4連敗を喫した巨人。投手陣は栗原陵矢(.500・1本・4打点)、柳田悠岐(.429・1本・3打点)、グラシアル(.357・1本・3打点)といった面々に打ち込まれたが、阿部二軍監督が一番印象に残ったのは牧原大成(.250・0本・0打点)が第1戦目で見せた打撃だったという。 >>巨人惨敗の日本シリーズ「ウチが出た方が勝てた」? 中日・大島の“毒舌”が物議、「それは無い」阪神・藤川は即否定<< 同戦の牧原は「5-0」とソフトバンク5点リードで迎えた9回表無死の場面で、巨人・ビエイラのストレート(152キロ)を捉え右翼線に二塁打を放っている。阿部監督は「体はそんなに大きくない(牧原は身長172センチ・体重72キロ)けど、それ(150キロ超のストレート)を打ち返せるのはすごいなと思った」、「こうでないと(強く振れないと)ソフトバンクの上にはいけないなと感じさせられたシーンだった」と、小柄な体格をものともしないスイングに衝撃を受けたという。 牧原をはじめバットを強く振り切ってくるソフトバンク打線に、日本シリーズでは4戦で26点を奪われた(巨人側は4得点)。阿部二軍監督はシリーズで痛感した打力の差を埋めるため、今春キャンプでは多い時で3000スイング以上に達するほどの練習量を選手に課し、バットを強く振る力・意識を植え付けているという。 また、阿部二軍監督は「『打てる球は全部打て。ボールは見逃すな』って(教えてる)。いい(甘い)球をカチンって打つのは誰でもできる(から)、『ボール球をガンッ!って打て!』っていうのも言ってる」と、ボール球でも打てると思った球はフルスイングで狙いにいくよう指導していることも明かしていた。 今回の放送を受け、ネット上には「牧原がきっかけなのは意外、日シリは柳田とか栗原の方が打ってたのに」、「牧原は絶対的レギュラーじゃなくてスーパーサブだけど、そんな立ち位置の選手でもガンガン振ってくるから驚いたのかな」、「ソフトバンクは今1日1000スイング課してるから、それ以上振り込まないと追いつけないだろうな」、「ボール球まで打たせるのは、とにかくバットを振り切る意識を養うためなんだろうか」といった反応が多数寄せられている。 VTR内に登場したドラ3ルーキー・中山礼都が「厳しい練習が毎日続いてるんですけど、本当に一つずつレベルアップしていると自分でも感じています」と語るなど、選手側も手ごたえを感じていることがうかがえる阿部二軍監督の指導。レギュラーシーズン、そしてポストシーズンで大暴れするような打者を一軍に輩出することができるだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2021年02月22日 11時00分
元ヤクルト・安田猛氏が逝去 ノムさんが認めた“日本一のスコアラー”、高津監督にかけた最後の言葉とは
レジェンド・安田猛さんの訃報が沖縄県浦添市でキャンプ中の高津臣吾監督の元に届けられたのは、2月20日の午後だった。享年73。同日の広島との練習試合後であり、翌21日は奇しくも、故人の薫陶を受けた者同士、石井一久GM兼監督との一戦になった。 「高津、石井両監督ともプロ1年目の年の投手コーチが安田さんでした」(球界関係者) 昨年の今頃は野村克也氏の訃報があった。ファンにとっても悲しい限りだが、その野村氏が監督を務めていた時代、安田氏についてこう評したことがある。「日本一のスコアラー」。 「野村さんがヤクルトの監督を引き受けた後、増員したのがスコアラーでした」(前出・同) ざっくり言うと、スコアラーとは対戦チームに密着し、ピッチャーの配球や主力バッターの不得手なコース、変化球などを調べ上げるのが仕事だ。野村氏がそれを増員させたのは調べ上げてもらいたい項目が多いからだが、投手コーチからスコアラーに転身した安田氏を「日本一」と称賛した理由は、大量な仕事をこなせたからでもなければ、仕事が早いからでもなかった。 対戦チームの主力バッターの苦手な球種が「外角の落ちる変化球」だったとする。普通のスコアラーなら、ここまでデータ収集と解析は終了だ。しかし、安田氏は違う。自軍の投手に当てはめ、カーブ、スライダー、チェンジアップなど、「この投手にはあの球種を投げさせ、あの投手には…」と、より具体的な攻略法を提案していたという。 >>ヤクルト・真中元監督、年配解説者に激怒? 監督時代に受けた“適当な指摘”を暴露「あなたキャンプ来てないから!」<< また、高津監督らの現役時代は「良き相談相手」でもあったようだ。 「選手に声を掛けるタイミングが絶妙なんです。先発投手が大事な試合前の登板で緊張していると、一人になった時に話しかけたり、新人が練習の流れが分からず、戸惑っていると、他選手がその新人をいじりたくなるようなジョークを言ったり。コーチミーティングや編成会議では聞き役に徹し、二軍降格を告げられた選手にも励ましの言葉を掛けていました」(ベテラン記者) スコアラー、スカウトとして活躍されていた90年代、神宮球場のスタンドで何度かお見かけしたことがあるが、メディアに対しても「お疲れ様~」と必ず声を掛けてくださった。好々爺といった雰囲気だった。 1978年のチーム初優勝、日本一にも貢献しているが、入団した当初は“万年最下位”だった。指導者に転じてからもBクラスと優勝の両方を経験している。 だからだろう。昨年オフ、氏はOBの会合で高津監督の元に歩み寄り、 「オレもこんなだけどガンバレよ」 と、激励の言葉を掛けたそうだ。 頑張っていれば、いつか報われる。つらい時をどうやってしのぎ、建て直すかが大事なんだ、と――。 球団発表によれば、近年は病との戦いだったそうだ。左のサイドハンドから繰り出す変化球は独特の軌道を描き、世界の王貞治氏を苦しめた。高津監督もこのままでは終われないと思っているはずだ。2年連続最下位からの逆襲へ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年02月21日 11時00分
ソフトB・甲斐、正捕手の座が決して安泰ではないワケ 劣化が続く“キャノン”以外にも課題が?
今季も「扇の要」にはこの男が座る。 4年連続日本一を達成した福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也は、今季も不動の正捕手としてマスクを被ることに疑いの余地はない。だが、『常勝軍団』だからこそ、球界屈指の捕手としての地位を守り続けることも、決して簡単ではない。 昨年は4年連続でのゴールデングラブ賞や、自身2度目のベストナインに輝く活躍を見せるも、先発投手や対戦相手によって、起用法が変わり、シーズンを通しての出場はままならなかった。レギュラーとして自己最多出場を果たした一昨年に比べ、昨シーズンはコロナ禍での試合数削減もあるが、30ゲーム以上、出場機会を減らしている。 また、今季への懸念として考えられる要素として、捕手のスキルを表す数値である盗塁阻止率もその一つだ。2018年には12球団ダントツとなる.447を叩き出すなど、まさに大砲に例えられるほど他球団の脅威となっていた『甲斐キャノン』の威力は、ここ2シーズン下がってきており(2019年.342、2020年.328)、数字を見る限りにおいて、やや陰りを感じさせている。 それでも、甲斐の存在そのものが、投手陣の大きな支えとなっていることは間違いない。 昨年までホークスは、2年連続でチーム防御率がリーグトップの成績を残したことは、投手陣の高い能力を甲斐のインサイドワークによって引き出されたことに他ならない。 また、今季も先発陣の一角として、開幕ローテ入りを狙う和田毅は今キャンプでブルペンに入り、甲斐のミットに投げ込むと、『(甲斐から)良い球が来てますと、言ってもらった』として、自身の投球への好感触を得たコメントを残している。やはり、甲斐の存在は、ベテラン、若手を問わず絶大な信頼を置かれるなど、ホークス投手陣全体に安心感を与えている。30歳を前にして、求められることは決してグラウンド上の動きだけではない、精神的な部分においても捕手としての円熟味が感じられる。 昨年の日本シリーズ、捕手として巨人打線を完全に封じ込めた上、バッティングでも2本塁打を放つなど、試合を決定付ける働きを見せている。春季キャンプ中には「チームが勝つためには、守備も勿論だが、自分が打たなければならない」と打撃への重要性も語っている。さらなる連覇をめざすチームの中で、攻守において『核』となるべく、背番号19は貪欲に自らを追い込んでいく。(佐藤文孝)
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スポーツ 2021年02月20日 11時00分
西武投手の死球に中日助っ人が激怒!「ストップ!」捕手の制止も空しく…OP戦で起こった前代未聞の乱闘劇
2月1日から始まったキャンプも、各球団後半戦に差し掛かっている球界。2月23日からはオープン戦が本格化(23~28日の11試合は練習試合に変更)するなど、開幕へ向けた準備が着実に進められている。 練習試合・OP戦は他球団と戦う対外試合でOP戦については順位も出るが、あくまでも開幕に向けた調整の一環として行われる。そのため、これらの試合で両軍がヒートアップするような事態はほとんど起こらないが、過去に前代未聞の乱闘が勃発した試合がある。 1990年3月15日、ナゴヤ球場で行われた中日対西武のOP戦。8回裏、マウンドに上がっていた西武・鹿取義隆の手元が狂い、打席に入っていた中日の助っ人・ディステファーノの右肩付近に直撃。鹿取はすぐに帽子をとって謝罪するも、ディステファーノはバットをマウンド方向に放り投げ激怒。不穏な空気を察したのか、西武捕手・大宮龍男はすぐに制止に入った。 ところが、ディステファーノは怒りを収めるどころかさらに激怒すると、大宮と取っ組み合いながら顔面を何度も殴打。これを見た両軍ベンチからはすぐさま選手・コーチが殺到し、あっという間に両軍入り乱れての大乱闘に発展した。 西武・森祇晶監督、中日・星野仙一監督の両指揮官も参戦した乱闘はしばらく続き、一度は収まったかのように見えた。ところが、状況が落ち着いた隙をついて、ディステファーノが西武・広野功コーチにつかみかかったため再燃。その後、ディステファーノが退場処分を受けてグラウンドを去ったためようやく沈静化した。 当時の報道によると、OP戦での退場劇はそれまで過去4度あったというが、この4回はいずれも審判への侮辱行為によるもので、乱闘での暴力行為による退場は初めてだったとのこと。直接殴られた大宮を含め幸いにも目立った怪我人は出なかったが、ディステファーノは退場処分を受けた後も、ベンチ裏で壁や周囲の備品を殴ったり蹴ったりと大暴れだったという。 なお、とばっちりを食らう羽目になった大宮は、この時の状況について後年に出演したテレビ番組などで明かしている。大宮によると、ディステファーノに対しては「ストップ!」と英語で言いながら制止に入ったというが、全く聞く耳を持たれずに殴られたとのこと。また、大宮は前年の1989年まで中日でプレーしていたため、「反撃しようにも、相手は去年までの仲間なので行くに行けなかった」という。 >>「いつまでグズグズ言ってるんだ」巨人コーチのヤジが大騒動に! 同僚は流血、藤田元監督も嘆いた衝撃の大乱闘<< 乱闘劇を引き起こしたことによりリーグ側から制裁金10万円と厳重注意を受けたディステファーノだったが、シーズンに入っても自身が発端ではない乱闘でどさくさまぎれに相手コーチを殴って退場処分を受けたり、ナゴヤ球場のベンチを破壊して球団から罰金を受けたりとやりたい放題。ただ、肝心の成績は「56試合・.215・5本・14打点・39安打」とサッパリだった上、同年7月の二軍落ちを機に球団に退団を申し入れ翌8月に解雇されている。 公式戦ではない試合で激昂し、前代未聞の乱闘を引き起こしたディステファーノ。球界ではこれまで数多くの助っ人がプレーしているが、気性の荒さだけでいえばトップクラスなのかもしれない。文 / 柴田雅人
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西武・松坂、一軍キャンプ投入は危険? 渡辺GMの意味深発言、昨季未登板の内海とも明暗分かれるか
2020年01月11日 17時30分
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日本ハム・中田も怯える「プロ野球選手寮」 心霊現象の頻発、球団が対応に追われたケースも?
2020年01月11日 11時00分
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阪神、現コーチ陣には存在意義がない? 山本昌待望論が渦巻く春キャンプ、秋に敷かれた“かん口令“も継続か
2020年01月10日 11時40分